二百五十一話 幕間二十六 アトリエ【紡ぎ人】はすごいのです!
※主人公とは別のプレイヤー、ナノ視点です。
【シードリアテイル】がはじまってから、十日目。
今日の夜は、ノイナさんとドバンスおじさん、それにアルさんに、ロストシードさんもそろって、一緒に作品のお話ができてすごく楽しかったのです!!
特に、ロストシードさんが装飾品とポーションづくりを見せてくれた時、ノイナさんとアルさんの反応で、やっぱりロストシードさんがとんでもないかただと、ナノはわかったのです!
でもナノは――アトリエ【紡ぎ人】は、みんなそれぞれすごいと思っているのです。
そもそも、先駆者と呼ばれている存在が、三人もいるだけで、とんでもないことなのです!
よくアルさんがお話してくれていた、ロストシードさんも精霊の先駆者さんですごいと思いますが、そのアルさんだって、エルフ族での錬金術の先駆者さんですし。
それにそれに、ドバンスおじさんだって、【シードリアテイル】での鍛冶の先駆者さんだって言われているの、ナノは知っているのです!
ドバンスおじさんは口下手なので、あまりそういったお話をしてくれないのが、たまにきず、というやつなのです。
逆にアルさんは、とっても上手にお話をしてくれるから、ナノはすぐにアルさんがエルフ族での錬金術の先駆者さんなんだって、わかったのです!
そのアルさんいわく、ロストシードさんは精霊の先駆者さん以外にも、たぶん魔法関連の先駆者さんな気がしてならない、ということですが……。
ご本人は純粋にのんびりマイペースに遊んでいるだけと言っているって、アルさんが教えてくれたのには、さすがにナノも驚いたのです!
だって普通は、先駆者さんってそうなりたいプレイヤーが、そうなるために誰よりもはやくにって、努力して成れるものなのですよ?
思わず今夜はロストシードさんを見ながら、これがいわゆる無自覚系先駆者さんなのですねって、しみじみ~~と思ってしまったのです!
それはそれとして、なのです。
たしかに先駆者さんたちはやっぱりすごいと思うのですが、ナノはノイナさんとナノだって、三人に負けていないと思うのです!
ノイナさんは、細工とお裁縫の二つの技術を学んでいるのに、両方ともすごく上手に扱えていて、とってもすごいですし。
ナノも、模様付けなら一番上手だって、前に商人ギルドの銀の商人フィードさんにお墨付きをもらったのです。
それにそれに!
なんといっても、ナノをふくめて、三人の先駆者さんたちまでこの【紡ぎ人】に引き入れた、ノイナさんの運とお声がけの上手さは、何回考えてもすごすぎるのです!!
ナノが入った当初は、ノイナさんとドバンスおじさんしかいなかった【紡ぎ人】に、ある日エルフ族での錬金術の先駆者なアルさんが加わって。
それだけでも、とってもすごいことだったのに、さらに精霊の先駆者なロストシードさんまで連れて来た時は、さすがにナノも驚きで変な笑顔になっていないか、心配だったくらいなのです!
これは、つまり!
やっぱりこの、ノイナさんがドバンスおじさんと一緒に立ち上げた、アトリエ【紡ぎ人】のみんなが、すごいということなのです!
もちろん、ナノもせっかく素敵なフェアリー族の裁縫職人を目指しているのですから、これからもいっぱい素敵な服がつくれるよう、はげむのです!
目下の目標は――魔法補助の効果がより高い模様を描き出して、模様刺繍の先駆者さんになること、なのです!!
※明日は、
・十一日目のはじまりのお話
を投稿します。
引き続き、お楽しみください!




