第七帖:コモドドラゴンに会いに行こう! 下巻
ゴリラ・チンパンジー舎とコンドルの檻から少し登ったところ。これまで別の動物が過ごしていた古い獣舎の近くに、「コモドオオトカゲ観覧者はこちらにお並びください」の貼り紙が貼られたコーンが立てられている。この場所に、コモドオオトカゲがいる。目と鼻の先である。
呼吸を整え、一歩足を進める。空調設備と生態を伝える大きな展示パネルがかけられていた。
インドネシアに生息するコモドオオトカゲは、現地では恐ろしい生物として知られている。なにせ、毒を持つ、巨大で、獰猛な最終捕食者である。しかし、ここは動物園。爬虫類特有の見事な鱗と、ゆったりとした威厳に満ちた佇まいを見ることができるだろう。
コモドオオトカゲ最大の特徴は、ヘモトキシンと言われる毒を鋸状の牙の中にある細かな毒腺から排出する点であり、傷ついた部分が止血できなくなり、獲物を失血死させてしまう。この恐ろしい力と鋭い爪を用いて、獲物を捕らえるのである。
また、彼らは交尾による繁殖のほか、単為生殖も行うことができるという珍しい特徴もあるのだという。さすがに雌ではないので、タロウ君と言われるこの個体には出来ないと思うが、このような人間にはない生態も、コモドオオトカゲの持つ独特な魅力と言えるだろう。
硝子越しに見えるコモドオオトカゲを見ようと、来園者たちは硝子にびっしりと群がっている。カメラのシャッターを切る音、硝子に貼り付いてみる親子の姿。その向こうには、倒木と段差、石を設置した砂地がある。そこに深い緑色の草を添えて、見事に硝子越しに異国を表現している。
おぉ・・・。デカい・・・。
イグアナを彷彿とさせる、ゆったりとして威厳に満ちた佇まい。そっと瞬きをする仕草すら、貫録を感じられる。灰緑色の鱗の、乾燥したような得も言われぬ色彩。長く太い尻尾と、体から突き出した太く短い脚は、愛くるしさすら感じられる。ちょろちょろと長い舌を出して獲物を探す仕草も、どことなく愛嬌がある。
恐竜を思わせるヴィジュアルである。これこそ爬虫類の魅力・・・。その魅力を詰め込んだ生物だ・・・。
来園者たちの隙間からそっと手を伸ばし、撮影をする。厳つい横顔の中で輝く黒い瞳が美しい。
この、コモドオオトカゲには、こんな逸話があるそうだ。王女が生んだ双子の兄妹の妹がコモドオオトカゲであったというものだ。兄は人間として育てられ、妹は森で育った。二人は後に再開し、襲い掛かろうとした妹の前に、王女の霊が現れて、二人に真実を伝えたという。
現地では、恐ろしさと共に、人間との関係を伝えられる逸話だ。
そんな彼らも、餌の減少と害獣としての駆除で、徐々に個体数を減らしている。優れた捕食者であるために、彼らにとって生息地と餌の減少は死活問題であるはずだ。
人間としての視点に立った時、彼らのような危険な生物は、出来ればいない方が良いのかもしれない。それでも、彼らは増えすぎた動物を狩ることで生態系のバランスを取る最終捕食者である。この絶妙なバランスを守るためには、簡単に、切り捨てて良い生物ではない。未来永劫とはいかなくても、せめて人類のために絶滅するという悲しい別れはしてほしくない。私は切に願っている。
さぁ、目的は果たした。展示の出口へ向かうと、大きなトカゲの写真を写した記念撮影用のパネルがある。たまたま親子が記念撮影をしているのに出くわし「ファァァァァァ―!オゥッオゥッオゥッオゥッ!!!」
いやフクロテナガザル君うるせぇ!少しは感傷に浸らせろ!
