第3話 芽生え
第3話は過去回想です。
過去の出来事と転生後を
行ったり来たりしながらストーリーを進めていく予定です。
小便器の中に座らされ、殴られた顔が痛々しいカイトを囲む同級生4人。
リーダー格の男は『カイトのくせに生意気だ!』と言いながら、ホッチキスをカチカチと鳴らしカイト腕をガッチリと掴むと指と爪の間にホッチキスを打ち込む。
「ギャァーーー!」と絶叫するカイトに残りの3人がケラケラと笑う。
「どうだ、これがお前の痛みだ! そして次は……」と言いながらホッチキスをカイトの指につき立てる。
「痛い! もう……やめて下さい」と泣きながら懇願するも、リーダー格は『やだね!お前が心から反省するまでやる』と言う。
それからしばらく同級生たちに殴られ続けたカイトは心の底からこの痛みから逃れたい、同級生がここから居なくなれば良いのにと考えた!
その瞬間、リーダー格の男が目の前から忽然と消えた。
『え?』と困惑するカイト、ところが残り3人の同級生は何事も無かったかのようにカイトの情けない姿を見て笑っていた。
そしてカイトもまた同級生の笑い声を耳にしながら、なぜリーダー格の男が消えたのか?自分が何をしたのか?一切がわからずにその場で呆然としていた。
彼ら3人の素振りからリーダー格の男は初めから存在していないかの様な印象を覚えた。
3人の同級生はさらにカイトを痛めつけようと近づいてくる。
カイトはまた殴られる!!と身構え目を瞑った……『ん?……』
何の衝撃も感じる事も無く恐る恐る目を開けると、そこには誰もいなかった。
「あれ? 僕は……殴られてない?」と呟くカイト。
目の前には、同級生に踏み躙られ、ホッチキスの芯が無数に刺さった自分の右手が見えた。
「えっ!?」と自分の手を見つめ驚くカイト、ホッチキスの芯が消えていき痛みや傷までもが消えていったのである。
『今のはいったいなんだったんだ?』と疑問を口にする。
そして同級生4人はどこに行ってしまったんだろう?そんな事を考えた時、カイトの頭の中に記憶が流入してきた。
記憶の中で同級生4人はまるで最初から存在していなかったかの様に消えてしまっていた。
「これはいったいなんなんだ?」と呟いた俺はふと自分の手や体をマジマジと見つめて見る。そして体のどこかに穴が開き、そこを血液が流れ落ちていく感覚を覚える。
俺はその穴を塞ごうと手をかざしてみるが……そこに穴は無い! しかし再び頭に流れ込む記憶に僕は恐怖を覚えた。
4人の存在を消してしまったのは…この僕だ!
『ねぇ!!ねぇってば!!』
俺を呼ぶ女性の声がする。
慣れないけど楽しいです。
ワクワクします。