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二百九十九話 攻略系の隣にて

※戦闘描写あり!


 



 食事をゆったりと楽しみ、就寝の準備をしっかりとした後――再び、【シードリアテイル】へとログイン!


 大地へと戻ってきた感覚と共に、胸元でコロコロと転がる感触に気づき、思わず笑みが零れた。


『わぁ~い!!!! おかえり、しーどりあ~!!!!』

「ふふっ! はい、小さな精霊のみなさん! ただいま戻りました」

『えへへ~~!!!!』


 私がみなさんに気づいたことを、喜ぶように嬉しげな声を上げる小さな四色の精霊さんたちは、今回も最高に可愛らしい!!

 ついつい、にこにこの笑顔になりながら、久しぶりに泊まった神殿の宿部屋のベッドから身を起こす。

 見やった窓の外は、深夜の時間を示す闇色が広がっていた。

 水と風、土と闇の小さな精霊さんたちがすぅっと移動して、いつもの肩と頭の上の定位置にぽよっと乗るのを合図に、素早くいつもの準備を開始する。

 各種魔法を展開しつつ、この後は何をしようかと自然と思考を巡らせていく。

 スキル《隠蔽 四》にて、小さな多色と水色の精霊さんたちにかくれんぼをしていただき、〈オリジナル:風をまとう石杭の刺突〉も隠蔽したところで、そう言えばとレベルのことを思い出した。


「そう言えば、今のレベルは三十九でしたね」

『うん!!!! もうすぐよんじゅうだよ~!!!!』

「えぇ……そう思いますと、無性に」


 ――レベル四十に、してみたいという気分に!!

 〈オリジナル:見えざる癒しと転ずる守護の水風〉を展開して、金から白金へと至るグラデーションのかかった長髪がかすかにゆれるのを確認すると、フッと小さく不敵に微笑み、告げる。


「それでは、この後は神々へのお祈りののち――レベルを上げに、トリアの街の外へとまいりましょう!」

『はぁ~~いっ!!!!』


 元気な精霊のみなさんの返事に笑顔を返し、さっそくと宿部屋を出て階下へ。

 精霊神様、天神様、魔神様、それに獣神様と技神様へ順に《祈り》を捧げてから、神殿を出てパルの街のワープポルタがある、最初の噴水広場を目指して大通りを歩いていく。

 たどり着いたワープポルタに手をかざし、一瞬でトリアの街の中央の噴水広場へと到着すると、さっそく石門へと向かう。

 歩きながら、つらつらと脳内で、今回のレベル上げについての方針を決めて行く。

 レベル上げと言えば、自身が勝つことのできるギリギリの、比較的強い敵を倒すことや、あるいは数多く倒すことが昨今のゲームでは一般的だ。

 とは言え、強敵が存在する、現在の最前線であるトリアの森の中央でレベル上げをするのは、私のような攻略系でもないプレイヤーの場合、お邪魔になってしまう可能性が高い。

 であれば、トリアの森の中でも、以前星魔法の訓練をした浅い場所あたりが、私のようなプレイヤーには最適な場所だと言えるだろう。

 もっとも、その場所でなくとも、ノンパル草原や森林にいる魔物より、トリアの街の外の戦闘フィールドにいる魔物たちのほうが、経験値は多い。

 攻略系のみなさんに混ざってしまえば、私のオリジナル魔法もそこまで目立つことはない……はずなので、トリアの草原や森の浅い場所を移動しながらの、戦闘巡行を楽しむとしよう!

 石門をくぐり抜けて踏み入った、少し背丈の高い膝丈ほどの草が広がる草原を眺め、フッと不敵に笑む。


「さて――レベル上げ、開始です!」

『かいし~~!!!!』


 小さな四色の精霊さんたちの声を合図に、タッと軽やかに草原を駆ける。

 他のシードリアのかたがたからは距離を取りつつ、見つけた茶色と緑が混ざった毛色をもつ馬の姿をした魔物、グランドグラスホースを初戦の相手に定めた。

 標的から距離をとって駆けながら、すぅっと息を吸い込み、詠唱!


「〈ラ・フィ・ラピスリュタ〉!」


 小さな土と風の精霊さんたちが現れると同時に、隠していた〈オリジナル:風をまとう石杭の刺突〉の隠蔽を解除して、二種類の素早く飛来する石の攻撃を放つ。

 先に、二色の精霊さんたちが風圧で射出した鋭い石が突き刺さり、遅れて七つの石の杭が刺さると、グランドグラスホースは高くいななく。

 トドメに、すかさず〈オリジナル:迅速なる雷光の一閃〉を発動し、飛来した紫の雷光がバリィ! と音を立てると、初戦の相手は茶色と緑のつむじ風となってかき消えた。

 ――初戦は問題なし! この調子で、油断せずに倒していこう!


 落ちていた魔石と毛束を回収し、次の相手にと狙いを定めていたグランドグラスパンサーとの距離を、しっかりと確保して。


「〈ローウェル〉」


 静かに告げたデバフの魔法が、薄い暗闇の姿で前方の敵へとまとわりつく。

 サッと素早く巡らされた赫い炯眼が、ひたとこちらへと注がれるが、相手が行動を起こす前に――私の魔法が発動するほうが早かった。

 〈オリジナル:隠されし刃と転ずる攻勢の三つ渦〉の発動と同時に、見えざる風の刃と水の針、まだ形を成していない土の杭にて攻撃を開始。

 四方八方から風と水と土の鋭い攻撃を、それぞれ九つずつ受けたグランドグラスパンサーは、それでも私へと襲いかかろうと、脚に力を入れるために身をかがめ……しかし、それより先に、魔法の変転が間に合った。

 攻撃性を有する風と水と土の渦へと変化した魔法が、容赦なくグランドグラスパンサーをのみこみ、かき消す。

 無事に二戦目も勝利し、満足さに笑みが深まる。

 魔石と毛皮をカバンに入れ、お次はと草原にいる二種類の魔物を倒しつつ、今度はトリアの森へと入り込む。

 すぐに緑の毛色のイノシシに似た姿の魔物、フォレストボアを発見して、初手に〈オリジナル:迅速なる雷光の一閃〉の一撃を与え、麻痺状態にしたのち。

 〈オリジナル:昇華一:風まとう水渦の裂断〉と〈オリジナル:昇華一:風まとう氷柱の刺突〉の二種類の魔法を同時に放ち、冷ややかな氷の音と共にフォレストボアをつむじ風に変えた。

 ふっと吐息をつきながら素材を回収して、小さな四色の精霊さんたちに告げる。


「やはりこのあたりの魔物ならば、問題なく戦うことができますね。レベルアップを目指して、たくさん倒していきましょう!」

『いっぱいたおす~~!!!!』


 ぽよっぽよっと肩と頭の上で跳ねる小さな姿に微笑み、気合いを入れ直す。

 この先はひたすらに――狩るのみ!!




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― 新着の感想 ―
[良い点]  祝 300話⭐ レ ベ ル 上 げ ♪ 小さな四色の精霊さんたちのワクワク感が伝わってきてたまりません。 ぽよっぽよっ が可愛らしい。可愛らしい…!
[良い点] 精霊さんたちからのログボもとい歓迎が毎回本当に可愛らしくて癒されます〜✨ そしてレベル39は確かに40にしたくなりますね( *´艸`)w 戦闘モードへ切り替えたロストシードさん…これは次回…
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