破壊者(アナレティック)・Ⅴ
〝十二番目〟の大陸の名は──マサク・マヴディル。
アクワ・ペルマネンスがある大陸、プロトプラストゥスの〝地下〟──に、その大陸は存在している。だが、地下といっても、〝次元そのものが異なって〟いる。
マサク・マヴディルの主の名は──クロウリー・アレイスター。
九百年ほど前に事件を起こした当事者──「道士」に属する錬金術師だ。
「……なるほど、そう言ってきたか」
クロウリーの言葉に「はい」と頷くメイザース。
「どうせ、鍵を取り戻すことはできない。──たとえ、すべての封印を解いたとしても」
視線をメイザースに移すクロウリー。
「ご苦労だった、メイザース。しばらく、休んでいろ。また、お前には働いて貰うことになる」
「わかりました」
頭をさげ、メイザースはそこから去り、部屋にはクロウリーだけが残った。
「さて……どうするか」
机の上に置いてある、ふたつのソロモンのひとつを目線より高く持ち上げる。
彼自身が起こした事件により、散り散りになったソロモンをクロウリーはふたつ所有していた。
「これのために来るといい……俺がすべてを手に入れるために」
ソロモンを見つめる双眸は左右で色が違っている。
右眼は茶色だが、左眼は──緑色だ。
緑色を持って生まれてくる存在は限られたモノのみ。だから、宝石にも純粋な緑色はない。
クロウリーが存在しないはずの緑色の眼を持っているのは、彼がその瞳を奪い取り、自分のモノにしたからだ。




