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アーカイ部――小4とおじいちゃん、サービス終了するネトゲを残したい  作者: にぽっく
第5章 えっ? 国会図書館がゲームを集めている?
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図書館にレストラン? それより、行きたい所があるんだ

「わたしでいいのかな?」

 黒い本体のボタンをミホが押すと、

 テレビに『コスモキャンプ3』のタイトルが出た。


「”サンドボックス”ゲームになる前の頃のですね」

 大野先生が言った。


「サンドボックスって?」

 カケルが聞いた。


「『これをやってね。じゃないと話が進まないよ?』というのが無い、”自由に歩き回れるゲーム”のことよ。コスモキャンプ3の頃は、ボスと戦わないと、次に進めなかったから」

 大野先生はそう言って、コントローラをミホにわたした。


「順番にプレイしてみて。

 ――私はそれを見て、ちょっと、メモを取らせてね」


「子供が昔のゲームにどういう反応をするか? ……っていう研究なんですよね」

 おじいちゃんが聞いた。

 

「はい。『その研究を論文にするよ!』っていう理由で、今日の見学会を特別にOKしてもらっています。通常ですと、18歳未満はそもそも国会図書館に入れません」

 と、大野先生。


「お手配、ありがとうございました」

 と、おじいちゃん。


「昔のゲームのコントローラって、ボタンがないんだね。Lボタンでスキルとか使いたいのに」と、ミホ。


「そうね。もっと前のゲームだと、AボタンとBボタンしかなかったの」


「初代コスモキャンプがそうでした!」

 と、ハルが言った。


「えっ、初代を遊んだことがあるの?」

 大野先生はびっくりしていた。


「カケルのおじいちゃん家でこの前、やったばかりです!」


「あら、そうだったの」

 と、大野先生は言って、おじいちゃんの方を見た。

 おじいちゃんは、うん、とうなずいていた。


「次ぼくね」

 カケルがどんどん進めていった、画面の右はしから、大きなライオンみたいなボスが出てきた。


「この1面ボスを倒さないと、次の面に行けないよ」

 と、大野先生。


「えいっ! うわっ! 火はいてきた!」

 カケルが動かしているコービィは、あえなくやられてしまった。

「あらー残念」と、おじいちゃん。


「どれ、僕にかして」

 ハルがコントローラを握ると、あっというまにボスを倒してしまった。


「おー! うまいね!」

 おじいちゃんは小さく拍手をしてくれた。


 ハルが遊び終えた後で、大野先生が言った。

「そろそろ、ディスクチェンジをしてもらいましょう」


「ディスクチェンジって?」

 カケルはきょとんとした。


「違うゲームに入れ替えることよ。ミンテンドーフイッチで、小さいゲームカードを入れ替えたことはないかしら」

 と、大野先生が聞いた。


「僕はあるよ」とハル。

「ぼくはないです」とカケル。

「わたしはあります」とミホ。


「そっかぁ。カケルくんは、”ダウンロード版”のゲームで遊んでいるんだね」


「兄ちゃんも僕も、別のフイッチを持ってるから。カードを貸せるようにしてるんだよ」と、ハル。

「わたしの場合は、パパが『なるべくカードで持っておこう』って言うから」と、ミホ。


「『コスモキャンプ・エターナル』と『コスモキャンプ・クラフティ』をリクエストしていたよね。どっちをやってみる?」

 大野先生が聞いた。


「クラフティかなぁ……」と、ハル。

「わたしはどちらでも」と、ミホ。

「うーん、ハルにまかせるよ」と、カケル。


「了解。じゃぁ、『クラフティ』を準備してもらいましょう」

 大野先生は、受付の所に歩いて行った。


 しばらくすると、係の人が、ドーナツみたいに穴が開いた、虹みたいに光る丸い板を持ってやってきた。

 

「『コスモキャンプ・クラフティ』に、ディスクチェンジしますね」

 係の人は、黒い本体から、丸い板を取り出して、持ってきた別の丸い板と取り替えた。


「これ、なんなの?」

DVD-ROM(ディーブイディ・ロム)っていう、ゲームのデータが入った円ばんです」

「そんなのがあるんだ……」

 円ばんを見たことが無かったカケルたちは、驚いた。

「ディスクの交換(こうかん)終わりました。また交換したいときはお声がけください」

 そう言って、係の人は戻っていった。


「あー! この感じ!」と、カケル。

「CCOとおんなじだね!」と、ミホ。


「ですね。『クラフティ』はCCOと同じく、ブロックを積んでいろんなものを()()()ようになってるから」

 と、大野先生。


「こうやって、初代からCCOに少しずつ近づいて来たんですね……」と、ハル。

「進化の歴史だよね」と、大野先生。


 ◇


 コスモキャンプシリーズの三本をひとしきり遊び終えた後、大野先生が言った。 

「じゃ、わたしもちょっと、ゲームをさせてもらいます。大人がプレイした時のデータも、論文のためにメモっておきたいから」


「ぼくたちはどうすればいいですか?」と、ハル。


「ここでゲームを見ていても良いし、他の所の見学に行っててもいいですよ」


「わかりました」


「おっ、じゃあ、どうする?」と、おじいちゃんが寄って来た。

「レストランでも、見に行くか? なんと、国会図書館の中にレストランがあるんだってさ!」


 カケルはおじいちゃんのにこにこ顔を見て言った。

「うーん、その前にぼく、行きたいところがあるんだ」

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