挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

ドラゴンが来た編

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

12/279

11 結界の完成と弟子の料理

ランキングに表示される点数で、自分の中で過去最高になりました! 本当にありがとうございます! これからもアズサとライカをよろしくお願いします!
 ちなみに私が使った結界はこんな効果を持っている。

 まず、村を魔法の結界が覆っている。これで攻撃魔法が遠方から飛んできても防御できる。これは普通の結界の機能だ。

 ただ、もう一点、特徴がある。

 邪悪な心を持った者が村に入ってくると、その人間を結界が感知して、網のように動きを封じるのだ。

 こういった邪悪な者を捕らえる魔法は神殿などに勤める聖職者が使えるらしいのだが、今回はそれをミックスさせた。

「はっきり言って、一つの魔法に複数の効果を持たせるなんてことはほとんど前例がありません。アズサ様が魔法創作を行えて、なおかつ、最高ランクの魔女だからこそできることです」

 ライカに無茶苦茶褒められてちょっと恥ずかしいぐらいだ。

「せっかく強くなったんだったら、いいことに使わないとね」

 私は一貫してフラタ村を守ることは考えて生きてきた。
 理由は単純で、ここが私のホームグラウンドだからだ。
 私は高原に住んでるが、すぐ近くのこの村の住人も同然の生き方をしてきたし、村の人達もそう考えている。

 世界平和だとか、国の平和だとか、そういった大規模なことを実現できる力はないと思って生きてきた。それが普通だ。
 でも、自分が暮らしているところぐらいは守りたい。
 そんな気持ちで薬も作ってきたし、病気の人の診療なんてこともした。

 それがこの三百年の私の生きる意味というか存在価値だった。

 なので、今回の結界もその考えに合致したことだったので、すぐに実行したのだ。

 まあ、レベル99になっちゃったから、こっちも助けてくれって声が各地から来そうで、今後、不安ではあるが……。

「それじゃ、また村に戻って、このことを村長さんに報告しようか」

「はい、では我の背中にお乗りください」

「いや、ここは歩く」

 昨日、けっこう食べたし、運動しておきたい。

 村長に説明をしたら、涙を流して喜ばれた。

 しかも、ぼたぼた涙を垂れ流しているので、脱水症状を心配したくなるほどだった。

「うれしいですぞ! 高原の魔女様は本当にフラタ村のことを考えてくださっていますな!」

「いえ、私の力が強くなったことも噂になってるみたいですし、その対策も兼ねてのことなんです。力におごってる人が村に余計なことをしないとも限りませんし」

 たとえば、今後、私がライカみたいに挑戦を受けて勝っても、その報復で村が狙われるという危険はないとは言い切れない。
 それに私の影響でフラタ村の知名度が上昇していること自体は事実だろうし。問題のある人が来る可能性も高くなる。

「いえいえ! たしかに、これまでも村の安全対策がザルではないかとこの五百年間、よく議題に上がっていたのです。ついにそれが解決できました!」

 さすがにそんなに懸案になってるんだったら、どうにかしとこうよ!

「もう、魔女様の銅像を建てようかと思うほどです!」

「ああ、それは絶対にやめてください」

 自己顕示欲が強い人ならそれでうれしいのかもしれないが、私はむしろ引く。

 結界の件も終わったので、私達は新築の家まで帰った。
 ただ、こういう防犯のシステムは難しいもので、本当は一切その機能が検証できないぐらい何も起こらないのが一番いいのだが。

 今日の仕事らしい仕事は終わったが、まだ一つ見極めないといけないことが残っていたのだ。

 それはライカの作る料理だ。

 そう、二人で暮らす以上、料理や掃除の分担も必要になる。むしろ、弟子が主にやってほしい。

 とはいえ、全部弟子に任せるようなことをしていると、人として腐っていく危険があるので、それなりに自分でもやるつもりだ。目標は半々。

 ただ、半々といっても、ライカの料理が爆発的に下手であった場合はそういうわけにもいかなくなる。そこで今日は私が料理審査を行うのだ。

「そもそも、ドラゴンって調理するの?」
 生でばくばく食べているイメージがある。
「ええ。我らは野蛮人ではありませんので。ドラゴンは高貴なる種族の一つですよ」
 珍しく、ライカが胸を張った。

