表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

どこにでもいる付与術師の俺が、大魔王を倒す為に伝説の剣を作ってみた。

 人気のない宿屋の一室。

 ここには今、俺とエルフの女の子……ミリアの二人っきりしかいない。

 宿の人間には金を渡して、近づかないように言ってある。

 もちろん、これからすることがバレないようにするためだ。


 「じゃぁ、始めるか。」

 俺はミリアを見つめてそう言うと、ミリアは少し怯える様に身体を小刻みに震わす。

 「ほ、本当にするんですか?」

 「今更何を言ってるんだ?お前も乗り気だったじゃないか?」

 今になって怖気ついたのか、ミリアの声が震えている。

 「あの時は、その……。でも私、こういうの初めてで……。」

 「大丈夫だよ、ミリアは俺の言うとおりにしていればいい。」

 俺はミリアの肩に手を回し優しく告げる。

 「……わかりました。優しくしてくださいね。」


  ◇


 「アッ、ダメっダメですぅ!」

 「大丈夫だよ。」 

 「だ、ダメですっ。そんなに強くしたら……アッ。」

 「くっ……きついな。」

 「ダメっ、ダメですぅ……あぁ……壊れちゃうー。」

 ミリアが、ダメ、ダメと首を振るが、ここまで来てやめられるか。

 俺は()の場所を確認すると、力一杯押し込んだ。

 「あぁぁぁぁーーーーーーーー。」

 ミリアの悲鳴が部屋中に響き渡る。


 ◇


 「ダメって、ダメって言ったのにぃ。」

 目じりに涙を浮かべて、責めるようにミリアが言う。

 「いや、行けると思ったんだよ。」

 「どこがですか!どう見てもムリじゃないですか!」

 ミリアが指さす先には、割れてしまった魔石の残骸が残っている。

 俺の手に持っている剣の柄には魔石をはめ込む穴をあけてあり、そこに無理矢理押し込んだ結果だった。


 「やっぱり、この剣の強度に対して、その魔石じゃ無理だったか。」

 「そもそも、普通の剣を『伝説の剣』にしようとしたのが無理があるんですよ。」

 俺のつぶやきにミリアが応える。

 「計算上では、これで行けるはずなんだけどなぁ……今度はもう少し質の高い魔石を使うか。」

 そう言って俺はミリアの胸元を見る。

 俺の視線に気づいたミリアが、さっと両腕で抱きかかえるようにして胸元を隠す。

 「ダメ、この石はダメです!」

 「大丈夫、今度こそ成功するからさ。」

 「信じられません……イヤぁぁぁぁ……。」

 俺は魔石を取り上げようと、ミリアに襲い掛かり、室内にはミリアの悲鳴が響き渡る。

 伝説の剣の完成までは、まだまだ時間がかかりそうだった。

 

※ 下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ対象応募作用に考えたショートストーリーです。

 人気があれば、この設定の本編を書いてみたいなとも考えていますが、とりあえずは現在連載中の作品の応援よろしくお願いします。 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] エロと見せかけた非エロ好きです! (`・ω・´)9
[良い点] ほっこりしました。 伝説の剣、いつか完成すると良いですね!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