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美少年とそいつを嫌う少女  作者: 三笠エマ
あいつがやってきた…。
8/13

幼き日のおもひで 空の本音

なんとなく書いてみたくなったので書きます…。珍しく今回は一人称で行きます。ちなみに本編のストーリー上にはそこまで関係はしないと思います。


「みずちゃん」


俺は幼馴染の水希をそう呼んできた。これは自分の水希を自分のものにしたいという欲望を抑える言葉だった。本当は彼女の名前通り「水希」と呼びたかった。しかし、水希と呼ぼうとすると自分の中で何かが渦巻くのが分かった。だから今まで言ってきた「みずちゃん」って。

俺は自分でいうのもなんだが外見がかわいらしい。ふわっとした金髪。白く雪のような肌。くりっとした瞳。これらは男子らしくなくて正直物心ついたころには好きではなかった。だが、水希はこの容姿だけはほめてくれていた。

「空って外見だけはかわいいのに…。」

それ以来俺はどうやったらかわいくなるか考えていた。ちなみにこの時俺は三歳。普通はこの年でそんなことは考えないだろうになぜか水希のその言葉一つで俺はどうやったらかわいくなるか考え始めた。

でも自分の水希への接し方は全然かわいくなかった。彼女には彼女の大切なものを隠したり、彼女が好きな友達の前で恥をかかせたり。彼女のお母さんに彼女がしてしまったいけないことを言ったり…。

今思えば彼女が俺を嫌いになっていってしまったのは当然だ…。そうして彼女の俺嫌いはどんどんひどくなり、俺を見たらすぐに逃げるようになった。そうなってから焦って近づこうとしたらことごとく毎回逃げられる。そして自分が嫌われているということを水希にやつ当たりしてさらに彼女に嫌われていった。

「今思えば俺ってバカだよな…。」

好きな子だから意地悪したくなる。そんな気持ちはやっている本人にしかわからないだろうに。なのに意地悪をすることで水希に気持ちが伝わると思っていた俺は相当な馬鹿だ。こんなんじゃ絶対に水希は振り向かない。


「にしても、あいつが好きになった人っていたっけ…。」


そう呟いてから俺は考えてみた。彼女が好きになったやつ…。思えばそういう奴いたな。

…確かあれは幼稚園生の時のこと。水希がまだ俺をそこまで嫌ってはいなかった時でまだ仲よくしてくれていた時のこと。彼女はとある男子を好きになった。確かそいつは…誰にでも分け隔てなく優しくて男女へだてなく優しかった。そんな彼と当時から活発で明るかった水希は当然のごとく仲が良くなり、よく園のいろんな子達で遊んでいた。そのうちに彼女は彼のことばかりいつも見ていた。

そのことに気になって俺はある日聞いてみた。

「みずちゃん、〇〇君のことが好きなの?」

って。そうしたら彼女はひまわりのように明るく俺には向けない笑顔で

「うんっ!私、〇〇君のことが好きっ!」

と言った。その言葉に俺は心底イラッとしたが唇をかんで我慢した。

そんなある日、俺は水希が好きって言ったやつに話しかけられた。

「空君、実は僕、水希ちゃんに伝えたいことがあるんだ。」

「え、なんで僕に?」

内心イライラしていたが我慢して聞いた。

「実はその…僕、水希ちゃんが好きなんだ…。でも水希ちゃんってとてもかわいいでしょ。だから水希ちゃんって誰が好きなのかなって…。」

「だから何が言いたいの?」

めちゃくちゃ俺はイラついてたがそいつは全くそれに気が付いていなかった。

「だから空君って水希ちゃんの幼馴染だって聞いたから、その…水希ちゃんの好きな奴聞いてきてくれない?」

…お前は水希に好かれていること知らないのかよ。水希の近くにいてそれでもまだ手に入れられない水希からの好意。俺のイライラはとうとう爆発した。

「もう知ってるよ。とりあえず〇〇君のことは無理して笑顔で遊んでいるって。」

口からそういう言葉が出た。その後、そいつは黙って泣いていた。そして…そいつは水希をさけるようになってしまった。その時、水希はとても辛そうでいつも一人で泣いていた。だってそいつは水希がいるときはみんなの遊びに加わらず、水希が遊びから離れたとたんに入るのだから。そのあと、俺がしたことを水希は彼の友人から聞いた。その時、彼女は…

「空なんて絶交だ!大っ嫌いっ!」

と言った。それから水希は俺を避け、逃げ、嫌うようになってしまった。今思えばとてもひどいことをした。もし俺が正直にあいつに水希の気持ちを伝えてたらもしかしたら水希は彼がほかの園に行ったときに俺のことを好きになってたかもしれないのに…。


「でもそんなの今言っても駄目だよな…。」

「だってもう水希とは会えないだろうし…。」


その一か月後、俺は父さんが転勤するということを聞いた…。

プロローグの一か月前の話です。正直空は書いていて楽しいやつなのでこういう話を書いてみたかったんです。それに自分で整理したかったんです、どうして水希があんなにも空を嫌うのかって。そこには何か原因があるだろうけれど、でも考え付かない…。この小説を書き始めた時にはそう思いました。でもなんとなく少しずつ形になってやっと最近考えたので書いてみました。

にしても、こういうの苦手です…。

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