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プロローグ
人口は増えるばかりだ。60億人?そのころは快適だったろうな!!
今では、一つの大陸にその人数が押し込まれている。何処に行っても、人、人、人。
地球で一番イカレた種類だけが増えてしまったのだ。
わが国日本は(総人口10億人)、その中でも選りすぐりのイカレた連中が集まり、一つの結論を出した。
“地球の人口を減らす”
宇宙移民時代の幕開けだ。
政治家は秘密裏に開発した“ルナ・ドーム”の全容を国民に公表し、移民を要請した。通常ではあり得ないほどの低価格でで半永久的に住居を提供する、というのだ。しかし、彼らが思ったほど、希望者が出ない。
ルナ・ドーム最初の住人は、職を失った人がほとんどだった。
総勢2億人を収容できる、月の住宅地に向かったのはたったの2千万人。
その後も政府は希望者を募った。徐々にその数は増大し、定員を超えてしまう結果となる。そこで政府は希望者を篩いにかけ、ルナドームの人口が1億8千万人以上にならないよう調整し、募集を中断した。
僕はルナドームへ向かう、最終便に、 忍 び 込 ん で い た。