かなり下の方にいるはずなのだが、彼らの声は非常に遠くまで響く。個性豊かな動物の魅力に改めてきづか「ファァァァァ!オゥッオゥッオゥッオゥッ!!!」
・・・されるね。どうも。
さて、帰路につきつつ色々な動物を見て回ろう。まずは道すがらいるクロサイ、カバ、コビトカバだ。サイと言えば、キタシロサイの逸話を思い出す。サイの角は漢方にも用いられるほか、装飾品として高い人気がある。希少で高価な商品であるため、密漁ら乱獲が絶えず、そうして個体数は激減していく。キタシロサイは、現在、最後に確認されたオスの個体が死亡し、メスの二頭を残して絶滅が確定している。
凍結したオスの精子を用いて、人工的に絶滅を回避する道は残されているが、最早野生には存在が確認されておらず、もし成功しても、ここから先の遺伝的多様性は完全に消え去ってしまう。この先、人間はまた、悲しい別れを経験することになるのだろう・・・。
その一方で、コビトカバは、古代の生物の遺伝子を今に残した「生きる化石」である。彼らは小柄で愛らしいカバで、この時は水の中で二匹が柵越しに寄り添って過ごしていた。
一方のカバが、前脚を柵から伸ばして、もう一方の個体の背中に当て、水の中に押し込もうとしているように見えた。極道もびっくりの卑劣な犯行である!
と思っていた矢先、隣で観覧していた家族連れの女の子が一言。
「ねぇママ、カバさんがなでなでしてるよ」
・・・なんか、ごめんね?
さて、思わぬところで己の心の穢れを感じてしまったところで、今度は長い階段を上り、自然動物館へ。東山スカイタワーが聳えるすぐ隣にある建物で、夜行性の動物たちや爬虫類・両生類などを多数飼育・展示している施設である。ナイルワニなどの見応え抜群の猛獣から、ゼニガメにトノサマガエル、アオダイショウなどの親しみ深い動物たちを見ることができる。中でも名高いスローロリス君は必見で、ネットを騒然とさせたあのゆったりとした動きを間近で見ることができる。刮目してみて、どうぞ。
そして、私のお気に入り動物が、自然動物館の入り口にいる。アルダブラゾウガメ。ガラパゴスゾウガメと並んで、乱獲の被害に遭って個体数が激減してしまった、非常に珍しい巨大なゾウガメの一種である。乾燥した地域に住んでいるため、石の上などに溜まった水溜りから水を飲むために、細長い顔と口を持つ、ゆったりとした生き物である。
もう何がかわいいかというと、とにかくご飯を食べる姿がたまらないのだ。のっそりと動き、一生懸命草や果物に近づいていき、細くて大きめの口を開いてもぐもぐと咀嚼するのだが、動きがゆっくりとして、食べた物がぽろぽろと口から零れてしまう。一生懸命頑張ってご飯を食べる姿がたまらなく愛らしくて、もう、何というか、ずっと見ていられるのだ。
この時も、草をもしゃもしゃと咀嚼しながら、全然口に入って行かないのがとてもかわいい。でも、ご飯は大好きらしく、頑張って口の中に入れては口を開いて咥え、咀嚼しながら地面に零して・・・を繰り返す。
もう、辛抱堪らないかわいさである。この様子を中継して、世界中に届けて欲しい。うぅん、カワイイ!カワイイ!
