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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

アズサの体に異変が!?編

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135 お城の部屋に隠れる予定だった

 結局、艦上(戦艦じゃなくてファートラだけど)では、ずっとベルゼブブに愛玩され続けたまま、ヴァンゼルド城に到着した。
 着陸前は座ってるベルゼブブにぎゅっと抱えられていた。

「あの、ぬいぐるみじゃないんだけど……」
「着陸時は揺れるからの。揺れてこけては危ないからのう」
「危ないわけないでしょ。私がそれなりに強いこと、あなたも知ってると思うんだけど……」
「それはそれ。これはこれじゃ~。城についたら、ちょっと国の会議に出ないといけないので、離ればなれになるが、おりこうにしておるのじゃぞ?」

 この悪魔、国の会議をマジでほったらかしてこっちを優先したのか。頼んだこっちが文句言うのもおかしいけど、さすがにそれはまずいんじゃないか?

「シャルシャとファルファ、そなたたちはアズサの面倒を見るのじゃぞ?」

「うん! ママの面倒を見るよ!」
「お菓子を食べすぎないように監督する」

 二人が素直に応じている。いやいや、そこはツッコミ入れるところでしょ! こっちは小さくなってもママだからね!

「ママ、おトイレ大丈夫?」
「ノドが渇いている時はこちらに伝えてほしい。幼児は体が小さいので、脱水症状になりやすいもの。なお、スライムの体の九十五パーセントは水でできている」
 完全に子供扱いか。
 あと、スライムってクラゲみたいな生物なんだな……。ほとんど水じゃないか。

 どうやら、体が小さくなると、自動的に子供扱いをされてしまうらしい。
 ムカつくわけでも、悔しいわけでもないが、どうも納得のいかない部分がある。とはいえ、この体で文句言っても、どうせ子供がごねてるような反応をされるの目に見えてるから、八方ふさがりである。

「よし、とっとと大人に戻れる方法を探してもらうよ!」

「大人ぶってるアズサ、かわいいのじゃ~!」
「子供であることを拒否したい年頃。第一次反抗期」

 おい! あくまでも大人だからね! その反応のほうがおかしいからね!
 多数決だと向こうのほうが正当なのでどうしようもない。
 結局、ファルファとシャルシャに手をつながれて、ファートラから降りることになった。今の身長から見ると、娘もかなりデカく見える。

 ベルゼブブは会議に文字どおり飛んでいったので(マジでぎりぎりまでこっちを優先してたっぽい)、その後はファートラとヴァーニアに城を案内されることになった。
 また、やってきたヴァンゼルド城。だんだんと城内の位置関係も覚えてきた。

「ひとまず、城の客人用の部屋にお入りください。すでに専門家は幾人かピックアップしてますので、それらの方々をご紹介いたします」
「ありがと。よろしくお願いします」
 ファートラは私が小さくなっても、いつもどおり事務的に応対してくる。このあたりで性格が出るな。

「それと、あまり外に出歩かないようにしてください」
「えっ? 別に人間の子供を食べようとする奴はいないでしょ?」
「そんなことはありえませんが、その……魔王様が見つけると余計なことを言い出す恐れがないとも言えませんので……」

 ファートラは言葉を選んでいたけど、言いたいことは結局言っていた。
「ああ……ペコラにばれたら確実になんかややこしいことになるよね……」
 私はいまだにあの子はちょっと苦手だ。一言で言うと、わがまますぎるのだ。しかもイタズラ好きでもある。

 魔王なんだから当たり前かもしれないけど、平気で周囲を振り回してくるからな。こっちとしては振り回されたくはない。自分の利益をほかの利益より常に優先させてくるタイプの人間だ。

「ヴァーニア、念のため、この先の廊下に魔王様がいらっしゃらないか確認してきて」
「はーい、わかりましたー」
 どたどたヴァーニアがあほっぽい歩き方で進んでいく。あの子、出世しなさそうだ。仮に出世しても、すぐに不祥事起こして、左遷されそう……。

「あの子、もう少し、こう……にじみ出るあほっぽさを消せないのかしら……」
 妹のいないところで姉が本音をぶちまけていた。
「やればできる子だと最低でも百年は信じてきたんだけど、やってもできない子なのかな……」
 ああ、私は一人っ子だったけど、それでもファートラの苦しみがわかるよ!

 しばらくすると、ヴァーニアが戻ってきた。
「大丈夫です! 魔王様の影も形もありません!」
「もっと声を小さくしなさいよ!」

 定番のことをやらかしているヴァーニアの言葉を信じて、私たちはとことこ歩いていく。謎の子供三人組は目立つけど、挙動不審になるとかえって目立つので何食わぬ顔で進む。

 そして、無事に私たちが潜伏する部屋にたどりついた。
「ふぅ、どうにか、ここまで来れたね」

「ママは小さいから目立たないよ~」
「背の低いことを利用した斥候もかつてはいたという。これもその応用」
 娘二人が微妙に腹黒く見える。もしやもっと大人扱いしたほうがよかったのか……?

 さて、ドアを開けるか!

「…………ウソ、マジ? 届かない……」

 思ったよりもドアノブが高いところにあり、まわすことができない!
 ジャンプしても微妙に届かない!

「あっははははは!」
「ヴァーニア、笑っては失礼よ。お客様なんだから面白くても黙っていなさい」
 リヴァイアサンたちに笑われている!
 くそ、なんたる恥辱! しかし面白いことをしてしまっているのは事実だから、彼女たちを恨むのはおかしい。恨むとしたら、こういう原因を作った人間、うん、ハルカラを恨もう。おのれ、ハルカラめ!

「じゃあ、ファルファが開けるね~」
 ファルファは背伸びをしたら、ちゃんと開けることができた。この建物、ノットバリアフリーではないか。小さい子でも開けられるようにしといてよ。

 がちゃりとファルファが開いたドアの先に私は進んでいく。
「ああ、やっとついた~」

「ごきげんよう、お姉様♪」

 すごく嫌な声がした。

 部屋の奥のテーブルでペコラがお茶を楽しんでいた。

「お待ちしておりました♪」

 ばれていた。
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