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残念世界の残念勇者   作者: XT
91/96

ループワールド・勇者ケイン編 91

1月3日。明日から忙しくなる。各自が明日に備える。


ターナ&ハウル INアトラン

「ルーンよ、昨日の女神感謝祭は、無事終わったか?」

「ハウル様、滞りなく執り行いました。民からは喜びの声を貰っています」

「よくやった。褒美に喰いかけの饅頭をやる」

ターナの歯形のついた、この饅頭・・カモミールの感謝祭で配られたものだ。

「光栄至極です。女神ルーン、家宝に致します」

手なずけていた。


「明日から少しの間、妻と俺はアトランを離れる」

「お出かけでしょうか?」

「レレレのレ。そう。もし戻らない時は、アトランは頼む。私に代わって民を導け」

ターナ達も気が付いていた。この戦いは、防衛戦にあらず。

たぶん厳しい戦いに成ると言う事に。



セレス&マオ IN先代ケインの墓。

「ケイン、2代目は立派に頑張っているわ。今は貴方の望んでいた平和よ。明日からの戦いが済めば、もっと平和になるわ」

セレスは墓に手を合わせ、持って来た包みを開く。

「これね、あなたの好きだった私のおっぱい。仲間に新しいのを作ってもらったから、今まで使ってたのは置いていくわ。私だと思って大事にしてね」

墓前に、おっぱいパーツを備える。


「いい話なんだよね~これってさ~」

「そうね・・たぶん泣ける話よ」

冷ややかな目のマオとピーが後ろに居た。



レナ&パルス INパルスの家

「レナよ。これも仕舞おう」

「ねぇさん、これはねぇさんが一番大事にしていた、限定版、口に出せないタイトルのコピー本ではないか」

パルスは、大事な腐敗本を、頑丈な箱にしまう。

「わしらが居なくなっても、誰かがこれを見つけて、わしらの遺志を継いでくれると信じておる」

「ねぇさん・・・」

パルスは先読み機能で、自分たちの危機を感じ取っていた。

「今年も夏のコミケには行こう」

レナの励ましに、パルスは力強く微笑む。



アズサ&ナナ IN魔都 会議室。

「みんな、聞いてください。私とナナは明日から暫く魔都を離れます」

「そうデス。帰らないかもしれませんデス」

魔都の幹部たちが、ざわめく。


「明日からの戦いは、勇者チームとしての大事な戦いです。命を惜しんでいる戦いではありません!

私は魔都の王として、勇者チームの一員として、命を懸けて、チームに貢献してきます」

「でも、物を大事にするのが魔都のルールデス。命も大事にしますデス」

幹部達から拍手が巻き起こる。


「私たちが戻らない時は、これを私の墓に立ててください」

アズサが渡した物・・・王都のレストランのメニューだった。

カラーメニューには、立派な料理の写真が沢山載っていた。



パルム&セシル

「セシル、坊主は口には出さないが、今回はヤバいと考えている気配がある」

「ええ、私も感じているわ。坊や達、全員からね」

セシルはパルムのおむつを替えていた。


「俺たちは不死だ。いざと言うときは、盾に成って坊主を守る」

「分かっているわ。たとえ、この身が燃え尽きても、私たちは再生する。坊やは守り切るわ。パルム、次は授乳プレイよ」

「ああ、行くぞ!吸い尽くしてやる!」

それなりに、真剣な様子だった。赤ちゃんプレイと、ケイン死守に。



セイレーン&支援機

「ねぇ様、そろそろそのプレイは止めた方がいいです」

「ねぇ様、再生回数が1億回を超えました」

ケインとの偽Hデータを再生し、快楽に溺れまくっているセイレーン。

「良いのです。私は海の覇王です。溺れることを恐れはしません」

上手い事を言ってごまかした。


「ケインさんとの思い出・・・ポリゴンのケインさん。このカクカクした動きが、たまりません!」

「マスター、時間が無くて、3Dで作れなかったと見ました」

「マスター、それでも姉にはバレないと、読んでいました」

アリスがセイレーンに仕込んだ、ケインとの仮想Hデータ。

時間が無くて、画面の荒いポリゴン表示だった。

でもセイレーンは現実で、ケインとHをしたと、信じていた。



トーレフ&マリー&ノスフェラトゥ

「アリス殿からの注文で、大忙しでござるよ。食事の暇も無いでござる」

「科学者は、そんなもんですよ。文句を言う時間は、作業に使いますよ」

2人は忙しそうに動いていた。

「しかし、こんなに大量の注文。これはいったい何に使うのかね?」

納品を担当するノスは、大量の段ボール箱を見て言う。


「アリス殿は、物量作戦を考えているようでござる」

「チビレーンを大量にと、言われたですよ。後は自立式移動型自爆システムも、沢山作っておくように注文が来ていますよ」

手早く手を動かしながら、2人は汗をかき、動いていた。

「チビレーンと自爆機?私には彼女の考えることが読めないのだが・・。

後から、大型のコンテナが、100ほど届く手配に成っているから、サインを頼んだよ」

聞いた2人は、まだ来るのか・・と言う顔でうなずいた。



アイリス&アリッサ IN王宮

「ダメですわ!もっと早く!溜めを作ると隙が出来ますわ!」

「分かったよおばぁちゃん!動きの中で、流れるように魔法を発動させるんだね」

特訓中だった。

「そうですわ!絶対高温は、溜めの必要なスキル。アリスが素早く絶対零度を撃てるのは、この特訓があったからですわ。貴女も、アリスのように、瞬時に絶対高温が使えるようになるのですわ」

