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鬼を攪乱

 ほっとしたのもつかの間、ケーン! 『きぎし』からのさらなる警告。

 鬼達の後続が押し寄せてきていた。


 ざっと見ただけでも20体近い、残りの鬼ほぼ総勢繰り出して来たか?!

 最初に脚を斬ったやつが息のあるうちに仲間を呼んだのかもしれない。

 

 これは纏めて倒すチャンス。

 普通なら勝てない数の差でも、この山の中なら話は別だ。


 迫りくる鬼の軍団、俺は逃げまどった挙句、狭い崖のふちに追い詰められたかのような恰好になった。

 鬼達は獲物を追い詰めた心算でいるようだ。


 追い込んだつもりいる鬼は、狭い崖にそのでかい図体をギュウギュウに並べて迫って来る。

 その時――


 『きぎし』が鬼達の頭上で袋に入っていた赤い粉をまき散らした。

 

 ウグウウウアアア!?

 ギャアアアア!


 真っ赤に充血した目からボロボロと涙をこぼし、もだえ苦しむ鬼ども。

 鬼の目にも涙作戦は大成功だ!


 先頭にいた鬼が良く見えていないだろうに、やけくそで体当たりを敢行してきた。

 その意気や良し! だが……。


 俺はサッと崖に身を躍らせる。ちゃんと前もって命綱を準備していたのだ。

 目当ての俺が居なくなり、突っ込んできた鬼は、空しく崖から落ちて行った。

 

 『まさるさん』が悶える鬼どもの足元に蜂の巣を投げ込む。

 ブンブンと怒り心頭の蜂が飛び出し鬼どもに襲い掛かった。

 

 黄色と黒は勇気の印。泣きっ面に蜂作戦だ!


 オオオオオオ!

 グオオオオオオオオ!

 アアアアアアア!

 

 無茶苦茶に暴れる鬼が勝手に崖から落ちたり、隣の鬼を突き落としたりと自滅していく。

 

 俺は命綱を伝い崖下へと降りた。

 鬼が生きていた場合、きちんと止めを刺しておく必要がある。


 かなりの高さがある崖だったが、鬼の頑丈さと生命力は大したもので息のある鬼が低いうめき声を上げていた。

 猿正宗を抜くと、確実に止めを刺して回る。慈悲は無い。

 

 仕事を終え、崖に戻ってみると、落ちなかった鬼も『はやたろう』と『まさるさん』が仕留めていた。

 流石、頼りになる仲間だ。

 

 この戦いでかなりの数を倒せた、これは大きい。

 住処に残っている鬼がいたとしても片手で数えられるくらいになったはずだ。


 このまま勢いに任せて攻めるべきか、今すぐならまさか鬼の軍勢が全滅したとは考えていない残りの奴らに奇襲をかけることはできるが……。

 残念なことに今日の戦いでなんだかんだと、かなりの体力と神経をすり減らしてしまっていた。

 

 俺は山奥の拠点に戻ると、ひと眠りすることにした。

 今から眠れば夜半頃に目が覚める。


 夜は『きぎし』が活動できないが、鬼の住処にちょっかいをかけてみるのも悪くない――


 そんなことを思いつつ、夢の世界へと誘われていった。

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