表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
AKIRA  作者: 千路文也
プロ2年目  -苦悩-
155/426

155  試合前の公開練習で手を抜くのは御法度


 ヒットを打つイメージは出来ていたとしても、本当にヒットを打てるかどうかはやってみないと分からない。ただ考えるだけでは何も発展しないのは誰しもが予想出来る範囲内なので、AKIRA自身も考えるだけじゃなくて行動にしていた。ところが、打者は7割近く失敗して一流と言われる程の職業なのでヒットを打てなくて当然だと周りのファンやメディアは当然のように思い込んでいる。しかしAKIRAはそうじゃなくて目指すべきは打率10割だと発言していた。そんなのは野球未経験者でも絶対に無理だと分かりきっているのだが、AKIRAは目標にするだけの価値はあると断固として意見を曲げない。やはりその理由は打率10割を目指して努力をする方向性は決して間違いではないと思っているからだ。結果的に打率が10割に届かなかったとしても、それだけの気持ちで努力をしたのだからある程度の成果は挙げられる。勿論、他人には絶対に努力している自分を見せたりアピールをしてはいけないのが絶対条件だ。特に今ネットで流行りの意識高い系と呼ばれる人達は何かとフェイスブックを使って「自分は今日これだけの努力をしたぞ」と書き込んで他人から称賛させようと鼻孔を膨らませているのだ。しかし、それをしてしまうと自己満足の世界に入り込む危険性がある。確かに努力をするのは結構なのだが頑張っている自分を他人に見られるのは最大の屈辱だと思わないと、本当に意識の高い人間にはなれない。意識高い系の悪い部分は、AKIRAのようなアスリートの言動や行動を真似するだけで、中身が何も伴っていない所である。当たり前だが、真似をするだけでは成長するヒントなぞ何も掴めない。本来するべきなのは成功者の真似をしながら自分とは価値観が違うと思った部分を排除していく作業である。そうする事で、まるで自分が鉛筆の尖った芯のように細く美しくなっていく過程を体験できるのだ。


 特にAKIRAのような平凡な人間は誰よりも努力して行動に移さない限りは成果には結びつかない。だからこそ、AKIRAは夜の22時には布団にもぐり朝の3時に起きる日程を中学生の頃から続けている。それぐらい、自分は弱い人間で他の人が寝ている時間でさえも練習の時間にあてないといけないのを自分自身がよく分かっているのだ。しかし、彼は頑張っている姿を人に見せないのを流儀として貫いている。先程も言った通り、努力を見せるのは恥ずべきだ行為だと知っているので、わざわざ練習量をフェイスブックに書き込んだりツイッターに「練習なう」と書き込んだりしない。もっぱら彼が書きこんでいるのは自身が応援しているアイドルグループの情報であり、リツイートするのも彼女達のコンサート日程ばかりである。そうなると、自分の事など全く書かないのでファンの人達か心配されるのが日常茶飯事である。時にはアイドルにうつつを抜かしていると勘違いされて「練習しろ!」とフォロワーからお叱りを受ける瞬間もあるが、その時は素直に「はーい(^○^)」と言って返事をするのがAKIRA流である。


 このように、彼は決して自分から練習している姿を見せない。だが、一流の練習風景を見てみたいと思っているファンは少なからずいるので、試合前のようにどうしても練習風景を見られる時は決して手抜きをせずに、全力でマシン打撃をしたり、ファンサービスの一環として他のポジションで守ってみたりとファンを喜ばせるための練習を行っている。ファンの人達は「プロ野球選手は練習の時でも凄い人なんだ!」と目を輝かせていたりするので、絶対に彼等を裏切る真似は出来ない。だからこそ、いざという時は全力の自分を見せるのも大切なのだとAKIRAは感じていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