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アーカイ部――小4とおじいちゃん、サービス終了するネトゲを残したい  作者: にぽっく
第5章 えっ? 国会図書館がゲームを集めている?
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ゲームを集めてるのに、「CCOは」無いってなぜなんですか?

 カケルの行きたい所――。

 それは、係の人が居る、カウンターだった。


「あの、聞いてもいいですか?」と、カケル。

「ええ、どうぞ」


「どうして、コスモキャンプ・オンラインは、ここに無いんですか?」

「はい?」

「さっき、あそこのパソコンで調べたけど、見つからなかったから」


「一昨年の終わりぐらいに発売された、ネットゲームのことですね」

 おじいちゃんが、そう付け足してくれた。


「あ、はい。念のため、データベースを確認しますね?」

 係の人は、カウンターのパソコンをカチャカチャとやった。


「……おっしゃる通り、コスモキャンプ・オンラインは、当館では収集していないようです。

  あっ、つまり、『ここには無い』ということです」


「どうして無いんですか?」

 カケルがふたたび、そう聞いた。


「ええとですね……」

 係の人は、しばらく考えてから口を開いた。


「この、私が持っている円ばんが、『コスモキャンプ3』です。先ほど皆さんにご利用いただいたものですね」

「うん」


「こういう、『物』に入っているゲームは、ゲーム会社さんからもらっているんです。法律で、納本制度(のうほんせいど)というのがあるから」

「のうほん……?」


「本やゲームを作ったら、国会図書館に一つ配らないといけない、っていう決まりなんですよ。ちなみに、フランスの国立図書館”Bnf”の場合は二つ配ります。保存用と、プレイ用の二つです」


「へぇぇ! フランスの方がゲームの保存が進んでいるんですね」

 と、おじいちゃん。


「えぇ。日本の場合は、もらうのは一本だけなので、その一本を利用者さんに傷つけられてしまうと困る……というのもあります」


「ゲームを作ったら、一本もらうんですよね。だったら、CCOも、ゲーム会社さんが作ったんだから……CCOも、もらっているんじゃないんですか?」


 カケルがそう言うと、係の人は、右手のCD-ROMを何回か振った。


「こういう、『()()()()()()()ゲームは、もらっているんです。

 けれど、オンラインゲームの場合は――

 ……色々とあって、まだ、『もらう』という話になっていないんです」


「つまり、”ものによる”んですね? 全部もらっているわけではないと」

 おじいちゃんが言った。


「はい。当館にあるのは、二〇〇〇年より後に出た、”物”になっているゲームばかりなんです」


「ほう!? ならば、初代の『コスモキャンプ』が無かったのはなぜですか? 初代は、ゲームカセットという”物”になっていると思うんですが」と、おじいちゃん。


「はい。先ほどデータベースで見ましたが、初代『コスモキャンプ』は、発売が一九〇〇年代になっていました。その頃には、国立国会図書館は、そもそもゲームを集めていなかったんです。だから、二〇〇〇年より前のゲームは、ほとんど持っていないんです」


「えー!」

「なにかおかしくないですか?」

 いつの間にか、ミホとハルもカウンターの所まで来ていた。


「ごめんなさいね。

 ゲームをすべて受け入れられる状態には――

 まだなっていないんです。……残念ながら」


 ◇


 図書館から外に出ても、

 カケルたちは少しむすっとしたり、落ち込んだりしていた。


「そうだなぁ……なかなか、思った通りには行かないところもあるんだよ」

 と、おじいちゃん。


「すみません、子供たちをがっかりさせちゃったみたいで……」

 と、大野先生。


「いえいえ、今日のお話だと、チャンスがまったく無いっていうわけでもなさそうですし」


「どういうこと?」

 カケルはおじいちゃんに聞いた。


「図書館の人が、ネットゲームは『()()』もらっていないって言っていたのは、おぼえているかな?」


「あー……」

「うーんと」

「言っていた……かなぁ?」

 カケルたち三人は、首をかしげた。


「『まだ』できないことは、『みらい』には、できるようになるかもしれないから」

 おじいちゃんは、カケルの頭をポンとたたいた。


「おじいちゃんがいつもいじっている機械な。あれらも昔は『まだ』なかった。でも、誰かが作ってくれたから、『今』はある。えっと、『今』ってのは、『みらい』ってことで……ああややこしいな」

 と、おじいちゃんは頭をかいてつづけた。


「要はね。あきらめたら、そこで試合終了なんだよ。へへへ」

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