・・・さて、帰路につきがてら、主要な動物たちも見ていくとしよう。
階段を降りて真っ先に現れるのが、ネコ科の動物が多数飼育されているエリアである。ユキヒョウやマヌルネコ、サーバルキャットなど、全国の猫好きが発狂しそうな愛らしい動物たちが飼育されている。
暑さのせいでみんなちょっと夏バテ気味なのだが・・・。
さて、いま、屋内からひょっこり顔を出しているのが、サーバルキャットだが、サーバルキャットと言えば、『けものフレンズ』を思い出した方もいらっしゃるだろう。実は私、あの作品で感動したことが結構あり、というのも、サーバルキャットの体形が、きちんと足腰が強く長く、長い耳と足腰に対してやや小さめの顔など、生物の特徴が捉えられている事だ。特に、ジャンプ力に優れたしなやかで長い脚は特徴的で、随所に動物への「愛」が散りばめられている。その実物を、檻越しとは言え見られるのは、動物園くらいしかない。得難く心躍る経験だ。
さぁ、この檻の連なるエリアの最後には、ラーテル君がいる。ラーテル君は獰猛で喧嘩っ早いイタチ科の動物で、分厚い背中の皮膚ととげとげとした体毛は、この命知らずな喧嘩屋の強みである。黒い体毛に身を包み、いかつい白のたてがみを流した姿は、とても獰猛には思えないが、まさかの遭遇したライオンにタイマンを挑む勇者である。高い防御力を生かして、ライオンが諦めるまでイキリ散らかすその姿はまさに世紀末そのものである。
このラーテル君、キングコブラの毒にも耐性があるらしく、滅茶苦茶昏倒したら目を覚まして普通に生活を始めるらしい。とんでもない防御力である。
そんな見た目のわりに厳つい生き物がちょこまかと動き回る姿を楽しんだ後、避暑も含めてアシカ・アザラシ・ペンギンたちの飼育場へ。
ここで飼育されているのはイワトビペンギンとジェンツーペンギン。イワトビペンギンはきりりとした睫が特徴だが、ジェンツーペンギンは目の付近にある白い模様が特徴的だ。楽し気に水の中を泳いだり、よちよちと地上を歩く姿はとても愛らしい。自由気ままに水の中を泳ぎ回る姿は、まさに水中を飛ぶ姿に近い。
この辺りは、やはり人気の動物たちも多いので、人も大いに集まる。
そんなアシカ飼育場の隅に、隔離されたアシカの姿がある。年老いて目が悪くなり、他のアシカたちと共に生活ができないため、こうして隔離されているらしい。飼育も長く続ければ、自然とこうした個体が出てきてしまうのだろう。それでも、最期まで見届けるのが共に生きる動物への礼儀だろう。同じ生き物として敬意をもって接したいものだ。
さて、エミューに挨拶をして、シロク「アウ、アウ、アウ、アウ!!!」。
いやアシカうるせぇ!!水に入る音までビッグサウンドである。こういう鳴き声を聞くと、いちいち笑ってしまうからいけない。
・・・シロクマ舎へ。シロクマの近くには沢山の観覧者が集まっていて、スロープから柵越しに動き回るシロクマの姿がある。屋内へ入ったかと思うと、水浴びに戻ってきて、水浴びに戻って来たかと思うと、すぐに屋内へ・・・と繰り返し動き回る。撮影には大変苦労したが、この落ち着きのなさがかえって愛嬌がある。
スロープを登り切った先には、キリンが飼育されている。柵は低く、キリンの首は長い。アミメキリンに向かってベンチが並んでおり、ここでお茶を飲みながら一休みをする。
キリンと言えば、思い出すのは喧嘩中に発情してしまうことである。驚くべきことだが、首をぶつけ合って喧嘩している間に、怒りのボルテージが上がって、オス同士で発情し始めるらしい。何も起こらない筈はないのだが、もちろんここで言うのは憚られる。
こうした、動物界での同性愛は意外とあるらしく、キリン以外にも羊やペンギン、霊長類でも確認されているらしい。研究が進んでいないので良く分からないのだが、動物界にも秘めた思いを抱く個体がいるのかもしれない。
水分補給をしてコアラ舎へ。コアラは生涯を通してほとんど眠っているのだが、ご飯の時だけは活動的になる。ユーカリの葉(葉だけでは認識しないらしく、枝についた葉)を交換している間、コアラはかなりアクティブに動いていた。
