危険人物リスト
うわあああああああ!!!!!
廊下に響く絶叫。スマホ片手ににぎがキレてる。
「誰だよこれ書いたやつ!? “白豚”ってマジふざけんな!? “なんか臭そう”って何!? ってか最後に“顔は可愛い”って書くことで許されると思ってんの!?」
その後ろから、マントがひらり。
「……ククク。これでお前も有名人だな。」
「うるっせぇよとんたん!!タイミング完璧すぎてムカつく!!」
「“危険人物リスト”…こんなものが存在していたとはな。学園の裏、侮れん……」
「知らなかったの!? これ、名前載った瞬間に全チャットで広まんの! “にぎり飯白豚説”で1スレ消費されてるんだけど!?」
「白豚スレ…それはそれで称号だろう」
「お前はにぎの敵か!?」
「違う。……ただの観客だ」
「冷たい!!とんたん、ねぇ…慰めてよ……」
「……何だその目は。“かまってモード”か?」
「うん。にぎ、落ち込んでる……」
「……フッ。くだらん。だが仕方ないな。まぁ……少なくとも、白豚ではない。」
「慰め方雑!!でもまあ……ありがと……ってか白豚言うなや!!」
「ほら、見ろ。“顔は可愛い”という意見もあったではないか。世間は矛盾に満ちている」
「一番矛盾してんのはその受け止め方だよ!!!」
「む……この掲示板……他にも奇妙な名が……」
「ん? あー、それ“なつやすみ食べたい”と“ミジンコ”ってやつだ」
「“なつやすみ食べたい”……もはや概念。人間ではないな。時空を食らう存在……」
「厨二フィルター強すぎだって……」
「“ミジンコ”……透明でつかみどころがない。……掲示板に潜む最凶の存在……」
「もうただの微生物の紹介じゃんそれ」
「……面白い。この“掲示板”……まだまだ闇が深そうだ」
「にぎはもう関わりたくない……けど、ちょっとだけ気になるのも悔しい……」
「では決まりだな」
「いや決まってない。何も決まってない!!」
「よし、リストの真相を暴く。にぎ、貴様を晒しの呪縛から解放してやろう」
「んもう、とんたんったら……結局巻き込んでくる〜〜」
「ついて来い、我が相棒、“白き飯”よ」
「それだけはマジでやめろってば!!!」