「ひととおり、食材は買ってきてるから、この中の物を使って調理してね」
「わかりました。全力を尽くします!」

 ライカのほうもかなりの意気込みで台所に入った。

 なお、この世界では火炎の魔法を詰めこんだ金属製のボンベみたいなものがあって、これで火を調節する。
 ただし、これは割と高いので、お金を節約したい人は火花がよく飛び散る石を打ち付けて、これで乾いた藁に着火させて火をおこす。

 その他、火炎の魔法が使えるなら、それを使う。私も火炎が使えるとわかってからは、この方法をやっている。

 ライカは囁くように小さなファイア・ブレスを吐いていた。
 そうか、少女の姿をしている時でも炎って使えるんだな。

「火の加減よし。今のところ問題ない。落ち着け、落ち着け……。我はドラゴン……この程度で動じる女ではない……」

 けっこう動じている気がするが、大丈夫だろうか……。

 ちなみに私は声を聞いているだけだ。
 どんな料理を作っているかは見ないことに決めていた。ずっと見ていたら緊張させてしまうかもしれないし、料理が出る楽しみもなくなるからだ。

 だいたい三十分後。
「できました!」という元気な声が聞こえてきた。

 さて、いったいどんな料理ができたんだ?

 まず最初のお皿に載っているのは、大量のサラダ。
 薬草の中には苦味が弱くて、生やゆでて食べられるものもあるので、そういうものがいくつも入っている。

 さらに、違う皿には、巨大なオムレツが置かれていた。
 おそらく卵を十個ぐらい使っていると思う。

「たしかにオムレツは好きだけど、これ、高カロリーだな……」

「これが我の最高傑作。さあ、どうぞ!」

 まあ、量は二次的な問題だ。大事なのは味だ。

 まず一口。

「……あっ、おいしい!」

 このふわとろ感は秀逸な出来だ。

「そして中には炒めたタマネギとニンジンか」

 これはオーソドックスなものだな。でも、このサイズでずっとこの味だと飽きてきそう――あれ、違う味が来る。

「あっ、少し横にいくと、チーズが入ってる!」

「そうです。オムレツの中はちょっとずつ違う味を交えました。卵をつつく楽しみがありますよね」

「しかし、こんなデカいオムレツよく作れたね」

「金貨を取りに戻った時に、調理器具なども持ってきましたので」

 弟子入りする気満々だったのか……。今はそのやる気を買うか。

 ライカ、あなた、なかなかやるな。

 巨大オムレツは合計四種類の味が楽しめるようになっていて、飽きることもなかった。
「はっきり言って素晴らしいよ。オムレツしか見てないけど調理技術はちゃんとあると認めましょう」

「ありがとうございます! これからも頑張ります!」

 ライカも褒められてうれしそうだ。
 弟子を褒められる点がごく普通にあって、それをちゃんと褒められるというのは、こちらもありがたい。ウィン・ウィンの関係だ。

「ただ、ちょっと卵が多すぎたかな……バランスをもうちょっと意識してね……」

「失礼しました……。自分で作るとどうしてもドラゴンの価値観が残っていまして……」

「女の子の姿をしてる時は食欲も人間並みになるんじゃなかったっけ?」
 これまで料理店で食べてる量はそこまで多いと感じなかったが。
「すいません……。ドラゴンの時よりは量は少なくてすむのですが、あれぐらいの量ではさすがに足りていませんでした……ダイエット感覚の量と言いますか……」

 まあ、このサイズのオムレツでもドラゴンとしては相当な省エネではある。

「次からは遠慮せずに頼んでいいからね…」

 少し胸焼けしたので、胃腸に効く薬を飲んだ。

 ――と、その時、何か虫の知らせのようなものを感じた。

「なんだろう……。村のほうで何か起こったような気がするんだけど……」

「それって、結界に反応があったせいではないでしょうか?」
次回はライカと結界を見に行ったり、新キャラのフラグみたいなものが立ちます! 夜の更新予定です!

20161213_slaim_syoei01.jpg
GAノベルさんより発売中です! 5巻は2018年1月15日発売! 1巻は10刷を達成いたしました! ↑をクリックしていただければ紹介ページに飛びます!
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