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鬼ヶ島前哨戦

 周辺に他の鬼影なし――

 

 いつしか日は落ち、鬼達の宴会もますます調子に乗ってきているようだった。

 鬼はそれぞれ、赤鬼、青鬼、黄鬼だ、信号機か。

 

 青鬼が立ち上がると、千鳥足で物陰の方へと向かって行った。

 用でも足すのだろうか? 何にせよ、これは絶好の機会到来というやつだ。


 『きぎし』がケーンケーンと鳴き声を上げて飛び回り、残った鬼達の注意を引く。

 

 その間に、俺と『まさるさん』は息を殺し、単独行動をしている鬼の背後に忍び寄る。

 立ちションをしている青鬼の背後は隙だらけだった。


 『まさるさん』が青鬼の背後に飛びつくや否やその口を塞ぐ。

 慌てる青鬼に素早く近づくと、猿正宗をズブリと突き立てる。


 ムグググ!


 口を塞がれた鬼は、悲鳴を上げる事もできず倒れた。

 倒れた鬼を建物の壁にもたれかけさせる。


 明かりの無い夜。上手い具合に、あいつらの場所からは遮蔽物もあって近づいてこないと見られない。

 来たとしてもぱっと見では、酔いが回って寝ているように見えるだろう。

 

 戻りが遅い青鬼の様子を見に、赤鬼がこちらへやって来た。

 壁にもたれかかる青鬼に気が付き、そちらへ近づいていく。


 異変に気が付いて足を止めた赤鬼に、言わ猿プロトコル発動。

 やつら酔っているせいで反応が遅れる。青鬼に引き続き、赤鬼も仕留める事が出来た。


 残るは黄鬼。


 俺と『まさるさん』が物陰から姿を現して近づいていく。

 俺たちに気が付いた黄鬼は何が起こっているのか理解できていないようだった。


 仲間がやられたとは夢にも思っていないのだろう。

 やつらはそれだけ人間を舐めている、腹立たしいがそれは隙であり、俺たちには好機だ。

 

 舐めているとはいえど、流石に座ったまま近づくのを許すまではしなかった。

 黄鬼は足元にあった金棒を手に取り、立ち上がると俺を睨みつける。


 俺たちに注意が向いているその背後から、白い影が襲い掛かる。

 今まで出番がなかった鬱憤を晴らすかのように『はやたろう』が黄鬼の首筋に牙を突き立て、噛みちぎった。


 グアアアアア!


 大量の出血。悲鳴も盛大にあがるが、駆けつけてくる鬼は居ない。

 金棒を手放し、逃げ出そうとする黄鬼。


 だが今度はその足首を『はやたろう』に狙われ、バタリと倒れる黄鬼。

 逃げられないと悟った鬼が、手あたり次第、石だの砂だのを投げつけてくる。

 

 死にかけのくせに結構な速度で飛んできていたが、徐々に力がなくなっていき……やがて静かになった。


 ――


 複数の鬼を相手にするのは極力避けねばならない。


 鬼ヶ島には経験上30体は鬼がいた、とてもじゃないが一遍に相手取る事は出来ない。

 1体ずつ見つからないように倒していくのが最善。


 存在がバレた場合は山中でのゲリラ作戦だ。

 地形についてもかなり頭に入っているので、事前の罠設置も抜かりなくやれる。

 

 今回は頼もしい仲間たちが居るし、勝算は十分ある。

 

 鬼が乗って来た舟を奪い、月明かりを頼りに鬼ヶ島へと漕ぎ出した。

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