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【PV・文字数 100万越え!】マイペースエルフのシードリアテイル遊楽記  作者: 明星ユウ
三章 はじめての公式イベントを楽しもう
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四百三十六話 番外編八 Per asprera ad astra(困難を克服して栄光へ)

※現実世界でのお話です。


※少しだけ飯テロ注意です。


 



 朝の空気に目を覚まし、ぐっと伸びをして眠気を散らす。


 今日も今日とて、日課の散歩をしっかりとこなしながら、その途中で軽く目を通そうと、空中に出した情報の中。


【シードリアテイル】の公式情報をチラリと見て――華麗なる二度見を決めた。


「なん、だと……!?」


 動揺のあまり、どこかのキャラクターが告げるような言葉が口から出たのは、一周回ってむしろ冷静なのかもしれない。


 いやまったく冷静ではないのだが。


 とにかく今は、おかしな発言を訂正する時間も惜しい。

 間違いなく、のんきにゆったりと散歩を楽しんでいる場合ではない、と言うことだけは確かだ。


 それでも運動は大切なので、今日は駆け足で散歩を終わらせ、そうそうに部屋へと戻ってくる。


 そうして改めて空中に展開した、【シードリアテイル】の公式お知らせ欄には……新しい情報が、目立つように書かれていた。


 食べ慣れた朝食を手早く注文しつつ、じっくりと目を通していく。


 まずは、いま開催されている大規模戦闘イベントについて。


 こちらのほうの情報は、イベントの魔物の殲滅具合によって起こる、変化について書かれていた。


 一つは、単純に報酬の変化。

 これは特に、驚くような情報ではない。


 問題なのは、もう一つのほうだ。


「穢れの魔物の討伐状況次第では――舞台である世界の今後の情勢にまで、影響が出る……」


 視線でなぞりながら呟いた内容には、おおいに思うところがある。


 それは以前、レギオン【タクティクス】の面々と一緒に、歴史語りをした際。


 私が一同へと語った内容……すなわち、今回のイベントの結果次第では、今後の冒険にさえ変化が起こる可能性がある、と伝えたあの予想が、本当に的中してしまったのだ!


 これはさすがに、由々しき事態、というやつだろう。


 今日のログイン後は、すぐに【タクティクス】のメンバーと今後の討伐戦について、作戦会議を開くことになるかもしれない。


 注文して届いた朝食――塩加減がちょうど良い、梅のおむすびを口に運びながら、次の情報を確認する。


 次に書かれていたのは、メンテナンスの情報だ。


 今週中楽しめるこのイベント期間後、つまり次の週は、はじまりの日曜日に午前中いっぱいのメンテナンスがあるらしい。


 ふむ、と美味しいおむすびをのみ込み、メンテナンスの内容について書かれた欄を見て、思わず口を開いた。


「新しいフィールド!?」


 驚愕の内容に、慌てて文字の連なりを読み込む。


 衝撃の情報は、いたってシンプルに書かれていた。


 日曜日のメンテナンスが終わった後。

【シードリアテイル】に降り立った、すべてのシードリアに。


 ――新しいフィールドが解放される、と。


 もうこの一文だけで、普段より一つ二つ多く、おむすびがお腹に入る気がしてくる!


 イベントの結果による世界の変化も重要だが、こちらもこちらで、とんでもない新展開だと言えるだろう!


 具体的な情報はまだないが、それはこれから開示されるか……あるいは。


「――メンテナンス後の、お楽しみ?」


 ふっと上がった口角に、私は今、とても楽しげな笑みを浮かべているのだろうと察する。


 どちらであっても、楽しみであることに違いはない。


 おむすびを食べ終え、空中に展開した情報を消して、ログインの準備をしながら思う。


 きっと、この心が弾むような気持ちを味わっているのは、私だけではない。

 むしろ多くのプレイヤーたちにとって、この新情報は胸躍るものであるはずだ。


 であれば、今日の【シードリアテイル】はもしかすると――今までとはまた異なる楽しさが、あるかもしれない!


 準備を終えて、クッションに身を沈めながら、もう一度好奇心に笑む。


【シードリアテイル】がはじまって、十九日目。

 イベントがはじまって五日目、終了までは残り三日。


 今日もまた――【シードリアテイル】へ、ログイン!




※次回は、

・十九日目のはじまりのお話

を投稿します。

引き続き、お楽しみください!


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― 新着の感想 ―
ふふっロストシードさんからその台詞が聞けるとはっ( *´艸`)w そして重要情報とアプデのお知らせ! これはわくわくですね〜っ♪
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