幕間 精一杯できること(カケルのママ視点)
――ただいま。ちょっと荷物を取りに来たよ。
仕事を少しこなして、で、また親父のところ行ってくるね。
「お帰りなさい。カケルがね、びっくりしてたよ。
『おじいちゃんが昔、ゲームを守ろうとしてたってホント?!』って」
――誰から聞いたの?
「里中さん。ソルトレイクさんのところから駅まで、ハルくんとカケルを送ってくださって。そのときに、ぽろっと言っちゃったみたい。小さく『めんご』って言ってたわ」
――あの人、そういうところあるよなぁ……。まぁ、しょうがない。どうにもならない。
「おじいちゃんの様子、どう?」
――食欲が落ちてきてる。
まだ、ベッドから起き上がったりはできるみたいだけど。
「ねえ。おじいちゃんのこと、カケルには言わない……でいいの?」
――カケルにはすまないけど、そうしてくれると助かる。
あいつは、知ったらぜったい顔に出る。
その顔を見て、親父が感づくと思うんだ。
「それは……わかるけど……」
――できるだけギリギリまで、親父には前向きでいてほしい。
あの人は、”夢”で生きてる。
夢を消さないこと。気力を残してやること。
それが、俺たちにできる精いっぱいだと思う。
「……本当に、それでいいの?」
「……カケルが、あとで自分を責めたりしない……?」




