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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

ドラゴンが来た編

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9 家が完成

初めて日間1位になりました! ありがとうございます! 無茶苦茶うれしいです! これからもしっかり更新していきます!
 翌朝、早速ライカは家の増築工事の続きに戻った。

 私も監督役として同行している。

「今のところ、とくに問題もなく順調に進んでいます」

「たしかに見たところ、そんな感じだね」

 家ってこんなに早く建つのかというほどに早い。これもドラゴンのパワーのおかげだ。

「ねえ、ところでライカってステータスの高さとしてはどれぐらいのものなの?」

 私が勝った以上、私のほうが高くはあるのだろうが、差がどの程度のものなのか。
 単純に知識として気になる。

「測定したことがないのでよくわかりませんが、ナンテール州最強とはこの百年ぐらい言われてきました」

 最強の期間も長いな。
 ちなみにナンテール州とはこのあたりの高原地帯周辺を含んだスイスみたいな雰囲気の州だ。山も多いからドラゴンが住んでいてもおかしくない。

「せっかくだから、ギルドで冒険者登録もしておいたらいいんじゃないかな。まあ、その数字を元に特訓するわけでもないから、ライカの意思に任せるけど」

「そうですね、一つの指標になるかもしれませんね」

 ライカはそこまでステータス的なものには興味がないな。おそらくドラゴンだったからだろう。ドラゴンというだけで大半の人間はひれ伏すからな。

 逆に人間だと、ステータスでも見せない限り、実力がどれぐらいあるのかよくわからない。なので、ステータスで自分の強さを客観視させようとするところがある気がする。

 昼前になると、もうどういう建物ができるのかだいたいわかってきた。

 これまでの家にログハウス風の部分が増設される形だ。

 たしかに軽井沢にこんな別荘がありそうだし、高原に建っている建物としてもなじんでいる気がする。

「レンガ造りの家や、ステンドグラスがある建物はそれ専用の職人がいるんで、木を使った屋敷にしました」

「うん、これでいいよ。このまま進めていって。でも、そろそろお昼休みにしようか。村までごはん食べにいこう」

「いえ、もう少しできりのいいところまでいきますので……」

「ライカ、昨日私が言ったこと忘れた?」

 休む時はちゃんと休む。働きすぎを美徳にしない。
 私の目が黒いうちは劣悪な労働条件は認めない。

「いえ、別にたくさん働きたいわけでなくて……あまりにも中途半端なところで終えると気になってですね……」

「じゃあ、残り十分以内にきりがいいところまで終わらせること」

「わかりました!」

 ワークライフバランス、ワークライフバランス。気分は総務課人事係だ。

 昼はパスタ的なものにして、それとライカには多目に水分を取らせた。肉体労働を長らくしていたからだ。
 ちなみにフラタ村は地下水が豊富なので、水には恵まれている。

 食後はぶらぶらと村の中をライカと散歩した。
 これも意味があって、ライカの顔を早く村になじませるためという目的がある。

 ついでにギルドに登録しておいてもらおうかとも思ったけれど、それは一種の労働時間な気がしたので、また後日ということにした。スライムの換金だけなら私がやればいいことだし。

 そして午後の家づくりがスタートした。

 かなり作業は進んでいたので、ここからは詰めといった感じだ。側面は終わったので、木の屋根を載せていく。

 最後に余った木材で作った椅子や机を建物の中に搬入する。
 これは私も手伝ったが、たしかにやけに簡単に木が切れるし、疲れない。私のレベルが高いのは事実のようだ。

 こうして、夕方には無事にリニューアルした屋敷が完成した。

「うん、見事!」

 外から見て、私は納得する。
 前回、一部が壊された部屋が渡り廊下のようになっていて、そのまま増設された三角屋根のログハウス風エリアのほうにつながっている。
 なお、ログハウス風のほうにも出入り口があるのでそちから直接入ることもできる。

 増設部分は屋根は高くて、二階部屋もある
 一階にも共有スペースのほかに個室が三つあるし、これなら弟子のプライベートの時間も確保できているはずだ。
 弟子が増えても対応可能。いや、増やす気持ちは今の所まったくないが……。

「うん、ライカ、でかした」

「アズサ様がお気にいられたようでなによりです」

 ライカもまんざらでもないらしい。
 見た目の年齢が女子中学生ほどだから、妹ができたように見える。
 三百歳の妹というのもよくわからないが。

「じゃあ、村に戻って、家ができたことを連絡してこなきゃね。今日も来賓用の部屋に私達が泊まるつもりかもしれないし」

「ああ、村のことなんですが、本当にありがとうございます」

 妙に改まってライカが礼を言ってきた。

「いったい、何のこと?」

「我が村になじめるように心を砕いていらっしゃったこと、我の目からはっきりわかりました。感謝いたします」

 ドラゴンが聡明というのは本当だな。

「師匠になると言った以上は師匠らしいことをするというだけ。だから、特別なことは何もしてないよ」

 威張ることでもない。これは当たり前のことだ。

「じゃあ、今日は村でたくさん食べようか。あ、ドラゴンって人間のもの食べられるの?」

 これまでもごく自然に私と同じ食事をしていたが。

「はい。人間の姿の時は人間が食べるようなものを食べられますから」

 とくに気にしないといけないこともないようだ。

「人間が満腹になる程度に食べれば、ドラゴンとしても満腹になります」

 それ、微妙にチートな能力ではないだろうか。

 ずっと空を飛んでいくと運動不足になるので、村には歩いていった。
 その途中、またスライムに出会ったので、退治をした。

 ライカは手でぱんと埃でも払うようにはじきとばした。
 それだけでスライムは絶命する。ドラゴンの攻撃と考えれば当然か。

「そういえば、スライムを倒したことはなかったですね。我が住んでいた山にはスライムはおりませんでしたので」
「まあ、低級モンスターだからね」
「なんだか、戦うだけ時間の無駄という気がしますね。戦っている感覚はないですが」
「そう思うでしょ。でも、これをずっと続けることが大事なの。継続は力なり、ってことわざがあるから」

 私は珍しく師匠みたいなことを言った。
 むしろ、技術的な指導はできないから、それしか言えない。

「たしかに、我々、ドラゴンもずっとスライムを倒していれば、今頃もっと強くなれたかもしれません。師匠の生き方は参考になります」

「そうだね。気長にやってくれればいいかな」

 スライムと意識的に対峙したせいか、いつもより五分ほど長くかかって村に到着した。

 しかし、ライカは村の入口で、やけに空のほうを見つめていたり、逆に地面を眺めたりしている。
 まるで初めて村に来たみたいに視線を走らせている。

「何か気になるものでもあった?」

「正直なところ、あります」

 そうライカは言った。

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