総集編 恋と戦闘を振り返る
2009年9月21日。
砂浜での帰りの電車の中、隆は眠っている。それもそのはず、この日は絶対に一体しか出ないはずの怪物が二体も出たのだ。時間が巻き戻ると共に、体力が巻き戻るとはいえ、疲れていても無理はない。
ましてや、隆と恋人の思い出の砂浜に怪物が現れたのだ。きっと、精神的にだいぶ疲弊しているだろう。
亜美子は何故か眠くならず、さっきのことを考えている。
隆くん、本当に亡くなった彼女さんのことが好きなんだね。……夢奈ちゃんの恋はずっと平和だと良いなぁ。
2009年7月22日。
亜美子は夢奈と一緒に夢奈のネット上の友達の拓也にあった。三人で、ショッピングモールで食事をしたのだ。彼は大学に入ったばかりの明るく元気な青年で、すぐに打ち解けた。
だがこの日、ショッピングモールに黒い狐の面が現れて、拓也の意識が異常者に乗っ取られ、戦うことになってしまった。異常者は怪物を作るだけではなく、こんなことまで出来たのだ。
あの異常者、絶対に許せない。
亜美子は思い出しただけでムカムカしてくる。だが、悪いことばかりではなかった。この日、夢奈と拓也の距離は急接近した。
そして8月19日のドライブデートを経て、その次の日に二人は付き合うことになった。亜美子は二人の交際を心から応援している。
だが、ふとあることが頭に浮かんだ。
私もいつか彼氏とかできるのかな?
2009年6月1日。
この日は物置部屋で座禅のような修行をした結果が出て、オーラを自在に使い黒い岩の怪物を簡単に倒した。そして、この日の夜に同じ学校の京介に呼び出されて告白をされたのだ。
京介のことを思い出し、亜美子の顔が赤くなる。
ちょっと! 何赤くなっているの私!
怪物との戦いで先が見えないことと、恋愛感情がよくわからないことから告白を断ってしまった。でも今の亜美子は少しずつだが恋愛感情を理解しているようにも見える。
2009年9月21日。
それにしても、この五ヶ月間、本当に戦ったなぁ。
亜美子はふぅとため息をついて、そのまま眠りについた。




