隠密作戦
夜の闇に紛れ鬼ヶ島へとたどり着いた。
どこが目立たない場所かは何度かの挑戦で頭に入っている。
山に入ってすることは、罠づくりだ。
材料は、廃村から集めて来た縄、網、銛等々。
樹上の作業は『まさるさん』に任せて、俺は地上の罠づくりに専念する。
鬼どもは基本的に山にはあまり入ってこないが念のため『きぎし』には上空偵察を頼み、『はやたろう』には臭いなどでの警戒をしてもらっている。
いくら鬼でも仲間が減って行けばいつかは不審に思い、気づかれて最後は山中でのゲリラ戦に必ずなる。
ここでの備えが全てを決めると言っても過言ではない。
山の地形を把握しているとはいえ、複数仕掛けた罠を全て把握して立ち回るのは難しい。
そういうわけで樹上で作業してくれているのが『まさるさん』だ。
罠を仕掛けた場所の木の上に目印を残してくれているのだ。
木の上なら鬼からは見える事が無い、俺だけが正確に罠を把握しつつ動けるって訳だ。
たっぷり3週間が過ぎ――
鬼どもの来園を今か今かと待ち構える、桃太郎ランドが完成していた。
さあて、作戦は第2段階。闇討ちの時間だ。
『きぎし』が上空を回り、単独行動をしている鬼を探し出し、俺たちがそれを始末する。
俺の村へ来た赤鬼のように、単体で行動している鬼は結構いた。
今日も1体仕留め、死体を崖から落とす。これで谷底には4体の鬼の死体が積み重なっているはずだ。
そんなある日。
『きぎし』の合図を受け、いつものように忍び寄っていくと、鬼の様子が少しおかしい。
辺りを気にしながらどこかへ向かっている。
俺たちの存在までは掴んでないものの、異変が起きている事には気が付いたか?
鬼が向かっている先は開けた平野で、鬼の住処からも船着き場からも外れた場所だ。
これは罠かもしれない。
小細工をしない鬼にしては珍しい行動。俺は様子を見てみることにした。
遠目からでは殆ど点にしか見えない鬼が、平野に鎮座する大岩の辺りで完全に姿が見えなくなった。
なんと『きぎし』も見失ったようだ。
これは益々怪しい。俺たちはじっと待ち続けた。
待つと時間が長く感じてしまう。どれくらい経っただろうか? もう引き返そうかと思い始めた頃、大岩の辺りに突如鬼が現れた。
やはりあの辺りに何かある。
引き返していく鬼を見送り、大岩の下へと足を運んだ。
近づいてみると岩は本当にデカイ。
ぐるりと一周するのに1分近くかかった。
こんな大岩が平野にポツンと置かれいるようにあるのは、どうにも不自然に思えた。
何か秘密があるはずだ。
そう思っていたところ『はやたろう』が何かを見つけたようだった。




