まずは遊んでみる? CCOの『ご先祖さま』を
土ようの昼すぎ。
パパが運転する車が、バックで小道に入っていく。
カケルは助手席から後ろを覗いた。
おじいちゃんが、お隣の家の窓を、ドライバーでぐりぐりしていた。
「ふー。これで、もうガタつかないと思いますよ」
「いつもありがとうございます!」
お隣のおじさんが、おじいちゃんに頭を下げていた。
パパが車を止めると、おじいちゃんがこっちへ歩いてきた。
「いらっしゃい。まってたよ」
おじいちゃんはニコニコだ。
「先に家に入っといて。
おれはドライバーとかを片づけてから行くから」
茶の間に座って、ミンテンドーフイッチをカケルが出すと、ママは冷たいお茶を四つ運んできた。
「おじいちゃん、あいわらず、なんでも直してるよね」とママ。
「親父——おじいちゃんの生きがいだからね」とパパ。
しばらくして、おじいちゃんが部屋に入ってきた。
「どもども。来てくれてありがとね」
おじいちゃんはカケルの頭をなでてから言った。
「今日はどうする? またみんなでカラオケに行くかい? おうち焼肉がいいかな?」
「どっちもがいい」
カケルが言うと、おじいちゃんは笑って言った。
「ははは。じゃあ、カラオケ屋さんでお肉をたのむかね」
「カケル? おじいちゃんに、お話することがあるんじゃなかったっけ?」
ママが、カケルのひざをつついた。
「あっ、そうだった。これ」
カケルは「ミンテンドーフイッチ」を差し出した。
「これ?」
「サービスが終わっちゃうんだ。『コスモキャンプ・オンライン』っていうゲームで、友達といつも遊んでるんだけど」
「そうか。ローカル版とかは出ないのかな?」
「出ないんだって。なんとかならないかなあ!
おじいちゃんはゲームに詳しいって、ママが」
「いやいや! おれなんか全然大したことないよ。
『コスモキャンプ』シリーズも、オンラインのはプレイしてないし」
「シリーズ?」
「……ああ、そっか。カケルが遊んでるのは、最近出たやつだもんな」
おじいちゃんはそう言って、お茶を一口すすった。
「じゃあ、おかし食べおわったら、おじいちゃんの倉庫部屋に行くか」
――
「ここここ。おれの倉庫」
おじいちゃんがカギを回すと、カチャリと小さな音がした。
ドアから入った中には、棚が何段も置かれていた。
プラスチックの四角い箱、何かにザクッと刺さりそうな小さな箱、ひもみたいなもの……
とにかくいろんな物が、ごちゃごちゃと置いてあった。
「うわ……これ、ママから怒られるやつだよ。
『きちんと片づけなさい!』って」
「おれは“おじいちゃん”で良かったよ」
おじいちゃんは笑って、部屋の奥の方に入っていった。
「ええと……た、し、か、このへんに……あった!」
「これって?」
「この四角い箱……カセットって言うんだけど、中に入っているのがシリーズの一番最初のソフト、『コスモキャンプ』なんだ」
「あっ、コービィがいる!」
「コービィは、シリーズの最初から登場してたからな」
「昔から人気だったんだね」
「うん。コービィがいるから、人気が出て、何作も続きが出たとも言えそうだな。
……まあ、むずかしい話はあとにして、まずは——
遊んでみるか? 初代のコスモキャンプ」