アイリスの厳しい指示が飛ぶ。


「モグラ叩きしながら魔法使うのって難しいね」

「高得点を出さないとダメですわ。両方を同時に、かつ完璧にこなすのですわ!」

楽しそうだった。



ドワーフ&ポセイドン

「アリスから作戦を聞いたわ」

「俺も聞いた。恐ろしいことを考える娘だな」

海岸の浜で寝そべるポセイドン。その横にお座りしたドワーフ。

勿論、カメとウサギの格好でだ。


「出来れば使いたくないと言っていたわ」

「最終手段だ。切り札は持っておくべきだがな‥。まさかあれを使うとは」

絵的には、駆けっこを終わって、仲直りしたカメとウサギだった。



ヴィーナス&エクセレント&ビューティー

「ケインさん達、上手くやれるのかな?」

「大丈夫だ。ケインさんなら、必ず守り切ってくれる」

「ええ、あの方なら」

3人は、のんびりお茶を楽しんでいた。


「エクセレント、羽はどうしました?」

「ご安心ください。羽は全て、カモミールの王宮に隠してあります。1枚はアリッサに預け、後は絶対にバレない場所に隠しました」

「ねぇさんの絶対は、危ないのかな」

意外としっかり者のビューティーだ。

今まで唯一、ポカをやらかしていない。


「鍵の方は?大丈夫ですか?」

「勿論、鍵は私が、ここ・・あれ?しまった!着ていた服に入れ忘れて、洗濯業者に出してしまいました!連絡してきます!」

「ケインさんも大変かな」

「羽をカモミールに隠したのは、正解ですわね。恐らくケインさん達なら気が付いて、隠し直してくれていますわ」

よく分かっているヴィーナスだった。



アリス&ケイン&ティナ

「アリスさん、今晩ケインさんをお借りしたいのですが」

「ダメだぞ。今晩だけは、私が妻を主張するぞ」

「なら、今からお借りします」

「それもダメだぞ。ケインの攻撃には回数制限があるぞ。回数を重ねると、攻撃力が弱くなるぞ」

「そんな!それでは私の姫始めが」

「今回の件が片付いたら、好きなだけ貸し出すぞ。1週間、7泊8日レンタルOKだぞ。遅延料は取るぞ」

何の奪い合いだ。


俺とアリスは、サタンの策を考えていた。

どうやって黒い羽を?だ。

だが、どう考えても、奴らが城から出ることなく、羽を奪うのには無理がある。

そこに来たのがティナだ。

俺の貸し出し交渉に来たが、アリスに拒否された。


「ケインさん、大丈夫ですよね?私・・なんか不安で」

ティナも気が付いているか。いつもは鈍い女神だが、さすがに今回は・・。

「セレーンさんとも寝たと聞きました!セイレーンさんはスタイルも良いし、気立ても良い方です」

そっちの不安なのね。


「ケイン、はっきり言ってやるぞ。5年は長いぞ。安心させてやるぞ」

今?ここで?奥さんの前で?

「お願いします!」

女神に祈られた。

「私は気にしなくていいぞ。甘い言葉を掛けてやるぞ」

お、おう。


「ティナ、約束したんだ。俺を信じて待っていてくれ。必ず5年後には結婚する」

アリスの前だと、さすがに言いにくいから、必要最小限だ。

「はい、信じています。式は、洋式ですか仏式ですか?」

女神が仏式ってありなのか?

「式は私たちも挙げてないぞ。ケインはそういうのは好きじゃないぞ」

確かに。俺は固いのが苦手だからな。でも結婚式は、女の子の夢舞台だ。アリスも夢見ているに違いない・・・。男として苦手だからで済ませてはいけないな。


「なら、初めての共同作業は、ベットの中でやりましょう。ケイン挿入です!」

なんだその、ケイン挿入って。ケーキ刀入な。

「上手いこと言いました」

それが初めてなら、結婚前に俺レンタルしてなにするの?


それぞれの時間が過ぎていく。

準備を済ませ、俺たちは明日を待つ。




ーーー閻魔邸ーーー

「閻魔様!閻魔様!これが門に」

閻魔の手下が、部屋で書類にサインする閻魔の元へ来た。

「それは?手紙?」

閻魔は受け取ると、中を見る。


「ぐぅ!」

険しい顔つきになり、一度は言葉を飲み込んだ。

が・・・。覚悟を決めた顔に成る。

  

『全軍出撃準備にかかれ!目標カモミール。勇者の首を取る!』


平和な時は、終わりを告げた。



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