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プロローグ 裁判
この世界では裁判というものが行われている。罪を犯した人間を同じ人間が裁くものらしい。不完全な人間が不完全な人間を裁くことができるはずがないというのに。
「なあ、貴様はどんな罰を受けたい?」
少女は震えだす。
黒いフードを被り、ドクロの仮面をつけた男が問う。背中に死神の象徴と言われる鎌をかかげながら。
「恐怖のあまり言葉も発せぬか……」
「ゆ、許して……」
少女は声にならない声を出す。しかしそのかよわい姿に死神は鎌を少女の首に当てた。
少女がビクリとする。
「許しをこうか……」
「お願い殺さないで……」
少女は形のいい瞳を恐怖のあまり閉じ、体を震わせながら言った。
「その感情は恐怖から来ているな。だが――」
「キャッ」
死神はおびえる少女に向けて鎌を振り下ろした。人間を裁くことのできる唯一の存在の死神の鎌を。
「恐怖からの生まれる後悔では罪は償えないのだよ」
少女の姿が、死神の鎌に触れた瞬間、掻き消える。
交換地獄
それが少女に与えられた罰だった。




