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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

ファルファ、スライムに戻る編

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101 ベルゼブブとの再戦

現在、1月のスライム倒して300年書籍化の作業を黙々とやっております! そちらもご期待ください!
 審判が試合終了を宣言して、ベルゼが腕を高々と上げた。
「戦う前に倒されちゃった!?」

 私はすごく困惑した。直接対決の前に消えられると、向こうとの接点が生まれづらくなるんだけど……。

「はっはっはー! わらわの力にかかれば、さすらいの武道家など、怖くもないのじゃ!」
 おいー! なんで意気揚々と勝利宣言してるの! 趣旨忘れてるんじゃない!?
「さあ、みんな、わらわを讃えるのじゃ! ハエの王と呼べ!」

 しかも、自分から身バレするようなこと言うな!
「そっか、ハエの王といえばベルゼブブだよな」「ベルゼっていう名前は、それにかけてるんだな」「悪役っぽい名前のつけ方だな」

 よかった。ひとまず、ばれずにすんではいるらしい。ここに魔族の幹部がいるって話になると、大会が続行できるか怪しいからね。

 ブッスラーさんは起き上がるとふらふらと控え室のほうに戻っていった。
 まずい。立ち去られると、話をするチャンスもなくなってしまう。

「ブッスラーとかいう女、たいしたことなかったのう」
 その前にステージを降りたベルゼブブが話しかけてきた。

「あなたの力を見せつけるのが目的じゃないでしょ……」
「心配せんでも、わらわだってファルファを元に戻すという使命は持っておる。わらわのほうでブッスラーを引き留めておくから、おぬしはとっとと決勝まで来い」

「正直、もう決勝とかどうでもいいんだけど」
 お金も栄誉も目的じゃないし。また道場破りみたいなのが高原の家にやってきても厄介だし。

「わらわは決勝でおぬしと戦うからの。逃げたりしてはならんぞ。長らく、決着をつけられておらんかったからのう」
 ベルゼブブが本気なのはすぐにわかった。気持ちがはやって、隠してる羽まで生やしてしまいそうだ。

 そういえば、まともな勝負はずっとつけられていなかったんだよな。

 前回のベルゼブブとの対決は、私の張った結界に直撃したベルゼブブがケガを負って、そこで終わりになってしまった。
 はっきり言って、極めて消化不良の感が強い勝負ではあった。

 そのあと、ベルゼブブは事あるごとに再戦を口にしてはいたのだが、お互いにそれなりに仲がよくなってしまったというのもあり、いい機会には恵まれないままだったのだ。

「はぁ……わかったけど、ファルファの件も忘れないでね」
「案ずるな。ブッスラーとはブロックが同じなので、控え室も近い。しっかり、こちらに協力するように言うてやるわい」

 ベルゼブブは控え室のほうに走っていった。ここはベルゼブブを信用するか。
 準決勝まで少し休憩時間があったので、私はベルゼブブからいい報告でもないかなと思いながら待っていた。ただ、そんなにすぐに朗報は舞いこんではこない。

 これで、ファルファが戻らなくて、また振り出しになっちゃったら、次はどうしよう……。もう、いい案もないんだよね……。

 気持ちがずいぶん乱れたまま、準決勝になって、不安を顔に出したまま戦って、殴って、勝った。

 対戦相手はこっちが弱気だから勝てると思ったみたいだけど、そこはステータス的にこっちが勝てる。多少の不安で差を埋められるほどは私は弱くない。

 そして、ベルゼブブも順当に決勝まで勝ち進んできた。

 まさか、こんな衆人環視の場で、ベルゼブブと再戦することになるなんて。

 ここまで来ると、会場の応援もものすごいことになっている。
 まさかの女子同士の対決。しかも、優勝候補でも何でもない伏兵同士とあって、やたらと注目されている。

「高原の魔女!」「最強って噂は本当だった!」「ハエの王ベルゼ!」「お前に十万ゴールド賭けてるんだ!」

 だから、賭けの対象にするなって!

 私はゆっくりとステージに上がる。
 それに続くように、ベルゼブブもステージに上がってくる。わざと演技ぶって、会場を軽く煽っている。

「なんじゃ、おぬしはせっかくの晴れ舞台で、ごきげん斜めじゃの」
「当たり前でしょ。ファルファのことが解決してないんだから。あなたとの戦いなんて二の次だっての」
 こっちは勝利しか頭にない戦闘マシーンでも何でもない。我が子のことを気にかけてるだけの、ごく普通の母親だ。

 フィクションのネタで、病気と戦ってるファンの子供のためにホームランを打つよって言う野球選手の話があるけど、はっきり言って私が勝とうが負けようが関係ないからね。

 ファルファもスライムの体で観戦しているから、どうせなら勝ちたいけど、それでファルファが復活できることにはならない。
 家族の席にはあまり目をやらないようにした。もやもやがかえってつのる気がしたし。

「はぁ……。なんじゃ、そんな拍子抜けするようなことを言うでない。もうちょっと空気を読んで、『返り討ちにしてやる』ぐらいのことは口にしてほしいものじゃ」

 ベルゼブブとしては私が乗り気でないのが気に入らないらしい。その気持ちもわかるけど、自分を騙して勝負だけに打ち込むような性格に変えることもできない。

「悪いけど、これで本腰入れろっていうほうが無理だよ。気兼ねなくやってほしかったら、あの笑顔がまぶしいファルファを連れてくることだね」

 そしたら、あらゆる力と技を駆使して戦ってやる。

 すると、にやりとベルゼブブが笑った。ほんとに悪役レスラーみたいに見えてきた。

「その言葉、しかと聞いたぞ」
「別に言質げんち取られるようなこと言ったっけ?」

「試合前にいいサプライズを見せてやろう」
 ベルゼブブは後ろを向いて、ステージに上ってくる階段に視線をやった。
 そして、誰かの手を引いている。

 ベルゼブブに引っ張られて上がってきたのは――

「ママ! ファルファ、復活したよ!」

 私の愛する娘だった!
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