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第六十話    全てはこの時のために

爆弾はルナ・ドームごと正田の計略を吹き飛ばすはずだった。



だが・・・・・・・・・



「・・・・・・・・?」



爆弾は爆発しなかった。



日向は驚愕の表情で腕時計を確認する。それは爆弾のスイッチが入った瞬間に残り時間をカウントするようになっていた。



もちろん、通常では何の表示もされていない。



確かに、爆弾の起爆装置は起動していた。



「・・・・・・・・・なんだと!?」


“00秒”


時計にはそれしか表示されていなかった。




勝ち誇った冷たい声がする。



「・・・・・・・・・・どうやら、不発のようですな、日向議員」



南は再び部下を呼んだ。先ほどの機械的な男がやはり機械的に入ってきた。



南はたじろぐ日向を指差した。



「この男が作戦の妨害工作を企てた。逮捕しろ」



「は!」



男は敬礼すると、ポケットから手錠を取り出し、日向の後ろに回る。切り札を失ってしまった日向はおとなしく手錠をかけられるしかなかった。



が、彼の目はまだ死んでいない。




「・・・・・・・・・・南、このまま終わると思うな・・・・・・・・・!」




日向の言葉に、南は再び歪んだ笑みを見せた。




「そうか・・・・・・・・・おい」



南は日向に手錠をかけ終えた部下に声をかける。



「はい」



「日向議員を“メイン・コンピューター室”までご案内しろ」



「!?」



驚く日向を尻目に、軍人は頷き、彼の腕を掴んだ。



「自分が引導を渡した娘の、苦痛の表情をとくと拝ませてやれ」



南は勝ち誇った顔で、血の気の失せた日向を見ていた。



日向は引きずられていきながらも、何か言おうと口をパクパクさせていたが、結局何も言葉が出てこなかった。



日向は負けたのだ。







正田の恐れていた人物が4人いた事は既に話した。





その4人とは、言うまでもなく“Loki”。



そして、全ての設備を作った男、石井 一。



軍人の中の軍人、三浦 和輝。



最後に、この日向 政史だ。




今、正田たちはその全てをかわし、ミサイル発射に踏み切ろうとしていた。




アメリカで、




東京で、



そして、月、“ルナ・ドーム”で。





全てはこの時のために。




この三発のために。








ミサイル発射まで・・・・・・・・いや。




世 界 の 終 わ り が 始 ま る ま で、5秒―――




4秒―――




3秒―――




2秒―――




1秒―――








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