彼らは餌であるユーカリの毒を解毒するためにかなりのエネルギーを使っており、脳や運動にエネルギーをあまり割こうとしない。見た目こそ可愛らしいが、声にせよ生活にせよ、かなりギリギリチャレンジャーなのだ。
私が行った時も、コアラは幹にしがみついてうつらうつらとしている。ただ、間もなく餌の時間ということで、ワクワクして目を覚ましている個体もあった。
やがて、飼育員たちが餌を運んでくる。コアラたちの動きが俄かに活発になる。ささっ、と餌場の近くに近づいて、ユーカリの葉が交換されると同時にがっつき始める。何というか、ニー・・・いや、何でもない・・・。
コアラ舎から、そのまま植物園方面へ。湖畔を脇に眺めつつ、日本の在来種が飼育されているエリアへ。狸が多数飼育している狸の里では、お昼寝をしている狸たちの集団が。くぅぅ、可愛い・・・。また、彼らの隣にはムジナが飼育されている。同じ穴の狢などということわざもある通り、彼らはよく似ている。そうした説明も掲示されており、見分け方も併せて展示されていた。
また、奥へ進むとホンドサル舎とカモシカ舎がある。カモシカと言えば何となく神秘的なイメージがあるが、カモシカは好奇心が強く、人間の声などを聴くと様子を見に来るらしい。この時も、柵越しにカモシカがこちらを覗き込んでおり、神秘的な雰囲気があるにもかかわらず、実際は「人間さん来た☆」といったテンションで顔を出してくれていると思うと、何とも愛らしい。
一度戻り、鳥類を展示しているエリアへ。なんと柵越しでなく間近に孔雀などを見ることができる。煌びやかな羽根を広げて、優美に歩く孔雀。孔雀と言えば、ギリシャ神話の女神ヘーラーの使いであるが、孔雀の生息地はアジアであり、ヨーロッパ世界には馴染みがない。どうやらマケドニアのアレクサンドロス大王が東方遠征をした結果、ヨーロッパ世界とアジア世界が繋がり、その際に孔雀がヨーロッパで知られるようになったようである。つまり、原初のヘーラーは孔雀を知らない可能性すらある。こういう話を聞くと、神話の受容史と動物との関わりに思いを馳せずにはいられない。
さらに、鳥の展示エリアを抜けると、いました。ダチョウ先輩である。胡桃大の脳しか持たず、体は恐ろしいほど健康で、肉が見えようが自然治癒力と気合で治してしまう筋金入りの風邪ひかない系男子である。難しいことはわかんねーけど、真理を言い当てるタイプの友人枠だろう。
ただ、彼の頭脳は次元が違っており、家族が入れ替わっても気づかないし、人間が乗っても数秒後にはそれを忘れて日常生活を始める猛者である。しかし、フィジカル面は鳥類だけでなく動物界でも上位に食い込む怪鳥であるため、「知は力なり」とかイキっている人類の愚かしさを思い知らされる。
この時は、檻の中を出たり入ったりと不思議な行動をとっていた。何がしたいのだろうか。・・・彼らすら知る由がないのかもしれない・・・。
さて、入り口へ戻りつつ、クマ舎へ。クマは、日本最強の捕食者であり、荒々しくも丸い体格が愛らしさのある、独特の魅力のある動物である。比較的大人しいマレーグマから、ツキノワグマ、さらに、日本最強の捕食者であるエゾヒグマまでが飼育展示されている。
彼らは檻の中で餌を食べていたが、ボールが隅に転がっており、先程までボール遊びをしていたのが分かる。檻越しに見れば丸くて可愛らしいのだが、その体格は私では見上げなければならない。とんでもないビッグサイズで、調べてみると200kgになるらしく、私の四、五倍近いビッグサイズである。これが立ったらと思うと、恐ろしい・・・。
さらに、戻り、レッサーパンダ舎へ。二匹のレッサーパンダがちょろちょろと動き回っている。尻尾が長く、ご機嫌な様子でこれを振り回していた。
そこから戻り、ペリカンとフラミンゴが展示されているエリアへ。フラミンゴと言えば、彼らの体毛は餌の色素が影響しているらしい。結構な個体数を飼育しており、水場で片足を上げる特有の佇まいを楽しむことができた。
