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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

ファルファ、スライムに戻る編

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102/280

100 ブッスラー負けちゃった

皆様の応援のおかげで100回を迎えることができました!!! 1月にGAノベルさんより1巻が出ます! こちらもよろしくお願いします!
 観客もたいしていなかったので、盛り上がることはなかった。よし、あまり盛り上がらないでほしい。
 控え室に戻ると、ベルゼ(登録名)が腕組みしてドヤ顔をしていた。

「小柄な体格を生かして素早く中に潜り込んで、刈り上げるように殴打とはの。実に理想的な一撃であったわい」
「そんなこと、何も考えてなかったんだけど……。それに武術の経験とかないし……」

 降りかかる火の粉を払ったというぐらいの感覚しかない。

「なるほどのう……。あらためておぬしの戦い方を見られるよい機会じゃと思って、わらわも参加したのじゃが、おぬしは何も型が決まってないゆえに強いのかもしれぬの……」
 そんな分析してる手前悪いけど、ステータスが高いだけだと思う。こつこつスライムを倒した成果だ。継続は力なりというやつだ。

 その後も私とベルゼは順調に違うブロックで勝ち進んで、ベスト16入りを果たした。
 本戦のトーナメント表も渡されたが、ブッスラーさんはちゃんと残っていた。やはり、それなりに競合の武道家であることは間違いないらしい。

 私とは逆側のブロックなので、当たるとしたら決勝まで当たらない。
 これで私が活躍すれば、ブッスラーさんも私のことを認識せざるをえなくなる。そしたらファルファを治すとかいう話にもなるはず!



 本戦は家族も応援に来てくれた。
 家族用のいい席が用意されていて、シャルシャがファルファを腕に抱えながら座っていた。

「頑張って、母さん」
 シャルシャの目も真剣だ。
「当たり前だよ。負けないよ」
 ブッスラーさんに当たるまでトーナメントから消えるわけにはいかない。

 トーナメントは満員のコロッセウムの中で行われた。
 一回戦はまたもやスキンヘッドの人だった。なかなか筋肉がむっちりしている。

「これぞ、オレが鍛え上げた、どんなものでもはじき返す鋼の肉体っっっ!」
 私はその鋼の肉体を猫パンチで打ち抜いた。
「ていっ」
 相手が気絶してそれで勝負があった。どんなものでもはじき返すってわけにはいかなかったね。

 一発KOだったせいで、観客席も無茶苦茶盛り上がった。

「あのアズサって女の子、すごいぞ!」
「きっと、的確に急所を突いたんだ!」
「次も勝てよ! お前に三万ゴールド賭けてんだ!」

 賭けの対象にされてるのか……。

 正直、あまり盛り上がってほしくなかったけど、ここまで来たらどうしようもないよね。目立つことを素直に受け入れて、私は観客席に手を振る。

 それから家族席のところにも寄っていく。
 ライカとフラットルテは手を取り合って喜んでいたけど、お互いにそれに気づいてすぐに離してしまった。
 惜しい! 勝利の熱狂で二人が仲良くなるチャンスだったのに!

 なお、ロザリーは幽霊なので、控え室とかに勝手に来ていた。
 多分反則だと思うけど、幽霊を罰するルールはないからいいんだろう。

「お師匠様、我が社のドリンクの広告、コロッセウムに置きましたよ! しっかり宣伝します!」
 そういえば壁に『健康になるドリンクといえばハルカラ製薬』と看板が張り付けてあった。ハルカラは本当に商売熱心だね……。

 でも、一番盛り上がってたのは、ファルファだった。
 シャルシャの腕の中から逃げだそうとしてるみたいに、はずんでいる。
 おかげで、シャルシャがトランポリンに乗ったみたいになっていた。

「姉さん、すごく喜んでる……」
「私も元気と勇気をもらったよ。次も絶対に勝つからね。次に勝てばベスト4だし」
 そう、栄光は割と近くにあるのだ。

 次の対戦、またしても敵はスキンヘッドだった。スキンヘッド、流行してるの……?
 なんでも武道を極める僧院みたいなのがあって、そこの出身者らしい。

「この大会に優勝して、グランド流五十四年ぶりの優勝を目指すのだ!」
 やけに意気込んでらっしゃるなあ……。

「女と言えども、容赦はせんぞ! 弱い者から率先して倒して場をコントロールせよ、それがグランド流の鉄則なり!」
「ただのクズな作戦だ!」
 全然、まっとうじゃないぞ!

「さあ、敵を拘束してそのままキメ技に入る!」
 相手に腕をとられた。
 なので、引きはがした。

「なっ!? この拘束を離脱しただと!? スッポンのように食いついて離さないと言われているのに!?」

 この世界にスッポンいるんだね。鍋が食べたくなってきた。

 敵の攻撃から回避しているだけでは終わらないので、自己流の回し蹴りをやってみた。

 ばこんっ!
 上空十メートルぐらいまで、相手が浮き上がって、そのまま落下した。

「うん、まあ、こんなもんでしょ」
 敵の気絶が確認されたので、私が準決勝にコマを進めることになった。

 次に勝てば、ブッスラーさんと当たるな。
 でも、そういえばブッスラーさんってどんな人なんだろう? またスキンヘッドなのかな? 本戦は控え室が別々なので、まだ顔を見ていないのだ。

 ちょうど次の試合で、ブッスラーさんの名前がコールされた。
 それと同時に沸き起こる「賞金女王!」コール。
 あれ? 孤高の武道家とは何か違う反応が……。

 そして、ステージに上がってきたのは、髪を後ろでくくって、丈の短い衣服をまとった、いかにも武人といった態度の女の子。
 肩はもヘソも出ているから、いわゆるタンクトップなんだろうか。それとハーフパンツみたいなのを履いている。

 一方、その対戦相手は――これまで勝ち進んできたベルゼだった。

 あれ、これって、もしかして……。

 試合開始早々、ベルゼのキックとパンチがばしばしヒット。
 その連打で、あっさりブッスラーさんがダウン。

 審判が試合終了を宣言して、ベルゼが腕を高々と上げた。
「戦う前に倒されちゃった!?」

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