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【PV・文字数 100万越え!】マイペースエルフのシードリアテイル遊楽記  作者: 明星ユウ
一章 はじまりの地は楽しい誘惑に満ちている
171/433

百七十話 幕間十八 歓喜するエルフたちの世迷言板語り

※誰かの視点ではなく、世迷言板内のやり取りの記録です。


 



【シードリアテイル】サービス開始から七日目。

 現実世界で宵の帳が降りる頃の、とあるエルフたちの世迷言板にて。


 [そう言えばみなさん、パルの街にはもう慣れました?]


 [少しずつですけど、なれてきました!]

 [おれもなれてきましたー!]

 [俺もそれなりにはってところですね]

 [私も、ようやく慣れてきました]

 [僕はたどり着いたばかりなので、まだ慣れませんね]


 [お! 今の時期についたって言うと、後発組ですか?]

 [はい。まぁ、僕は少し前からはじめていて、友人と合流してから友人のレベル上げを手伝って、今日ようやくパルの街に着きまして]

 [そうだったんですね。ならこれからがお楽しみだ]


 [おぉー! いいですね!]

 [パルの街、楽しんでくださいね!]

 [エルフの里との違いも、見ていくと面白いかもしれません]

 [けっこう違いがありますからね。ぜひ楽しんでください]


 [なるほど。みなさん、ありがとうございます。――ところで、パルの街の話題で思い出したのですが、実は興味深い話を耳にしまして]


 [なんですか?]

 [おっと。気になるな]

 [何でしょう?]

 [おぉ!?]

 [どんなお話、ですか?]


 [その話をする前に、少々確認したいのですが……たしか以前、この世迷言板で、精霊と仲良くなる方法を伝えてくれた先駆者のかたがいた、という情報を友人から聞きまして。この認識はあっていますか?]


 [あってます]

 [はい! あってますよ!]

 [あってます! おれたちその時にいました!]

 [私も覚えています]

 [俺も、後からその会話を確認しましたよ~]


 [あぁ、なら、彼で間違いないようですね。――精霊の先駆者の彼、明日パルの街に行くことを決めたって、服屋の店主さんに伝えていましたよ]


 [え!?]

 [マジでぇ!?]


 [彼の言葉が偽りでない限り、本当のことです。偶然その場にいて、直接耳にしたので、間違いようもありませんからね]


 [わ、わ~! あの人が!]

 [おー!! ついにパルの街にくるんだな!]

 [それは……不思議とこちらまで楽しみに感じますね]


 [僕としては、彼がパルの街にたどり着いていなかったことのほうに、驚きましたが……みなさんはご存知でしたか]


 [分かります、おどろきますよね]

 [知っていても驚いているので、大丈夫ですよ~]

 [エルフの里に留まっていること自体は、知っていました]

 [おれも、こっちに来てないってことは知ってました!]

 [わたしも、まだ来ていないんだな、とは!]


 [なるほど。みなさんご存知の上で、やはり彼がエルフの里に留まっていることに、疑問を感じていたと]


 [ですね。いつ来るんだろうってずっと思ってました]

 [まぁ、全然こっちに来ないな~とは、俺も思ってました]

 [いつこちらに来るのかと、失礼ながら個人的には気になっていました]

 [おれも! いつ来るのかって思ってました!]

 [わたしもです……!]


 [では、みなさんからすると、本当にようやく動き出した――と言う感じでしょうか?]


 [ですね]

 [だな~!]

 [はい。その通りです]

 [そんなかんじです!]

 [はい! そうです!]


 [そうでしたか……]


 [いやでもほんと、まさか一週間もエルフの里から動かないとはなぁ]

 [初日の時には、正直すぐに攻略系に追いついてくるだろうなって、思ってたんだけどね]

 [そうなんだよなぁ]


 [失敬。情報収集が浅くて申し訳ないのですが……彼は、精霊の先駆者以外にも、やはり何か特別なことをしていたのですか? 友人に、とても凄い人のようだ、と熱弁された記憶を、今思い出しました]


 [とってもすごいかたですよ!]

 [謎なくらいすごい人です!]

 [素晴らしい技術を持っているかただと認識しています]


 [あ~、今でさえよく分かってないオリジナル魔法を使いこなしてたり、錬金術でオリジナルポーションつくってたり、とか?]

 [明らかに攻略系でさえ見たことのない魔法の練習をするのを見ましたよ。あと、そばにいる精霊が増えてたんだっけ?]

 [あぁ、それもあったな~]

 [そうそう! 光の精霊? がふえてました!!]

 [以前、話題に上がっていましたね]

 [わたしも覚えてます!]


 [ほう。素晴らしい技術を持ち、オリジナル魔法を使いこなし、オリジナルポーションをつくり、攻略系さえ知り得ない魔法をつかう、新しい精霊をもそばに増やした精霊の先駆者……ということですか]


 [いや、改めて羅列するととんでもないな。……ですね]

 [うん。本当にちょっとおかしいくらい、ですね]

 [やはり、純粋に素晴らしい才や運をもつかただと感じます]

 [ほ、本当にすごいですね……!]

 [たしかに、こうして見るとヤバイですね!?]


 [そして――このように魅力的なかたが、明日パルの街にたどり着く、と]


 [うぉぉ……一波乱ありそうすぎるっ!!]

 [絶対何かはやらかす、じゃなくて、するでしょ]


 [次はどのような分野の先駆者になられるのか……気になります]

 [おれもきになります!]

 [わたしも!]

 [それは僕も気になりますね]


 [あ~~、まぁ、とりあえず考えられるのは……未発見魔法、とか?]

 [……あり得る気しかしなさすぎて、こわいんだけど]

 [ははは……だよなぁ]


 期待と若干の消せない不安を宿した雑談は、飽きることなくつづいていった――。




※明日は、

・八日目のはじまりのお話

を投稿します。

引き続き、お楽しみください!


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― 新着の感想 ―
[良い点] タイトルで、一体皆さん何に対して歓喜するお話だろう?と思いましたが…そう言うことでしたかぁw パルの街で密かにこんな熱烈な歓迎を受けるロストシードさんが可愛過ぎて堪りません( *´艸`) …
[一言] >[……あり得る気しかしなさすぎて、こわいんだけど]  そしてフィールドでの狩りで見るのは三系統複合中級攻撃魔法になるわけですね そう言えば複合魔法でありがちなのは火+風の火炎旋風ですけ…
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