気づいた気持ち
さあ、受験が終わりました!どんどん書いてくぞ!
水希は授業中、ずっと考え事をしていた。考えているのは自分の本当の気持ち。正直言って水希が今まで考えていない自分の気持ちの可能性についてだった。それは…『空のことが本当は好きなのではないか』ということだった。
「まさかね、まさか、私に限ってそんなことがあるわけないじゃない。そっ、空のことが好き?そんな感情私にあるわけ、あるわけ…。」
と心の中で考えつつも本当は違うのではないかと疑う自分が水希の中にはいた。今までずっと空のことが嫌いだと思っていたのはうそだったのではないか。
「いや、そんなわけがあるわけないよね、まさか私に限って…。」
水希は心の中でそういったつもりだったが…。
「みずちゃん、何ぶつぶつ言っているの?」
「いっ!?」
空の声が突然横から聞こえてきて水希はちょっと焦る。
「あれ、どうしたのかな、みずちゃん?なんか焦っているみたいだったけれどそれは僕の勘違いかな?」
空には聞こえていないと思い込んでいただけに水希はドギマギする。
「かっ、勘違いに決まってるでしょっ!何言っているのよ。」
水希は水希の顔が紅潮していることに気付いていなかった。しかし、空にはそれが丸見えだった。空は心の中で黒い笑みを浮かべた。しかし、ここで水希を挑発すると水希とまた何か間が出来る可能性もある。ここはなにも気づいていないふりをするほうが賢明だと空は考えた。
「そっか、僕の勘違いか。ごめんね、みずちゃん。」
空のその一言にかたくらしを食らった気が水希はした。そらの考えていることには一つも気づかずに。だが、そのことを空に気付かれると何をされるかわからないと思ったので水希はなにもなかったように言った。
「そうよ、空、なにもないよ。」
その後、水希はもやもやした気持ちで授業を受けた。そして空はある一つのことについて確信を持った。そして心の中でつぶやいた。
「みずちゃんがもう少しで手に入る…。」
昼休みに水希は空に見つからないように屋上へ行った。もちろん本人は気づいていないのだが、空には気づかれていたのだが。でも空は水希のことを放っておいた。そして水希はこそこそと屋上へ行った。
「やっぱり屋上って開放感があるな…。」
そして深く深呼吸。新鮮な空気が水希の心を安心させた。
「ここだよね、空とちゃんと話を久しぶりにしたのは…。」
たった一週間前のことでもかなり昔のように水希は感じた。それぐらい、空が来てからの一週間はそれぐらい水希にとって内容が濃いものだった。
「それにしても今週一週間は悩みっぱなしだったなあ…。」
あまり、悩み事が少ないと自負している水希にとってたくさんなやむことはなかなかない経験だった。こんなことはもう一生ないと水希は考えたかった。
「私にしては珍しい経験だったなあ…。」
いろんな感情が巡りに廻ったことは生まれてこの方一度もなかっただけにそんな自分にびっくりしたり、恥ずかしくなったり、今まで知らなかった自分自身を知った感じが水希はした。そしてそれらは水希にとっては信じがたいことなのだが…。
「こんな私の感情を生み出したきっかけを作ったのは全部空なんだよね…。」
そう、空によって水希の感情は大きく揺り動かされたことに水希は気づいた。空がまた水希の目の前に登場しなかったらたくさんの感情や悩みは出てこなかったはずなのだ。そしてそのことはつまり…
「私、もしかして、空のことが…。」
そう、自分で言った後に水希は彼女の顔が熱くなるのを感じた。
そして…
「そんなわけないないないないないないないないないないないっ!」
首を激しく横に振った。しかし、その言葉たちはうそをついているように聞こえた。そのことに水希は戸惑いを感じた。
「ま、まさかね、まさか…。」
そして水希は一呼吸をして一言つぶやいた。
「わたし、『空のことが好き』なんだ…。」