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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

イノシシ焼肉編

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112 魔族が合流

 ヴァーニアの手には流されていったフラットルテの服が!

「最初はいったい何事かなと思ったんですけど、これがないと相当大変だろうと思って、持ち主を捜していたんです」

「ありがとう、ヴァーニア! 本当に助かったよ!」
 私はフラットルテに代わって、まず礼をする。

 フラットルテも「よかった! ほっとした!」と全裸で喜んでいた。

「まったく、おぬしらはどこにでもおるのう」
 ベルゼブブはあきれていたが、もう、こっちとの付き合いも長いので慣れっこになっているらしかった。

 服はライカがドラゴンになって、火を噴いて乾かすことになった。贅沢なドラゴンの使い方と言えば、使い方だ。

「しかし、こんなに大量にイノシシを食っておったのか。よくやる奴らじゃの。どれ、わらわたちもいただくとする」
「うん、むしろどんどん食べて。私は同じ味で、きつくなってきてるから……」

 ベルゼブブとヴァーニアに余っているフォークを渡す。二人の魔族はその見た目に似合わず、水でも飲むみたいにイノシシ肉を口に入れていった。やっぱり魔族はよく食べるね……。

「うん、なかなかじゃの」
「こういう野趣あふれる感じもいいですねえ。けど、もう少し手を加えたい気持ちもあります」

 そう言うと、ヴァーニアは大きな箱を持ってきた。

「調理セットは持ってきてますので」

 調味料やほかの食材のほか、鍋や調理器具もそこに入っている。そのまま、料理をしだすらしい。

「えっ? あなたもそんなもの持ち歩いてるの?」
「料理担当でもありますからね。いつ、いかなる時も料理の精神は忘れないです。いいジビエ料理が作れそうです」

 そして、短時間でハーブを添えたお皿に、ソースのかかったイノシシ肉料理ができた。

「はい、これなら味も違うので、もっと食べられるんじゃないですかね?」
 早速、試食してみると、文句なしに本格的な味がする。これは高いフランス料理の店で出てくるやつ!

「ヴァーニア、あなた、プロの料理人みたいだよ!」
「プロの料理人ですよ!? だから、以前もおもてなしをしたんですからね!?」

「うむ、そやつは調理師免許も持っておるからな。事務的な仕事より、料理のほうが向いておるのじゃ」

 ベルゼブブは大きな岩に腰かけて、その料理を優雅に楽しんでいる。なんだかんだでハイソサイエティな奴だ。

 ライカとフラットルテも、このプロの本気を堪能していた。
 ちなみに、フラットルテはまだ服が乾いてないので、下着姿で食べている。もう、これぐらいなら水着みたいなものだと認識して許容する。

「もちろん、もっとほかの食材が使える環境なら、いろいろ試せたんですけど、ここだとこんなものですね。またヴァンゼルド城に来てください」
「うん、絶対行くよ」

「そ、そうか……来るのじゃな……。また、準備をせんとな……」
 ベルゼブブはまんざらでもないのか、変に照れていた。

「うん、美味だぞ! これもフラットルテが全裸になった縁なのだ! たまには全裸になってみるものだな!」
 必ずしも間違いじゃないけど、とんでもないプラス思考だな!
 帰宅したら服を着る教育をしっかりしよう……。

「まったく、川におったら、全裸の奴が出てきて、ものすごくびっくりしたのじゃ……。ヴァーニアなんてそのまま川に転落したほどじゃからの……」
 ああ、もともと川にいたのはベルゼブブ一行だよね。こんなところに来る人なんてそうそういないし。

「これでロングハンマーイノシシの数も少しは減ったかのう」
「形式上はギルドの依頼ってことになってるけどね。ロングハンマーイノシシの駆除が目的なの」
 そこで、ふと疑問が浮かんだ。もっと早く浮かんでもよかったのだけど、全裸事件の衝撃が尾を引いて頭から抜けていたのだ。

「あなたたち魔族は何の用でこんなところにいるの? いくらなんでもギルドに頼まれたなんてことはないはずだし」
「これじゃ、これ」

 ベルゼブブは空いたフォークで、肉のほうを指し示した。

「いや、それはおかしいでしょ。あなたたちはここで焼き肉大会してるってことは知らなかったはずなんだから」

 魔族には予知能力ぐらいあるのかもしれないけど。
 その話の横で食べ終えたライカがまた炎を吐いて、濡れたフラットルテの服を乾かしにかかる。

「いやいや、ここで焼き肉をするつもりはないが、イノシシを魔族の食材として活用する計画はあったのじゃ」
「えっ!? そんなこと考えてたの!?」

 それを聞いていたライカの炎の威力が一瞬強くなって、フラットルテの服が焼けかけた。

「うむ。この地域でロングハンマーイノシシが増えすぎた話は知っておったからの。ならば、それを食料として、魔族の地に運んではどうかと計画しておった。今回はその調査だったのじゃ。この地域に住む人間も多分喜ぶじゃろうし、一石二鳥じゃろう?」

「なるほどね……。その発想はなかったよ……」

「このヴァーニアがリヴァイアサンの形態になれば、イノシシならまとめて千頭は運べますからね。肉の加工もヴァンゼルド城に運ぶ途中に、船上でやってしまえばいいんです」

 ヴァーニアは自分の上のことを船上って呼ぶ。リヴァイアサンは船という認識らしい。

「本当にあなたたちってスケールが大きいね……。そりゃ、そんな規模でイノシシを狩れば、被害もなくなるよ」

 人間の国より国家運営が上手くいってる気がする。

「魔族は大食いじゃからの。余ってる肉を効率よくいただく必要があるのじゃ。過去にもシカが増えすぎた地域でこれを狩ったりしておったわ」

「ベルゼブブ様は農相なので、こういった食糧問題も主になって担当してらっしゃるんですよ」

 そっか、ベルゼブブの本業だった!

 まさにこういう問題を解決することこそ、ベルゼブブの仕事なのだ。別にわらわは偉いのじゃと言ってふんぞり返るのが仕事じゃない。

「おぬし、今、微妙に失礼なこと考えておらんかったか……?」
「……気のせい、気のせい」

 なかなかベルゼブブ、鋭いな……。
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はじめて、日間1位になれた作品がこういう形で書籍化できて本当に、本当にうれしいです! ありがとうございました!

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