怪盗団『屋根裏のひまわり』
※なろうラジオ大賞4応募作品です
キーワード『ひまわり』を選択としていますが
テーマのワード
『天才/缶コーヒー/えんぴつ/ランドセル/量子力学
星座/夏祭り/チェックメイト/ひまわり/おふだ
体育祭/ポーカーフェイス/屋根裏』
全て使用するを目標に書きました。
楽しんでいただけたら幸いです。
巷で噂の天才怪盗チェックメイトとはオレの事だ!
警察を軽くあしらいながら、盗んだ金銀財宝は数知れず。
相棒のポーカーフェイスも、まぁ天才と認めてやっていいだろう。
相棒はよく練ったココアを片手につぶやく
「量子力学だ」
まったくクールなやつだ!
「なにぃ!予告状が届いただと!」
警察署内にベテラン刑事、通称「缶コーヒー」の怒号が響く。
「お、おちついてください」
「落ち着いていられるか!今度こそあのガキ共とっ捕まえてやる!ついて来いランドセル!」
「ま、待ってくださいよセンパ~イ」
「いでよ獅子!」
星座の守護を宿すおふだの力を解放させると、たちまち警備はパニックとなった。
その隙をついて
「お宝いただき!脱出だ相棒!」
「量子力学だ」
相棒の発明品ロケットえんぴつで華麗に飛び去った。
今回のターゲットとなった悪徳商人の手に一輪のひまわりを残して。
チェックメイトだ!
「市長大変です!」
「なんだね騒々しい…こ、これは!?」
届いたのは大金と一輪のひまわり。
「…屋根裏のひまわりか。ありがたい。使わせてもらおう!」
商店街に活気のある声と、子供たちの笑い声がこだまする。
一時期は財政難で中止の声も上がっていたが、潤沢な資金を得たことで夏祭りは大成功だ。
「おのれ『屋根裏のひまわり』めぇ…今度こそとっ捕まえてやる!」
「お祭りの時くらい缶コーヒー以外のもの飲みましょうよせんぱ~い」
警備も万全のようだ。
輪投げに射的に金魚すくい。
楽し気な雰囲気のなかで半泣きで立ち尽くす少女。
「はいまたハズレ~。残念だったねお嬢ちゃん」
くじ屋の男は下卑た笑いを浮かべる。
おそらく小遣いの全てをつぎ込んだであろう、両手いっぱいのハズレくじを握りしめて見つめるのは一等の巨大なぬいぐるみ。
「おじさん、一回たのむわ!」
「へい毎度!」
また次のカモが現れた。くじ屋の男は内心でほくそ笑む。
「はいよ一等当たり!」
「え?」
(そんな馬鹿な!?一等は最初から入れてないはず…!?)
呆然とする男を尻目に、景品の巨大ぬいぐるみを少女に渡すと若者はその場を後にした。
チェックメイトだ!
「お優しいことだな」
「俺が行かなきゃお前が行ってたろ?」
「…量子力学だ」
まったくクールなやつだ!
「も~やっと来た。遅いよ二人とも。体育祭練習の疲れで寝てるのかと思ったよ」
そう言って笑う幼馴染の浴衣姿に、二人は息をのみ見惚れてしまう。
そして思うのだ。
太陽の花のようなその笑顔を守るためならば、と。
最後まで読んで下さりありがとうございました。
1000文字制限のなか、かなり削り削りしたので説明不足描写不足ではありますが
自分なりの目標は詰め込めた作品になったと思っております。
よければ☆評価、感想などしてもらえると嬉しいです。