CCOが『まだ』無い理由、図書館行けばわかるかなぁ?
小学校の図書室は、4年2組の教室からちょっと離れた所にある。
階段を下りて、校舎の反対側まで歩かないといけない。
そこに、カケル、ハル、ミホの三人が集まっていた。
カケルは、メモ用のノートを開きながら言った。
「国会図書館でわかったのってさ……」
「『CCOは、まだ図書館には入れられない』ってことだよね」
とミホ。
「『まだ』って、なんなんだろう?」
ハルが腕を組む。
『まだ』の謎をとくために、三人は図書室の本を、あちこちから引っぱり出してきて、机の上に積んでいた。
百科辞典。
インターネットのしくみ。
コンピュータなんでも丸わかり。
……かたっぱしから読んでみたけれど、
「ネットゲーム……ぜんぜん書いてない」
「この本にもないよ?」
「『通信回線を介して、多人数が同時参加して行われるコンピュータゲームの総称』
……ごめん。よくわかんない」
「だぁー! むずかしい!」
カケルは思わず机に顔を伏せた。
「本が古すぎるんじゃないかなぁ?」
と、ミホ。
「でも、図書室にはこれしかないんだよね……」
と、ハル。
と、そのとき——図書の先生が近くを通りかかった。
「あら。どうしたの?
……調べ物かしら?」
「はい。ネットゲームのことを調べてて……」
と、ハル。
「なにか見つかった?」
「「「ぜんぜん!」」」
「あらら……もしかしたら、市立図書館の方が、いい資料があるかもね?」
「市立図書館!」
「学校の近くの図書館は、市の予算が無いとか言って閉まっちゃったから……
駅前の中央図書館がいいかも。
そこなら、新しい本もたくさんあるはずよ。
授業が終わってから、行ってみたらどう?」
三人は顔を見合わせ、コクンとうなずいた。
◇
放課後、中央図書館へは自転車で向かった。
「『サーバ』ってなんなのか? という謎だけでも、ちゃんと知りたいよね」
『インターネットのひみつ』『ゲームのしくみ』と書かれた本を見つけて、開いてみたけれど——
「えっと……『ゲームはコンピュータで動いています』……それは知ってる」
「『オンラインゲームは、世界のだれとでも遊べるよ!』……これじゃないんだよ」
「『サーバとは、パソコンのおおもとみたいなもの』……わかるような……わからないような……」
「『入力操作を受け付けて判断はサーバ上のインスタンスが集中的に行う。判断結果に基づいたデータを個別のユーザ端末に逐次送信』……うわ……なんだこれ……」
何冊か読んでも、結論はただ一つ。
「CCOが『まだ』国会図書館に入らない理由、どこにも書いてないね」と、ハル。
「図書館の本じゃ、もう無理かも……」
ミホがしゅんと肩を落として、話をつづけた。
「わたしのパパにも聞いてみたよ。でも、『俺にもその謎はわからないなぁ?』って、なんだか変な言い方で言われちゃった」
「困った……」
カケルは打つ手なし。
それを聞いたハルが、顔を上げた。
「……じゃあ、AIさんにまた、聞いてみようか」