百獣の王、ライオンを見逃すわけにもいかないだろう。この時は、見事な鬣のライオンが、岩の上で寛いでいた。鬣があるのでオスだ。その貫禄と余裕が、百獣の王たらしめるのだろうか。大きな欠伸をし、前脚を枕に瞼を閉じる。硝子越しの人間達のことも一顧だにしない。さて、この時、父親と男の子がライオンを見ていたのだが、硝子越しにいるライオンも、育児パパだったりする。狩りはメスの仕事であり、仔ライオンの子守をするのが立派な鬣のオスライオンなのである。人類とライオンの、パパ同士の対面。どんな子育てトークが見られるだろうか。
などと、くだらないことを考えながら、再び戻ってカンガルー・ワラビー舎へ。何と、彼らはかなり近くから見ることができる。アンニュイな長い睫のワラビーと、休日のおじさんめいたカンガルー。カンガルーは昼下がりの陽気に眠くなったらしく、テレビの前にあるソファよろしく寝転がっている。面白いことに全員このポーズである。腹を後ろ脚で掻いたり、尻尾で地面を軽く叩いたりしながら、そのパッチリ睫の下にある目をとろんとさせて寛いでいる。この、カンガルーの何とも言えない面白さは何なのだろう。実家に似た感じの人がいるからなのだろうか。
カンガルー舎から少し遡ると、ゾウ舎がある。東山動植物園は、かなり古くからゾウを飼育飼育しており、戦時中には彼らの脱走の懸念から危機的状況に置かれたのだという。こうした、歴史深い動物園らしい展示が面白いところで、また考えさせられる。
この時、ゾウ達は檻の中で飼育員から手渡しで餌を貰っていた。背後にはとんでもない量の餌と糞の展示がある。
大好きな林檎を手ずから受け取って、鼻をくるくると引っ込めながら、口の中に放り込む。ゾウの餌やりは見応えがある。彼らは賢く、長い鼻を自在に操ることができるので、その動きをつぶさに観察できるのが、餌やりのタイミングである。私はかなり運が良かったと言えるだろう。しっかり写真に収めさせてもらった。
さて、ついに入り口付近まで戻ってきてしまった。朝から来園して、時刻は既に4時前。あと1時間もすれば閉園だ。動物園はコストパフォーマンスが凄まじく良いと、毎回感心させられる。
そろそろ帰ろうと思った矢先、一人の子供がコモドオオトカゲの縫い包みをだっこしてよちよちと歩いている姿が・・・。
・・・か、かわいい!お持ち帰りしたい!!私はお土産屋へと走った。
コモドオオトカゲの縫い包みがずらりと並んでいる。舌をちょろりと出して、つぶらな瞳を輝かせている。
ああ^~かわいい^~。私は無事、縫い包みをお持ち帰りした。
最後に、動物園の会館に入って、旅の結びとしよう。
ここで展示されているのは、飼育されていた動物たちの剥製や、骨格標本などである。受付で寄付をすることもできる。
そして、展示を眺めている時に、不意に懐かしいものを目にしたのである。
かつて、『絶滅動物研究所』という展示があった。その際に、再現された絶滅動物ジャイアント・モア先輩がそこに佇んでいたのである。このジャイアント・モア先輩は、地上でも最大級の飛べない鳥である。
絶滅の原因の一つと考えられるのが人類の狩りであった。ニュージーランドに移植した人類が焼石を用いて、砂嚢(いわゆる消化器官で、ここに小石などを溜めて草などをすりつぶす鳥がいる)に溜める習性を利用したのである。お腹の中に熱い石を蓄えてしまった先輩は苦しみながら力尽き、彼らの食料として、あるいは、ヨーロッパへと骨を輸出された。ステラ―ダイカイギュウが発見から四半世紀で絶滅したのに対し、先輩は発見から約半世紀で絶滅した。
こうした絶滅RTAガチ勢達の絶滅には、大体人間が絡んでいる。私達は道具を自在に操るが故に、様々な環境に適応してきたが、同時に、様々な環境を破壊して作り替えても来た。人類の繁栄の影に、多くの犠牲があったことは忘れてはならない。そして、未来にも・・・。
懐かしい友人との再会に感動しながら、帰り際に動物園に寄付をして動物園を後にした。
※お持ち帰りしたのはコモドオオトカゲのぬいぐるみです。