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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

イノシシ焼肉編

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113 大焼き肉大会

 フラットルテの服もやっと乾いて、久々に服を着ていた。

「これが文明の力なのだな! 賢くなった気がするぞ!」
「発言がバカ丸出しすぎです。それでもブルードラゴンを率いていた経験があるんですから、ちゃんとしてください」
 ライカとしてはライバルがこれでは情けないらしい。

「服が脱げるっていうのもアタシはちょっとうらやましいかも。幽霊はそういう概念ないからなあ」
 ロザリーも私たちと生活してきたせいで、おしゃれに目覚めたのかもしれない。また、時間がある際に、服を変える魔法をやるか。

 ベルゼブブとヴァーニアが加わったことで肉の減りはまたペースアップしたけど、それでもまだまだ大量に余っていた。

「ねえ、ベルゼブブ、これってどうしたらいい?」
「もっと人数が必要じゃのう。ファルファとシャルシャを呼ぶしかないのう」

 ハルカラが抜けてるけど、これは悪意によるものじゃなくて、ベルゼブブが二人に目がないせいだ。

「そうなるよね。最初から呼ぶつもりだったけど」
「うむ。安全は確保してやるから、いくらでも呼ぶがよいのじゃ。ロングハンマーイノシシごとき根絶やしにしてくれる」

 心意気は買うが根絶やしは困る。

「お前が気を抜くと、わらわの二人への愛が一番になってしまうぞ」
「それだけは絶対にないから安心して。私の愛はむしろあふれそうなぐらい、増殖してるから」

 母親として、ここは譲れないところだ。ベルゼブブとの間にバチバチと火花が散る。

「と、とにかく人数を増やすという点は間違いないのじゃ。その方向性でいく」
「うん。そっちも適当に呼べる人がいたら呼んでいいよ」

 ライカは私の顔を見ると、すぐに笑ってうなずいてくれた。
「今からピストン運行でお連れいたしますよ」
「食べたばっかりで申し訳ないんだけどお願い」

「行きは誰も乗ってないので全速力で飛べますし、ここに戻ってくる時も多少速度を出せば、そうですね……一時間ちょっとで戻ってこれるかと」
「さすが! じゃあ、よろしくお願い!」

 残ったメンバーの中では、ヴァーニアが新メニューの開発に余念がないようで、イノシシのいろんな部位で料理を考えていた。

「このロングハンマーイノシシはコブにあたる部分の食感が独特っぽいんですよね。ここをブロック状にして、火を通して、そこに刻んだ香味野菜を加えて、甘辛いタレをかけます」
「何それ、絶対おいしいやつじゃん!」
「そして、これを切れ目を入れたパンの中にはさんでかぶりつくようにします。試食いかがですか?」

 断る理由もないので、もちろん食べる。
 はい、おいしい。わかっていたけど、おいしい。おなかはいっぱいになってきたのに、まだまだ入る!
 フラットルテは試食なのに二つ目を食べていた。

「今のフラットルテは本当に幸せなのだ!」
「そう言っていただけると、料理人冥利につきますね~」

 ヴァーニアもおっちょこちょい枠のキャラだと思っていたけど、面目を一新したね。ハルカラもそうだけど、得意分野では本当にすごい力を発揮する。

 そうこうしているうちに時間になった。
 ドラゴン形態のライカが娘二人とハルカラを連れて戻ってきた。

 ハルカラは「速度が出すぎて、ちょっと怖かったです……」と言っていた。シャルシャもちょっと憂鬱げな表情だ。
 その反面、ファルファは「大冒険だったよ!」とはしゃいでいた。このあたりも性格が出るなあ。

「はい、あなたたちも焼き肉パーティーに参加しなさい!」
「わーい! ファルファ、たくさん食べるの!」
「シャルシャも食べるにやぶさかではない」
「どっちかというと、菜食主義ですけど、お祭りはわたしも好きです!」

 これで家族は揃ったぞと思った矢先、今度はベルゼブブが後ろに現れた。転送系の魔法で移動してきたんだろう。

「ここで呼ばないとあとでへそを曲げられそうなので、お呼びしたのじゃ」
 ベルゼブブの後ろにいるうち、一人はヴァーニアの姉であるファートラ。あと、ベルゼブブンの下で修業することになったブッスラーさんもいる。
 そしてもう一人、あの特徴的な角は――

「お姉様とお食事ができるなんて、わたくし、夢のようですわ」
「ああ、ペコラ、久しぶり。その割にはよく会ってる気がするけど」

 さっと、ペコラがまた距離を詰めて、こっちの腰に腕を伸ばしてくる。戦闘能力ではかなりの実力者なので警戒していないと、こんなふうに接近を許すことになる。

「お姉様の香り、とってもおいしいです」
「へ、変なこと言わないで、おいしいお肉を食べてよ……」

 あらためて、大人数でのイノシシ焼き肉大会になった。
 ヴァーニアの料理も加わっているので、品数も多い。最初の頃の、ひたすら肉を喰らう状態から考えると、かなり文化的になったなと思う。

 新規で参加したメンバーもみんな自然と笑顔になっている。シャルシャとファートラがなにやら話していたりだとか、新しい人間関係も構築できていってるようだ。

 川のほとりで肉を焼くだなんて、そんなリア充イベントに意味なんてないだろと思って斜に構えてた時期もあるけど、そんなこともないな。

「ご主人様、やっぱり肉を食べることには意味があるでしょう?」
 フラットルテはどんな胃袋なんだというほどにお皿に肉を載せて、笑っている。

「あんたは多少反省してほしい面もあるけど――今日は大目に見る」

 だって、私もこのイベントを楽しんでしまっているからだ。
 笑いながら注意しても説得力もない。今は一緒に楽しんでしまおう。

「イノシシ自体はもうちょっと狩ったほうがいいかもしれないし、あとでベルゼブブたちと一緒にもう一仕事するね」
「はい、ご主人様!」

 このあと、さらにロングハンマーイノシシを倒して、フラットルテのコールドブレスで冷凍して、リヴァイアサン化したヴァーニアに載せて輸送するということをやった。

 イノシシの数も大幅に減って、ギルドからも感謝されました。
書籍版、無事に発売されたようです! ありがとうございます! 2巻以降も出せるように今後とも努力します! 1巻はドラゴンの結婚式編までとおまけエピソードを収めています。
紅緒先生のどのキャラのイラストもかわいいので、本のほうも、ぜひよろしくお願いします!

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