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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

アズサの体に異変が!?編

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133 かわいがられてます

 結局、家族にさんざんもてあそばれてしまった。
 あのあと、ライカがフラタ村に行って、子供向けの服を買ってきた。私はそれを着ている。帽子も程よいサイズのをどこかで入手したらしく、普段の服が縮んだみたいに、だいたい対応している。

「はい、ママ、あ~ん!」
 私が床に座ってると、ファルファがクッキーを持ってやってくる。
「子供扱いしないで――って、子供か……」
 口を開けると、そこにクッキーがさっと入れられる。うん、おいしい。けど、なんか複雑な心境だ。

 今度は分厚い本を大儀そうに持って、シャルシャがやってきた。
「今日は、幼な子のために本の読み聞かせをする」
「はいはい、幼な子ですよ」

「読むのは『黙想録』上巻の<知識と体験の本質的相違>。直感的認識知について、本格的に論じた名著」
「ハードル高すぎるでしょ……」
「聞いているうちに眠くなる」
 方法が違う気がするが、まあ、付き合うことにするか……。

 そのあと「直感的な認識は知識の積み重ねでは起こらない」みたいなことをシャルシャが言っていたけど、よくわからなかった。
 そのうちに眠くなってきた。もしや、そういう反応も子供っぽくなってるのか? それとも本当に本がつまらないだけなのか?

 壁にもたれたまま、私はうつらうつらする。すると、ファルファがその横に並んで添い寝する。
「ママ、かわい~。一緒にお眠りしよ」
「そうふぁね……眠い……ただひたすら眠い……」

 このまま寝るのもいいかなと思ったけど、いきなりシャルシャが立ち上がって、

かつ! 霊性に目覚めよ」
 と、ぽんと弱くチョップしてきた!

「ちょっと、起こさないでよ……」
「これこそ、直感的認識知。これは体験によって呼び起こすしかない」
 もしや、本の読み聞かせの間に寝そうになってるから怒ってるのかな?

「しかし……眠るということもまた体験……。シャルシャは許容する」
 結局、許すのか。
「シャルシャも眠りたい……」

 私の逆側にシャルシャが来て、三人で少しの間、居眠りした。
 こういう経験もたまには悪くないかな。

 食事の時間、いつもとちょっと違うことが起きていた。
 私のオムレツに謎の旗が刺さっているのだ。
「こ、これはお子様ランチのシステム……」

「どうですか? 今日はアズサ様の見た目に合わせてファンシーにしてみました!」
「みんな、私で遊びすぎだよ……。でも、たまにはこういうこともいいか」
 どうせ、すぐに復活するだろう。明日目覚めたら服がぱっつんぱっつんになってるとか、そういうオチだ。

「……ライカ、これ、いつもより量が多くない?」
「いえ、それでも全体的に量を減らしたぐらいなんですが。やっぱり、小食になられてますね」
 なるほど、ある意味、燃費はいい体なのかもしれない。

 頭上でロザリーが「魂の重さは体が小さくなっても変わらないものですね~」などと言っているけど、それ、どうやって計測するんだ。

「ところでハルカラ、いないね」
「ハルカラさんは、調べ物をすると言って、ずっと部屋に引きこもられています」
 なんか悪い予感がした。いや、まさかね、まさかね……。

「あの、アズサ様、一つお願いがあるのですが」
 ライカがうずうずしている。喜びを押さえている感じがした。
「はい、いったい何?」

「食事中にお行儀が悪いかもしれないですが……頭をなでなでさせてもらっていいですか?」
「……もう、とことん愛玩して甘やかすといいよ! こっちも腹を決めた!」

 そのあと、きっちりライカになでなでされた。ただ、全体的に恐る恐るという印象がある。あんまり、なで慣れていないな。私は娘に対して、しょっちゅうなでなでしてるからな。

「どう? 満足した?」
 私はふてくされた顔で夕飯を食べている。その横にライカがいる。
「アズサ様が娘のお二人に感じていらっしゃるお気持ちが少しだけわかった気がします……うわ、かわいすぎます……。ちょっと、むくれてる顔もかわいすぎます……」

 そっか、幼女はどんな表情をしてもかわいいんだな。唐突に政治を語ったりしても、ギャップ萌え的な何かになるんだろうな。
 そのあと、フラットルテも食事を止めて、「ライカだけずるいぞ!」となでに来た。もう、何人になでられるも同じだ。

「きっと、このフラットルテのほうがやさしくなでていますよね? ライカよりソフトななで方ですよね?」
 そこでも、張り合う気か……。

「ママ、ファルファ、妹か弟ほしくなってきちゃった。あっ、シャルシャは双子だからまた別ね」
「シャルシャも自己の成長のために、年少者と接する機会は増やしたい」
 いやいやいやいや、それって子供生めってこと……? こっちは結婚してすらいないんですけど!

 そこにロザリーが諭しに二人のところに降りてきた。
「お二人さん、それは無理な相談ですぜ」
 そうそう、ちゃんと言ってやって。
「まずは縁談の相手を探すところからはじめないといけませんぜ」
 手順を追えという問題じゃない!

「そうですね、アタシの知ってる範囲だと死霊のクルードさんとか。怨霊のバルターさんなんかもイケメンですね」
「死者の中で探すな! いろいろと無理があるでしょ!」

 そりゃ、ファルファやシャルシャみたいにかわいい子が増えることは素晴らしいけど、その予定はない。だいたい、二人ぐらいかわいい子なんて世の中に存在するだろうか。いや、ないだろう。

 そんなことを考えながら、付け合わせのサラダを食べていた。いつもより苦みを強く感じるな。そういえば、子供が野菜を残すのとか、大人より苦みを感じやすいからじゃなかったっけ。

 そこに、ハルカラがやってきた。
 表情は、憑き物が落ちたようにさっぱりしている。
「おっ、元に戻す目途が立った!?」

 すると、ハルカラはいきなり私の前にひざまずいて、頭を下げた。

「戻し方がわかりません、申し訳ありません!」
「じゃあ、なんでちょっといい顔してた!?」
「すべてを包み隠さずにさらけ出して、謝るしかないと決めたら、こういう顔になりました! わたしにはヒントも何もありません! ただ、ただ、誠心誠意謝罪します!」
 謝罪されても何の解決にもならない!

「なあに、問題ないですよ、ご主人様」
 フラットルテは腕を組んで、どっしり構えている。
「十二年ぐらい我々が育てれば、ご主人様はこれまでのような容姿になりますって」
 解決に時間がかかりすぎるし、どっかの名探偵みたいに永久に子供の可能性もあるんだって!

 こうなったら、しょうがない。もう、残る選択肢はそう多くない。
「魔族に頼ろう。前回、アンデッド捜すの手伝ったし、協力してくれるだろ。いいや、強制的に協力させる」
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