で、なぜこんなところにあいつは私を…?
お気に入りに入れてくださった方に本当に大感謝している三笠です。私みたいなものの駄文を読んでくださるなんてあなた方は神様ですね…。また1000人をユニークでも超えていてびっくりしました…。本当にありがとうございます!そして誰か感想を書いていただけたらとてもありがたいです。
「ちょっ、空。あんた、私に学校の案内をしろって言ったわよね?」
「うんっ、そうだけれど?」
プルプルと震える水希。それから大きく息を吸って彼女は思いっきり叫んだ。
「なんで、屋上なんかにいるのよおおおおおっ!」
そう、そこは屋上だった。彼女は学校案内をしてと空にお願いされ(強制的に連れて行かれたが正しいが)、学校を案内することになった。しかし空は嫌々ながらも案内しようとする水希を引っ張って屋上まで連れてきたのだった。
「なんでなのっ!屋上なんて見なくていいでしょ!っていうか学校案内して欲しいんでしょ、空は。」
「アハハ、アハハハハハハ。」
「な、何がおかしいのよ。」
それを聞いた空は笑うのをやめて、
「何言ってるの、みずちゃん。オレはそういうこと事前に見るタイプだろ。」
完全に口調が変わって、またそれと同時に可愛いと思われやすい声から急に大人びた声になって空はそういった。それにぞっとする水希。なぜなら水希が空に一番最後に会った時はこんな声や口調なんてしなかったからだ。
「みずちゃんは甘すぎるよね、本当にさ。だってそうでしょ、みずちゃんってガード固いと思い込んでいるけれど実はガードってあまりないんだよねえ。」
それから更に続けていく空。
「つまりみずちゃんって落とそうと思えば落とせるよね。いつだって強い人間のふりしてさ、本当はとっても甘いあんみつに生クリームとホットケーキのシロップをかけたぐらい甘いもんね、考えが。」
青あざめていく水希。ちなみにこれは空の言葉にもあるが、あんみつに生クリームとホットケーキのシロップをたっぷりと乗せた食べ物がどれぐらい気持ち悪い甘さを持っているかを考えたからだ。
ちなみにこれは本当に食べられないと思われる。いくら甘党の人でも食べないことをお勧めしよう。きっと食べた方はあんみつと生クリームとホットケーキが食べれなくなるに違いがないので。
それから空はとどめの最後を水希に言い放った。
「つまり、オレはみずちゃんを口説き落とせるってこと。今回はしっかりとオレしか見れなくなるようにするか…。」
「んなことになるかああああああああああああああああっ!」
そういう水希の大絶叫とともに空の頬に飛んでくる容赦のない平手打ち。
「私はあんたなんかに絶対に口説き落とされないし、夢中になんかなりませんっ。言っとくけれど私は篠河空、あんたなんてこの世の中で一番大ッ嫌いな人間なのよっ!」
そういって屋上から出て行こうとする水希。しかし空の反応は早くすぐに水希の手首をぎゅうッと握ってきた。
「な、なにするのよっ。」
「オレはもうみずちゃんを逃がしたくないんだよね。だからみずちゃんがここに来てからすぐにオレはみずちゃんを今度こそ逃がさないようにするために喧嘩とかそういうのに強くなった。」
少しだけ顔から血の気が引いていく水希の表情。更に空は言った。
「だからオレ、実は前の学校では恐れられるぐらい喧嘩強くなってさ。これでも恐れられてたんだよ。だからみずちゃんが喧嘩強いってことは分かるけれど、多分今のオレには敵わないし、逃げ場とかないと思うよ?」
「………………。」
ただ今の水希の内心は喧嘩じゃ止められなくなった、ということだった。彼女は実はやばくなったら空は喧嘩とかは弱いだろうからちょっとだけ殴って(いけません、良い子は真似してはいけないですよ)もう怖くて近づけないようにしようと思っていたのだった。しかし、まさか空が喧嘩が強くなっているなんて、いや、ここに転校してくるだけでも予想外だったのだが、想像すらできなかったのだ。これじゃあ彼から逃げることなんて全くできないじゃないか。私は凄く危機状況にあるのではないか、まさに四方八方ふさがれたウサギではないか、と水希は思った。
「さあてと、みずちゃんをどうしようか…」
キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン。全国共通のチャイムがその時鳴った。それを聞き、舌打ちする空とほっとして胸をなでおろし安堵の表情を浮かべる水希。それから急に空は笑顔になって水希に言った。
「じゃあ続きは放課後ね。ちなみに逃げたら…、どうなるかは分かっているよね?」
「んなの知るかっ。」
そして空は水希の手をつかむ。
「ちょっ、いきなり何するのよ。」
それに空は当然のことのようにこういった。
「決まっているでしょ、教室まで皆に見せ付けるためだよ。こうしたらみずちゃんを狙う男子はいなくなるはず。」
そして笑顔でエヘッと笑う空。水希はこれからの展開を恐れながらも空が怖くて何もいえなかった。
その後、廊下で女子達の陰口を聞きながら水希は空に手をつながれたまま教室に行くことになってしまった。ちなみに空の表情はとても楽しそうでまるで天使のようだったらしい。そして水希の表情は当然のごとく、生気のない表情だったらしい。そのことに気づかず、ほとんどの女子は水希をののしる。
「なんなのよ、あの女。たいして可愛くないくせに。」
「あのブス、三限に空君に罵声を浴びせたそうよ。」
「それなのに空君に手をつながせているのよ、最悪の女ねー。」
「空君、かわいそ過ぎるわよ。あんなブス女に手をつながされて。」
あんたら、勝手すぎるだろ、人に気も知らないくせに…、と水希は思ったが言い返せる気力もなく、ただ黙って聞いているしかなかった。にしても中学生の女子の情報力は凄いものだ。中学生の女子とは話に尾びれ背びれをつけてその人のプライバシーを考えずに悪口を言うのだ。ちなみにこれは自分達が大人びていると思い込んでいる精神年齢が低い女子達がよくするものだ。賢い人は人の悪口なんて言わないのだから。要するに水希達の学校の水希の学年の女子は低レベルと言うことなのだ。なのでこれは決して全ての女子中学生に通じていることでは決してない。そんな女子達を無視して空は
「周りがうるさいね。きっと僕達がラブラブだから冷やかしているんだろうね。でもこんなのぜんぜん気にしなくていいんだからね。」
あんたが原因だろ、と水希は内心思った。そしてそれと同時に更にひどくなっていく陰口。
「空君からはなれなさいよ、このブス女。」
「何で更にくっつくのよ、空君からすぐに離れなさいよ」
「いい加減にしなさいよ、あんたなんて空君とは全くつりあっていないのよ。」
女子というものは怖いものだ。状況を自己流に都合の良いように解釈をして、一方的に何の根拠もなしにまくしたてるなんて…。そしてとうとう水希はきれてしまったのだった。
「いいかげんにしなっ、あんた等うるさすぎるんだよッ!」
それから水希は勢いよく空から自分の手を離した。
「もういい加減に離して!私はあんたなんて大ッ嫌いなんだから。」
それから水希は教室へと猛ダッシュで走った…。
これには結構な続きがあります。にしても三話目でしくじってしまいました…。これからは第何話なんて入れません。混乱した方がいたらすいません。では