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アーカイ部――小4とおじいちゃん、サービス終了するネトゲを残したい  作者: にぽっく
第6章 わからないなら、調べればいい!
20/40

幕間 ゲーム会社には『秘密保持』という掟があるらしい

「ねぇ、パパ」


――ん? なんだい?


「パパたちが作っているゲームって、ネットゲームなの?」


――ええと、急にどうした?


「こないだ、国会図書館に行ってきたでしょ。CCOをどうすればいいかって、カケルくんたちががんばってて」


――そうか。えらかったよねぇ、()()くんたち。


「ネットゲームが入ったサーバーっていうのは、パパの会社にあるの? それとも”データセンター”っていうところにあるの?」


――うぇ?! どこでそんな言葉知ったの? データセンターとかさ。


「ハルくんのお家で、AIさんから聞いたの。」


――小4で生成AIを使い倒してんのか。油断してるとパパなんか、あっさり抜かれちゃうなぁ。


「どうなの? どっちにあるの?」


――うーん……。ミホ、ごめんなぁ。


「えっ?」


――そういう事は、もし仮にパパが知ってたとしても、守秘義務(しゅひぎむ)って言って、誰にも教えられないんだよ。……ミホにも教えられない。


「しゅひぎむって、何?」


――そうだなぁ。一般公開されていることだけなら言えるか。ゲーム会社がゲームを作るのに、どれぐらいの時間がかかると思う?


「ええと……、1か月ぐらい?」


――いやいや、ケタが違う。3年ぐらいはかかっているはず。


「さん年?!!」


――規模とか進み具合にもよるんだけどね。ミホが遊んでいるゲームは、ものによっては、ミホが幼稚園の頃から作り始めてるものもあるかもしれない。


「そんな前から……。全然知らなかった」


――すごい人数で、時間をかけて作っているからね。そんなゲームのヒミツやアイデアが、もし途中で外に漏れちゃったら、どうなると思う?


「ええと……」


――ほかの会社が、そのアイデアをマネして、先にゲームを発売してしまうかもしれない。そうしたら——


「そうしたら?」


――マネされた方のゲーム会社の人たちは、ご飯が食べられなくなるかもしれないんだよ。このお家も無くなるかもしれない。自分達のゲームが売れなくなったらね。


「えー。だったら、急いで作って、半年ぐらいで出しちゃえばいいんじゃないかなぁ?」


――いやいやいや、そうはいかない。プレイヤーさんが喜んでくれるように、クォリティ——ゲームの面白さをしっかり磨かないといけない。面白いものを作るには時間がかかるんだよ。


「そうなんだね……。じゃぁ、そんなに時間をかけて作ったゲームが、途中で終わりになっちゃうのは、どうしてなの?」


――サーバーを続けるのに必要なお金が、ゲームを売ることで入るお金を上回っちゃうと、ゲーム会社が損をするようになるんだ。損をしたままゲームは続けられないんだよ。会社は「利益」っていうのを出すためにあるから。


「リエキって、お金もうけのことだよね?

 じゃあ、いっぱいお金が会社に入れば、ゲームは続くってことになるのかなぁ?」


――大雑把に言うとそうだね。利益が出ている間は、ゲームは続く可能性が高い。つまり、『支えてくれるプレイヤーさんたちがどれぐらいいるか?』っていうところなんだ。


「じゃぁさ。お金が入ってこなくなったゲームは、このあいだ行った国会図書館とかにあずけておく……とかはできないの?」


――それは難しいと思うよ? 理由はいろいろあって。……でも言えないけど。


「さっきパパが言ってた、しゅひぎむっていうもの?」


――まぁ、そんなところかな。ゲーム会社がネットゲームを外に預けるっていうのは、よっぽどのことが無い限りムリだと思う。現実的じゃない。そもそもそんなことを考えている会社さんは無いんじゃないかな。


「じゃぁ、パパも、CCOは無くなっても良いって思ってるってこと?」


――それはちょっと違うかな。


「違うの?」


――ミホ。これはわかっていてほしいな。ゲームを作った人たちは、自分たちが作ったゲームを、みんなに長く遊んでほしいと思ってるよ。クリエイターの素直な気持ちはそう。でも、現実ってものがあってね。だからまだムリなんだ。


「『まだ』って?」


――「まだ」あきらめない! っていう人が、ゲーム会社の中にも居るってことさ。全員ではないけどね。……まぁ……。


――ミホが大人になれば、いろいろとわかるようになるさ。

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