ランキングシステム
「うぇ〜〜い!本日も白豚ちゃん登場〜〜!」
「やめろっつってんだろバカちーず!!」
朝の教室、にぎが机に額をぶつけながら暴れていた。
「マジありえんからな!?『なんか臭そう。でも顔は可愛い』って書かれて、どっちにも救いないのどういうこと!?なあ!?」
「いや……顔は可愛い、は褒めてるやん?」
「その前が全てを台無しにしてんだよ!!」
「ねえにぎ、においは実際どうなの?」
「いちゅきまで乗ってくんなや!!!」
まさとが静かにノートをめくりながらポツリ。
「まぁ……“可愛いけど臭そう”って、矛盾してるようでネットでは成立するんだよな。
“人間的リアル”ってやつ。わかる?」
「うるせぇよ!なんでお前だけ冷静に悪口を解説してくんだよ!!」
「でもあれでしょ?リスト載ったってことは、注目されてるってことじゃん?」
「ちーず、お前まさか……羨ましいのか?」
「いやまぁ……多少は……くっ、先を越された……!!」
「白豚目指すな!!!」
「てかさ」いちゅきがスマホをぽちぽちしながらつぶやく。
「最近“学園ランキング”ってのもみんな気にしてない?なんか見てる人増えてる気がする」
「え、あれって非公式でしょ?でも……地味に順位出てるんだよな、にぎ48位って」
「その情報出すなァァァ!!」
「人気・バトル・話題性・あと掲示板の書かれっぷりもポイントなんだってよ」
「え、じゃあ俺は!?」
「ちーずは今現在……えーっと……“圏外”。」
「圏外ぃぃぃ!?邪王様と行動を共にしてるというのにィィ!!」
「逆に下がってる説あるよね」
「ちょっとまって、こっち“とんぼ”……というか邪王真眼……12位だって」
「さすが邪王様〜!」
「フッ……当然だ。漆黒の力は評価されてしかるべきだからな」
「“ちょっと痛いやつ”ってコメントも添えられてるけど」
「誰だ貴様ぁ!!」
「てかさ、1位ってさ……『渋谷りつ』って名前になってるけど、誰?」
「え?知らん」
「見たことない」
「噂すら聞いたことないんだけど」
「いや、逆にすごくね?顔も出さずに総合1位って」
「え、ステルスランカー……?」
「“りつ”って名前可愛いのに、情報ゼロなんだよなぁ……。
ねえとんたん、そいつ倒したら一気に1位じゃない?」
「ふむ……渋谷りつ……“影の頂点”か……。
よかろう。その名、いずれ闇に引きずり込んでやろう……!」
「その発言でまた“痛い”票入りそうなんだけど」
「やめて!!とんたんの評価が!!!」
「うるせぇ!この厨二が1位に輝いて何が悪い!!」
【つづく】