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ランダムチャット学園  作者: とんぼ
学園生活の始まり
5/65

〜邪王真眼、無双の果てに孤高(勘違い)へ〜


「我が名は……邪王真眼。貴様のチャクラを断ち切り、魂を闇の彼方へと送る!」


バトルフィールドが展開されるたびに、その声は高らかに響いていた。


雷鳴と共に現れる漆黒の刃。

重力がねじ曲がるような威圧感。

敵は一撃で吹き飛び、戦闘終了時には必ずこう締めくくられる——


「……闇のとばりは、すでに降りているッ!!」


——沈黙。


《◯◯が退出しました。》

《バトル終了。勝者:邪王真眼》


 


***


「最近のとんぼ、バトルの演出にさらに磨きかかってない?」


「いやもう……厨二って言葉すら超えてるよね。あれは“闇の文化財”……」


「この前なんか、**“ダークネス・リザレクション・フェイズ・オブ・オメガ”**とか言ってたぞ」


「え、何それ技名?コース料理?」


生徒たちが小声でざわつく中、邪王真眼はひとり、学園の渡り廊下をゆっくり歩いていた。


マントをなびかせながら、口元には自信の笑み。


(……この学園において、俺に敵う者は……いない。

バトルにおいては、俺はすでに“完成された存在”……)


すれ違う生徒たちの視線を、自分への畏敬と信じて疑っていない。


「なんか、すごいよね……あそこまでやりきれるって」


「むしろちょっと羨ましい……鋼のメンタル……」


彼の背後でひそひそと交わされる“称賛(?)”の声にも気づかぬまま、邪王真眼は一人、空を見上げた。


「今日も世界は……救われたな」


マジの顔で言ってた。


 


***


放課後。談話スペースにて。


「おつかれ〜〜〜、とんたんバトルまた勝ったらしいねぇ」


「……ああ、また一人、闇の深淵に落ちていったな……」


「うんうん、マジでカッコイイ〜(※棒)」

にぎり飯がスマホ見ながらテキトーに返す。


その横で、ちーずが静かに燃えていた。


「邪王様の美学が理解できぬとは……世の中、愚か者ばかり……」


「いやお前も“ダークネス・すべり・モード”入ってたやん」


「うるさい!!」


遠くで聞こえる、まさとの溜息。


「また“あれ”やってたのか……言葉は強いけど、現実との乖離が拡がっていくやつだな……わかる?」


「うるせぇ!!誰が乖離だ!!俺は統合されし混沌だッ!!」


「それってたぶん医学的にアウトな言葉だよ……?」


——そんなこんなで、

邪王真眼の名は、今や学園中で“最強ただしイタイ”の存在として知られるようになったのであった。


【つづく】


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