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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

イノシシ焼肉編

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110 フラットルテ、本気を出す

 少し進むと水の音が聞こえてきたから、目的地には近づいていたらしい。
 そこからは五分ほどで川のところにまで出た。

 浅いけれど川幅は五メートルほどあるので、ロングハンマーイノシシが餌場にしていてもおかしくない。

「うん、風が気持ちいいぞ!」
 フラットルテは下着姿で、やたらとはしゃいでいた。

「その姿で気持ちよさをアピールしないでほしいんだけど……。人もいたんでしょ……。服を着て」
「あれ、どっか移動したのか、見当たらないですね」
 たしかに、人気は全然ない。あるいは全裸のフラットルテを見て、気味が悪くて逃げたのでは……。その可能性が一番大きいぞ。

「あと、ご主人様、服を着ている場合じゃないです」
「たいていの場合よりは、服を着ることが優先されるの。たしかに山に入るから、わざとボロい服をチョイスしてるし、着たくないって気持ちもわからなくはないけど」

「いえ、敵が迫っていますんで」
 周囲を見渡すと、ロングハンマーイノシシが集まってきていた。
 頭はやけに突き出ていて、そこがものすごく硬そうになっている。威嚇するように首を振っている個体もいる。素振りのつもりか。

「なるほどね。人間を襲う気満々か。じゃあ、ケリをつけるかな」
「はい、狩りをしましょう、ご主人様」
「アズサ様と行ったスライム退治の特訓、その成果を見せてやります!」
 ライカは特訓とか行ってるけど、そこまでのことはしてないです。

 私たちはそれぞれ手近なイノシシのほうに向かっていく。
 まずはどういう動きをする動物なのか、様子を見るか。

 早速イノシシは頭をぶつけにやってくる。これはすぐに回避する。動きはなかなか鋭い。これは囲まれると、冒険者は肝を冷やすかもしれない。

 頭の攻撃をわざと手で受け止める。
 重い感触が手に起こる。

「なるほどね。それなりにパワーファイターではあるようだね」

 イノシシはこっちが吹き飛んだりしないので、困惑したのか「ブフ、ブフフ?」と声を荒げた。

 では、退治といきますか。

 パンチを頭にぶつける。
 しっかりと一撃が決まった感触があった。多分、骨を陥没させるか砕くかできたと思う。
 ふらついた後、イノシシは横に倒れる。これでもレベル99だからね。

 次の一体にはこっちに殴りかかろうと接近してきたところを、しゃがみながらのアッパーカット。
 イノシシは弧を描いて、吹き飛んで、地面に叩きつけられた。
 相手に合わせる形で放った一発だったし、死んではいないようだけど、ぴくぴくしている。

「うん、まあ、こんなところだね」
 攻撃の手をまだ休める気はないけれど、コツはつかめてきた。
 さて、二人はどうかな?

 ライカはボクシングみたいにパンチの連打で、イノシシを圧倒。
「攻撃は最大の防御です! どこにも隙はないですよ!」
 最後はきれいなキックでイノシシを吹き飛ばしてKO。
 お手本のような、きれいな倒し方だった。

 そりゃ、人間形態になっていても、この程度の敵に負けるわけはないよね。
 今度はイノシシが硬い頭で挟み撃ちにしようとしてきたが、華麗にジャンプして、むしろ同士討ちさせていた。

「あなたたちは修練が足りませんね」
 修練も何もイノシシだからな。

 よし、ライカは問題ないし、フラットルテのほうは――

「ま、待つのだ! それを返すのだ!」
 なぜか、ブラジャーをイノシシの頭にひっかけられて、それを追いかけていた。

「ちょっ! 何やってるの!」
「ご主人様、回避したつもりが、相手の頭に下着がひっかかりまして……。あっ! 逃げるな! ちゃんとこのフラットルテと戦え!」

 ちょっと原始人ぽいアクションをしてるな……。
 それでも、フラットルテも接近してくるイノシシはきっちり打撃を加えて、退治しているのだけど、肝心の下着泥棒を倒せていない。

「やっと追いついたぞ!」
 見事な泥棒キックがイノシシに炸裂し、イノシシは川まで飛ばされて落下した。

 そして、ブラジャーは川にきっちり流されていく。

「うわああああっ! 流れていくぅっ! 悪かった! このフラットルテが悪かった! いきなり脱いだりして悪かった!」
 ああ、無情……。フラットルテが手を伸ばしても、ブラジャーとの距離は開いていく一方だ。

 けど、事態はもっと深刻なことになっていた。
 ほかのイノシシが置かれていたフラットルテの服を頭に乗せて移動していた。
 食べる物でもないなと思って、荷物をあさろうとして、服をひっかけたな。

「うわああああ! それがなくなったら、帰る時にすごく困るのだ! 下着は最悪、妥協できるが、そっちはダメなのだ!」
 フラットルテがとてつもなく必死の形相になっていた。
 ザコのイノシシ相手にまさかの熱戦!?

「ブルードラゴンキック!」
 フラットルテの一撃が決まり、イノシシは紙でできてるみたいにあっさり吹き飛ばされる。そして、イノシシは服ごとに川に落下した。

 うん、お約束のように服ごと。
 そして流れていくフラットルテの服。

「うああああああああ! 待って、待って! たしかにお気に入りの服でもないし、今日汚れたら後で捨てるか~ぐらいに考えてたけど、待ってくれ!」

 フラットルテ、キックの方向考えようよ……。でも、こういう時って何をやっても裏目に出たりするんだよなあ。

 呆然としているフラットルテの背後にまたロングハンマーイノシシが。
 パンツに頭が引っかかる。
 あっ……もうわかった。

「待て! 話せばわかる! 後生だから! 後生だから、これだけはやめてくれ! さっきは野生の本能とか言ったけど、ドラゴンは文化的な生き物なのだ!」

 ビリ、ビリリリリリ……。

 その時、フラットルテの中で何かのスイッチが入った。

「も、もういい……。イノシシたちよ! お前らが裸なら、このフラットルテ様も裸で戦ってやろうではないか! それが真剣勝負というものだ! そうだな? そうなんだよな? 裸だったら何がダメだというのだ? 服を着て産まれてくる生物がいるのか? いないではないかっ! フラットルテはおかしくない!」

 猛烈な勢いでフラットルテはイノシシを狩っていきました。
発売日が迫ってきました! 最速で一週間後に出てるところもあるかもしれないです! また随時活動報告に書きますので、そちらもチェックしてください!

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