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鬼ごっこ

 鬼ヶ島へ再上陸。

 

 最初は同じように罠設置からの、暗殺ムーブ。

 前回みつかった叢にも注意を払ったおかげで、気づかれずに半数の鬼を仕留めていた。


 その後、山でのゲリラ戦を経て、残りの鬼の掃討も恙無く完了。

 鬼の頭領はやはり出張ってこない。ここまでは至って順調だ。


 その後、今回は迷いなく大岩の下の扉へ向かった。

 地下室に降りるとあの黒い玉が鎮座している。禍々しい気配があの時の嫌な記憶を呼び起こす。


 果たして、これを破壊して良い結果につながるのかどうか、確証は無いがとにかくやってみるしかない。

 トライ&エラーが出来るのが俺の最大の強みなのだ。

 

 玉に触れると、何とも言えない禍々しい気配が伝わってくる。

 一刻も早く手放したい衝動に駆られ、えいやっ! と地面に叩きつけた。


 玉は砕け――散らなかった。そのままの形でコロコロと転がっている。

 近くにあった石を手に、力いっぱい殴りつけても罅すら入らない。

 

 どうしよう……これは考えていなかった。

 見た感じこんなに頑丈だとは思わなかったが、あの鬼の力の源だとすると普通じゃないのも想定しておくべきだった。


 どうしたものかと考え込んでいると、見張りをしていた『きぎし』と『はやたろう』が鳴き声を上げた。

 玉の異変に気が付いたのだろう、鬼の頭領がこちらへ向かってきている。


 ズシンズシンと足音を響かせ、巨体を揺らしながら向かってくる。

 脚は遅いが、迫力は満点だ。


 俺は玉を嫌々手に取ると、山へ駆け出した。

 俺の位置は玉のせいで把握されているのか、迷わず追いかけてくる鬼の頭領。


 罠にはかかるが、ものともせず踏み抜いて来る。

 1日中間逃げ続けてみたが、鬼の頭領は体力が有り余っているようで少しも様子が変わらない。

 

 このまま逃げ続けては俺が先に参ってしまう。

 何か手を打たなくてはいけない。


 玉に紐を括り付け『きぎし』に託した、出来るだけ遠くへ捨てて来てくれと頼む。

 『きぎし』は紐を掴むと、力強く羽ばたいていった。


 木々の間から現れた鬼の頭領は怒りに打ち震えている。

 『きぎし』がいない今、俺と『はやたろう』『まさるさん』だけで立ち向かわねばならない。


 前回同様、攻撃を喰らえば一撃で沈む、その緊張感の中戦いが始まる。

 山の木や地形を利用できる分、少しだけ戦いやすい。


 前回同様、長丁場の戦いとなり、逃げる事に体力を使っていた俺が先にガタが出始める。

 まずい、このままでは――


 回避が一瞬遅れ、鬼の攻撃で飛び散った石の破片を頭に受けてしまう。

 額からの出血、くらむ頭に思わず膝をついてしまう。


 『はやたろう』と『まさるさん』が俺に近づかせまいと援護に入る。

 その時、鬼の頭領が突如苦しみ始めた。


 赤黒い肌から黒い部分が煙のように立ち上り始めたのだ。

 頭領が生きているうちから黒鬼まで出てくるようでは完全に勝ち目はない。


 諦めかけたその時、黒い煙は形をとることなくシュウシュウと音を立て消えていった。

 『きぎし』がやってくれたのだ。

 

 俄然、体に力が漲って来る。

 いよいよ、最後の戦いが始まる。

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