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プロローグ
※これはフィクションです
カチカチカチカチ
テンポのいい音は部屋の片隅でなっていた。
そこには大きな置き時計が一つあった。何年も手入れをされていないせいか埃が被って灰色になってはいたが、時計は確実に時間を刻む。
この世の全てが時間を刻み続けている。どんなに美しいと人気を博した。俳優も時間が経てば顔面皺だらけになり、老いていきいずれ死ぬ。どんなにプレミアな物も時間とともに腐り廃れていく。いつまでも全く変わらないものは無いのだろう。
誰もが時間という電車に乗りレールの上を走っている。僕は、最後尾にただ一人寂しく座っていた。一つ前の車両ではワイワイと楽しそうに同い歳の人たちが盛り上がっている。
気が付くと僕の車両だけ切り離され放置されていた。
この物語は僕の高校時代を描いた。いつもは脇役である僕が主人公の話。