あきらめろ? なんでそんなこと言うんだよ
カケルが階段を駆け降りると、夜ごはんのカレーがテーブルに並んでいた。
「たいへんだよ! コスモキャンプ・オンラインが、終わっちゃうんだって!」
「お友達とやってるネットゲームのこと?」と、ママが聞き返した。
「そう! 十二月三十一日でサービス終了、って書いてあった!」
「残り三か月も無いじゃない」
「どうしよう! ハルたちと遊びたいんだけど!」
「――カケル! いいから座って。ママが作ってくれたごはんが冷めちゃうよ」
パパに言われ、カケルはむっとして椅子に座った。
「パパも、スマホはやめて。カケルがマネするでしょう?」
「……ごめん。ちょっと調べもの」
ママに怒られたパパは、スマホを見ながら、スプーンを動かした。
お皿のカレーがほとんど無くなった頃、パパが言った。
「軽く調べてみたけど、CCOのサービス終了は避けられないみたいだね。あきらめなさい」
「なんで!」
「ゲーム会社が『やめる』って決めたからだよ。カケルが騒いでも、サービス終了をひっくり返すのは難しいんじゃないかな。気持ちはわかるけど、別のゲームにパッ! と切り替えた方が早い」
「ハルもミホもいるんだよ? CCOに!」
「うーん、それでもサービスは終了するんだよ」
パパは最近、家に居ないことが多い。
たまに帰って来たと思ったら、
ぼくの大好きなゲームを「あきらなさい」なんて、あんまりだ!
カケルは、残ったカレーをかきこむように口に含んで、
二階の子供部屋へかけ上がった。
◇
(CCOのサービス終了を防ぐ、何かいい方法があるはずだ……。)
カケルは携帯ゲーム『ミンテンドーフイッチ』を触ったり、部屋をウロウロしたり、寝っ転がったりしながら考えた。
(『ゲームを続けて!』ってお願いしたら、続けてくれないかなぁ……)
(そもそも、なんでサービス終了するんだろ……)
(なっとく行かない……!)
夜遅く、ママが子供部屋に上がって来て、カケルに言った。
「週末におじいちゃん家に行くよね。その時に、聞いてみたら?」
「おじいちゃんに? 何を?」
「おじいちゃん、昔のゲームに詳しいから。CCOが終わっちゃう話に、なにかヒントをもらえるかもしれないな、って思って」




