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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

ファルファ、スライムに戻る編

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105 娘の恩人と戦う

「お願いっていったい何なんでしょう……?」

 正直、意図がわからない。それこそお金がほしいのであれば、最初から治療費なりを請求すればいいのだ。

 こっちも過去にいろいろあってそれなりの貯蓄はあるし(ハルカラが工場を経営しているのもデカい)、何十億ゴールドは無理でも相当な額を出せる。その場合、私がハルカラに借金する形になるけど。

 すると、ブッスラーさんは九十度の角度でおじぎをした。

「お願いします! アズサさん、弟子にしてください!」

「えっ!? 弟子って格闘技の、ですよね……?」

 ブッスラーさんは腰を九十度に曲げたまま言った。
「はい、そうです! あんな素晴らしい打撃技を繰り出した方はいまだに見たことがありません! ぜひとも自分の目指す最強格闘技の完成のために、学ばせていただきたいんです!」

「私、格闘技経験なんてないですからね!? 教えられることなんて本気で何もないよ!」

 くいっとブッスラーさんが顔を上げる。今度は「気をつけ」のぴしっとした姿勢だ。
「そんなことはないはずです。独自の型をお持ちじゃないですか。まったく見たことのないものでした!」
「どこが? 逆に聞きたい」

「一見、隙だらけに見えるのに、決勝戦でもベルゼさんがちっとも攻撃を当てることができませんでした。あんな特殊な型は初めて見ました! きっと門外不出のものなんですよね?」

※本当に隙だらけだっただけです。

「隙があるようにしか見えないのに、なぜか隙がない。これこそ、究極の格闘技かもしれません。自然体でいてそれこそが最強――実に奥が深いです。自分でなくても、格闘技を続けている人なら、誰もがあこがれるものです!」

 ブッスラーさんは目をキラキラさせている。
 どうしよう……。ただ、ステータス高いからどうにかなってるだけって言って信じてもらえるかな……。そうとしか言いようがないんだけどな……。

「ベルゼさんの力もすさまじかったです。まるで、ここに本当に魔族の幹部が来ていたのかと思うほどでした。最初はベルゼさんに弟子入りしようと思いました。なのに、そのベルゼさんが手も足も出ないだなんて! アズサさんは神です!」

※本当に魔族の幹部が来ていました。

「あの、ベルゼに弟子入りしたらいいんじゃないかな……」
 ベルゼブブに全部振る作戦。

「そこは、ほら、どうせなら一番強い人に弟子入りしたいじゃないですか」
 ミーハーか!

「お願いです。弟子入りさせてください! 師匠と呼ばせてください!」
 ああ、また九十度に腰曲げちゃったよ……。

「どんな厳しい修行でも耐え抜く所存です!」
「私は何も厳しい修行してないんだって……」

 どうすれば信じてくれるんだろう……。

「あのね、私は意地悪を言ってるんじゃないの。本当にだらだらスローライフを送ってたら強くなったの。だから、基礎がないから隙だらけに見えるってことなの。これは一切ウソを含んでないからね!」

「…………わかりました」

 よかった。理解してもらえたか。

「それじゃ、一度対戦させてください! それでアズサさんのすごさを身をもって知って、自分の頭で考えてみたいと思います!」
「何もわかってなかった!」

 なんで、ファルファを治してくれた恩人と戦わないといけないのか。人生とは無常すぎる。殴ったり蹴ったりしたら罰当たりそうだ。

 けど、それで諦めてくれるならいいか。

 場所は観客がすでにはけた会場の隅。ここでちょっと手合わせをしても問題にはならないはずだ。

「じゃあ、やろっか。でも、勝手にあがめて勝手に幻滅するのだけはやめてね。私は最初から誇ったり何もしてないからね」
「押忍! よろしくお願いします!」

 ベルゼブブより弱いはずだし、ほどほどにやればいいだろう。

 すぐにブッスラーさんは自分の構えをとる。
 さすがに武術をずっとやっているだけあって、ものすごくサマになっている。ケンカする人の構えや雰囲気とはまったく違う。オーラみたいなものでプロとわかる。

「この腕でずっとお金を稼いできましたからね。自分も弱くはないです」
 なるほど。言うだけのことはある。

 しょうがないので、私も自己流の適当な構えをとる。

「やはり、素人くさい構え……。隙だらけ……。むしろ、隙しかないから隙が何かよくわからない……」
「絶対、バカにしてるだろ!」

 でも、構えに関しては相手がガチだから、バカにされてもやむをえないかもしれない。

「自分は誰にも負けないスライムになろうと、必死にスライムの中で戦いました。そして、ついにレベル20ぐらいの冒険者になら勝てるスライムになったのです」

「それ、冒険者泣かせすぎる!」

「以後も鍛錬を重ね、ついに人の姿を取ることも可能になりました。そこから先は武道を真剣に学ぶために日々を過ごしてまいりました」

 なるほど、求道の精神で生きてきたんだな。

「そして、人として生きるうえでお金の大切さを知り、とことんお金を集める生き方にシフトチェンジしたのです。お金がなければ生きていけない、お金のない奴はカス」

「無茶苦茶、歪んでるし!」
 生まれた時はお金が必要ない世界に住んでたから、余計に極端になってしまったのかもしれない。かわいそうに……。

「その性根、私が直してあげるっ!」

「では、まいります! ブッスラー流スライム拳を受けてください!」

 よし、ベルゼブブの時みたいにカウンターを決めてやる!

 ブッスラーさんが距離を詰めてきた!
すでに活動報告に書いておりますが、書籍化の表紙完成版が掲載されてます!
http://syosetu.com/userblogmanage/view/blogkey/1588741/
超かっこいいのでぜひご覧ください! 1月15日頃発売です!
本にはベルゼブブやライカ、ハルカラ、シャルシャ・ファルファのイラストも当然載っております! みんなすっごくかわいいので、ご期待ください!

20161213_slaim_syoei01.jpg
GAノベルさんより発売中です! 5巻は2018年1月15日発売! 1巻は10刷を達成いたしました! ↑をクリックしていただければ紹介ページに飛びます!
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