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ショートショート4月~

モブはただ、モブモブしている

作者: たかさば
掲載日:2020/04/08

あるところに、モブっぽいモブがおりました。


モブは、モブなので、名前がありませんでした。


わちゃわちゃしてる、集団の一人でした。



主人公が、諸悪の根源をとっちめたとき、モブは相変わらずモブモブしていました。


主人公の物語は、ハッピーエンドで終わりました。


物語は完結しました。



モブは、物語が完結したことも知らず、モブモブしていました。



どうせモブだし、何も気が付かない、そういうもんです。



でも、世界は、モブをモブで終わらせませんでした。



「おお、モブよ。お前はどうモブを生きるつもりだ。」


「生きるも何も。モブはモブらしく、モブモブし続けます。」



世界は、カチンと来ました。



なんだこいつ。




世界は、モブの役目を忘れたモブを懲らしめたくなりました。


モブは、画面の空きすぎた隙間を埋める、大切な役割を持つもの。



モブがいないなんてとんでもない!



なのになんだ!


モブモブし続けるとかやる気がなさ過ぎるだろうが!!!


なぜそこで、空間を埋め続けますと言い切れんのだ!!!




登場人物には役目がある。


主人公がゴールまで10年かかるならば。


モブは2秒でゴールできる。


それくらい、道筋が違うのだよ。



だがしかし。


ゴールはゴール。


ゴールの重さは、到着までにかかる時間が違えども、同じなのである。




モブが楽とか誰が決めた。


どうせモブだし何もできないとか誰が決めた。


そんなこと、世界は決めておらんのじゃあ!!!!


ゴールを大切にしない奴には、ゴールはやらん!!!




「という事で、いきなり放り出されてしまいました・・・。」




何もない空間に、ただ一人、モブがぽつん。


途方にくれたモブは、今もどこかで、モブモブしているということです。




世界はいらいらしながら思いました。


いつあいつ気付くんだろう。


自分が、自分の人生の主人公だということに。




モブの役目を選んだのは、モブ自身。


モブという役割を持った、一生をモブで終える主人公。


誰かの背景の空間を埋める役割を、ゴールに決めた主人公。


自分の決めた役を適当にあしらうとは何事か!


自分の人生に誇りをもてん奴は、いらん!!!




モブの抜けた世界は、画面の一部にバグがある世界になりました。


けれど世界はもう救われていたので、誰もバグに気が付きません。


誰一人、救われた世界に足りないものに、気付きません。



救われた世界から、モブは消え去り、モブは自分の世界を手に入れているのです。



恐ろしく自由な空間で、ただ一人、モブモブしているのです。


何もない真っ白な空間で、たった一人、モブモブしているのです。


自分の望む世界がそこにあるのに、何もせずにモブモブしているのです。


自分がモブであると頭でっかちになってるモブは、微塵もそのことに気が付いていません。


自分が主人公になれるはずの世界で、いつまでもモブはモブモブし続けています。




世界はかなり、いらいらしています。


勝手に自分の物語を放棄しているモブに、心底いらいらしています。




「あいつ、いつか絶対〆てやる・・・!!」




モブが、チートを引っさげて異世界に飛ばされるのも、時間の問題なのかもしれません。

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― 新着の感想 ―
[良い点] あああああ!!!!! 今日のコイツかぁああああ!!!!! [気になる点] 今見た、今見ましたよおおおおお! [一言] 後のデコピン魔王、と。(シュール)
2020/05/13 22:21 退会済み
管理
[良い点]  多分な教訓がこもったいい文章。  イソップのようだ。 [気になる点]  自分の人生は自分で決めたいものです。  第三者から強制された価値観よりも、例えば芸能人に向いてるよ、大金持ちになれ…
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