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揃い踏み

 13才になった。

 

 あれから『はやたろう』と『まさるさん』は仲良くやっている。

 犬猿の仲なんて言葉は気にする必要は無かった。

 

 15才まであと4年あるが、犬や猿は年齢的に大丈夫なんだろうか?

 ふと疑問に思ったが、2人は出会ったころから全く老いる様子を見せない。不思議だ。

 

 『まさるさん』が、日向ぼっこをしている『はやたろう』のノミ取りをしている様子などが見られた。

 その他にも中々に賢い場面を見かける。

 

 それだけでなく『まさるさん』は戦力としても優秀だった。

 平地では『はやたろう』に譲るものの、山林など木のある場所での立体起動でその本領を発揮。

 木から木、枝から枝へ次々と目まぐるしく飛び移る。


 俺も見習って飛び回るが全然追いつけない。

 新たなライバルの出現だった。


 俺たちはいつものように山に繰り出していた。そんなある日、焦げ臭い匂いが漂ってくる。

 俺の脳裏に嫌な記憶が蘇る。


 燃えているのは野原だった、なぜこんな場所に火が?

 このままだと一帯が火に飲まれるだろう。


 俺は刀を抜き、延焼防止のため草を刈り始めた。

 『はやたろう』には村へ遣いに出て貰った、誰か来てくれるといいが。

 『まさるさん』にはマサムネを渡し、同じように草を刈ってもらう。

 

 必死に草を刈り続けていると、火の中を飛び回る雉の姿が見えた。

 パニックを起こしているのかと思ったが、違う、何かを気にしている様子だ。


 俺は草を刈りつつ、雉が気にしている何かを探す。

 そこには小さな雛がいた。


 俺が雛を抱えると、親雉は力尽きたのか火の中へと落ちて行った。

 くそう……。


 その後、駆け付けた村人たちと、どうにか延焼を食い止めたころにはクタクタになっていた。

 俺は雛を優しく抱え、家に帰った。


 話を聞いたお爺さんお婆さんは快く育てるのを認めてくれた。

 雛は『きぎし』と名付けた。

 そこから巣もどきをつくり、虫を取って来て食べさせたりした。

 以外なことに虫が平気なお千代ちゃん。

 『きぎし』に食べさせるため、家へ来るようになったのは嬉しい誤算だ。

 

 『はやたたろう』も『まさるさん』も単なるペットではなく、色々と働いてくれており助けになっているのだ。

 それにしても、犬、猿、雉と揃ってしまったな。

 これは偶然とは思えない。

 

 15才になるまで残り2年。

 心強い仲間は既に揃っている。あとは自身を仕上げるのみ。


 野を駆け、山を駆け、刀を振る。

 

 勿論、畑仕事も手伝うし、ちょっぴりお千代ちゃんと仲良くしたりもした。

 お年頃なのだ、許してくれい。


 そんなこんなであっという間に2年の月日は経ち、15才。

 『きぎし』もすっかり大きく育ってくれた。


 『はやたろう』『まさるさん』『きぎし』

 準備は万端に整った。


 いよいよ、赤鬼が来る。

 今回は小細工無しの真っ向勝負だ。

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