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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

アズサの体に異変が!?編

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132 姿が!

 ほかのキノコも当然のように味がいい。というか、バターしょうゆのコンビネーションが強い。だいたい、おいしくなる。

「これは、クロドワーフダケですね。大きくなりすぎる前のほうが味がいいです。いいのを厳選して採ってきました」

「うむ。美味」
 シャルシャもおいしいと、うんうんうなずいていた。
 ライカも「なかなかいけますね」とフォークでぶすぶすキノコを刺していた。

 うん、盛り上がってる、盛り上がってる。キノパをやって、よかった。

「こんなにいろんなキノコが生えてるんだね! 森には不思議がいっぱい! すごーい!」
 ファルファも楽しそうに笑っている。たしかにふだんは気づかない森の魅力と言えるかもしれない。

「どうです、お師匠様? 毒のないものだけ採ってきてるでしょ?」
「そうだね。疑って悪かったよ」

 そうそう、毒を入れるなんてミスもしないか。
「こっちの赤いのは何かな?」
 そう言いながら口に入れる。

「ああ、それもノームノカクレガ……じゃなくて、ノームニナルダケですね」
「へえ、また変わった名前のキノコだね」

「はい、食べるとノームみたいに小さくなると言われている毒キノコですね」
「へえ、毒キノコなんだ――――って、おい」

 私は無表情で、ぽんぽんとハルカラの肩に手を置いた。

「今、毒って言った? 毒って言っちゃった?」
「あの、お師匠様、目が怖いです……」

「あんなに森で採集するキノコは気をつけろって言ったのに……」
「違います! 森のものは慎重に選びました! しかし、自室で作っているキノコの中でそのまま食べちゃダメなのを採取してしまいました!」
「知るか! 『森では毒キノコを選んでないからよかったね』なんて言うと思ったか!」

 ぬかった。ハルカラのドジっぷりを過小評価していた……。
「大丈夫、母さん? 気分が悪いならベッドまでシャルシャが連れていくから」
 シャルシャが不安そうに私の横にやってくる。娘の気づかいが心にしみる。

「それより、あなたとファルファは食べてない?」
 横にシャルシャは首を振った。ファルファも奥で首を横に振っている。

 二人は明らかに体が小さいから、それだけが気がかりだった。
 ぶっちゃけ、ライカとフラットルテはドラゴンなので、毒キノコ一つ程度で死ぬほど体は弱くない。
 ハルカラは対処法を知ってるからどうにかなるだろう。ロザリーは幽霊なのでもう死なないし、食べないので問題なし。
 私はステータス的に毒キノコ程度で死なないと思う。

 というわけで、最悪の事態は防げたとみていいだろう。
 今のところ、私にもこれといった症状はない。

「それで、ノームニナルダケの毒はどういうもの?」
「ええとですね……極めて珍しいキノコなんですけど、ノームみたいな体になるとか……」
「それって何? 体が縮むってこと? キノコ食べてそんな効果が起こるわけがな……」

 私の体に明らかに異変が起こった。
 体がふわふわと浮き上がるような感じになる。
 熱病にいきなりかかったみたいだ。

 そして、だいたい十秒ほどだろうか、意識がぷつっと飛んで、また目が開いた。

 まず感じたのは服がぶかぶかだなということ。顔なんて帽子にすっぽりはまっている。
 帽子をどけると、ハルカラがとてつもなく巨大に見えた。

 あれ、意識が変になって距離感がおかしくなった? ライカもロザリーもやけに大きく見える。全員、やけにお姉さんキャラに見える。

 なんと、シャルシャまで大きく見えた。いつのまに、こんなにお姉ちゃんに? 成長期?
 シャルシャも私のほうを見て、目をぱちぱちさせている。シャルシャにしては珍しい驚いた顔だった。

 と、いきなり背後からぎゅっと抱きしめられた。

「わ~! かわいー! ママ、かわいい!」
 ああ、この声はファルファだね。でも、私、持ち上げられてるんだけど、ファルファっていつのまにこんなに力持ちに? 成長期?

「ファルファのほうが私より百五十倍かわいいよ。でも、ファルファにかわいいって言われて、ママうれしいな」
「うん、ママ、かわいくなってるもん!」

 おかしいな、今日ってそんなに気合い入れてお化粧したっけ?
 ちなみにこの体は三百年間十七歳の容姿を維持できているので、肌にも張りがある。化粧もナチュラルメイクに見える高度なメイクではなく、本当に薄化粧のナチュラルメイクで問題なくすむのだけど、それは別のお話。

 そこにライカがあわててやってきた。やけに大きく感じる。
「ライカ、さっきから私の遠近感がおかしいんだけど」
「アズサ様……まだ気づいていらっしゃいませんか?」
 娘のかわいさにはずっと前から気づいてるけど、そういうことではないと思う。
「アズサ様、小さくなってます……。多分、五歳児か六歳児ぐらいですね……」

「…………」
 私はあらためてぶかぶかの服を見た。
「…………うわーーーっ! 名探偵みたいになってるっ!」
「アズサ様、探偵は関係ないですよ! まさか精神の錯乱も!?」

 あっ、精神のほうは安定してます。



 私は家に戻ると、まず鏡の前に立った。
 ちょこんと、ちんまい子供がそこにいた。

「子供だね……」
「ですね。幼児と言っていい見た目かなと思います」

 こんな時、ライカが冷静でいてくれて助かる。
 ちなみにハルカラはぺこぺこ頭を下げてきた後、元に戻す方法を調べるべく、部屋にこもった。

 ちなみに解毒魔法をかけてみたが、すでに効果が発生した後であるため、魔法では効き目がなかった。

 ノームになるキノコみたいな意味合いのキノコを食べて、こうなったわけでまさしく名称のとおりだ。
 それ以上の毒がないなら、ひとまずは大丈夫だろう。
「そのうち、元に戻るならいいんだけどね。ずっと、この体なのは着る服もないし、困ったな」

「あの、アズサ様……」
 ライカはちょっと口を押えている。
「その……無礼かもしれませんが、言わせてください。か、かわいいです……ものすごくかわいいです」

 これは喜んでいいのだろうか……?

 そこに嬉々とした顔のフラットルテがやってきた。
 なんとなく嫌な予感がしたけど、動きが遅くて逃げられなかった。

「はー、かわいいです! ご主人様、かわいいです! 高い高ーい! 高い高ーい!」
「持ち上げないでよ! あと、そういうので喜ぶほど子供じゃないでしょ! あと、勢い強すぎて、まあまあ怖いっ!」
というわけで子供になってしまいました! 次回に続きます!
じわじわ2巻の発売が近づいてきましたね。約1か月先に2巻が出ます!

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