表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

いつもいつも、ついてない。

とっても


2017年5月9日。

学校が始まり、ひとつ憂鬱なことが出来た。

それはクラスや学年がなどは不明だが、うちの学校にアイツがいることだ。

アイツは何故か僕の名前を知っていたド変態野郎だ。変態?いや、もしかするとアイツは狂気の殺人鬼で僕を殺す気なのかもしれない。そう考えると、どんどん学校に行くのがつらくなってきた。

こういうときは、HIPHOPを聞くようにしている。

イライラしているときは、クラシック、不安なときはHIPHOP、そして、暇なときは自分の歌詞を目で追う、自分の詩の活用法などその程度だ。

ラッパーの「風呂キレミ」の曲を聴く。…落ち着け…大丈夫だ…ふぅ…キレミのパンチ力のあるフレーズが身にしみる…


よし、行こう。勇気をふりしぼり、玄関のドアを開け、その一歩を踏み出した。僕の家から学校までの道のりは約20分程度と短く本当ならば喜ぶべきことなのだが、長い棘の道のように思えてくる。


学校についた。とてつもない威圧感に押しつぶされそうになる。恐怖と不安で心も頭もいっぱいだ。アイツにもしかしたら殺されるかもしれないのだ。

教室の前まで来た。後はドアを開け教室に入ればいいのだがいつもよりドアが重く感じる。家からここまでアイツはいなかった。この教室にいないことを願う。

ドアを開ける。わずか3秒。神よ仏よ魑魅魍魎よ、だれでもいいから奇跡を起こしてくれ!!!


教室に入り隅々まで目を配る。アイツの姿はない。良かった…と胸を下ろしていたとき肩に手を置かれ、声をかけられる。


「一緒のクラスだったんだね!」


アイツのこえだ。


神よ。なんて無慈悲なのだ。



~~~~~~~~~~~~~~~



2017年7月23日。

天気は快晴。いや、むしろ暑い。じりじりと太陽がアスファルトを焦がしてゆく。夏だから当たり前といえば当たり前。覚悟はしていたものの、やはり暑いものだ。


今日、僕は何処に向かっているのかというと、たまたま「サピエンス」という、人気バンドの野外ライブチケットを友達からもらったため、歌詞作りのヒントがないかと会場まで足を運んでいる最中。なのだがその足が今はもはや鉄骨となっている。

何とかバス停まで来たのはいいものの、そこから待つ時間がまさに灼熱地獄。時、12時5分。バスが来る時刻は12時25分。悪魔!鬼!醜悪!この20分間何をしておけというのだ!スマホをいじろうにも、太陽のせいでにじみ出てくる大量の汗がスマホにおちて、いちいち拭いたりするのがめんどくさい。故に20分はなかなかのキツさを提供してくれるのだ。



かれこれ25分何とか凌ぎきってバスに乗り込むことが出来た。

バスの中はクーラーが良く効いていて、天国のようだった、天使…仏…

色々と感謝していると、会場の「保々木公園ほほぎこうえん」についた。やはり人気なだけあり、大勢の人たちが会場のステージ前に押しかけているのが遠くからでもわかる。時、12時53分、ライブが始まるのは1時35分、約40分前だというのに、ご大層なもんだ。勘違いしている人が居るかもしれないが、俺は別に大ファンってわけでもない。歌詞の参考になるかもしれないから、流行っているから聞いてみよう、ぐらいのミーハー野朗なのだ。

にしても人が多い。このためにわざわざ仕事や学校を休んだのだろうか、それとも仕事が無い暇人ニートなのだろうか。日本の経済発展を願い、前者であることを信じよう。


かれこれ時は過ぎ、ライブ開始まもなくになった。周りの人達はかなりテンションバーン状態になっているが、僕はこういうのが苦手なもんで、このあいだはずっと立ったまま歌詞を書いていた。汗なんかがメモ帳に落ちることを考えて、メモ用紙に書きとめておき、後で書き写すようにした。



いよいよライブが始まる。サピエンスのメンバーはボーカル1人、ギター1人、ベース1人、ドラム1人の計4人、全員男性、平均年齢24歳のハードロックで構成されている。


彼等が入場してくる。入場曲は彼らの代表曲、「先生がなんぼなもんじゃい!」で始まった。

その後も彼等のヒット曲などをかれこれ2時間ほど楽しんだ。最初は冷めていたものの、だんだんテンションが上がってきて、なんだかんだであっという間の時間だった。


ライブは終わり、会場から皆が帰る。ゴミなどが残された会場が、少し寂しげにいるような気もする。とは言うものの僕にも帰る家があるため帰らなくてはならない。

別にどこか寄り道するわけでもないので、家にまっすぐ帰る。またあの暑い中を帰るとなると気が狂いそうにもなるが、なんとかこらえてバスに乗り、家まで帰る。



「ただいまー」

と僕が言うものの今日は誰も家に居ない。

母はママ友とプチ旅行、姉は友達とショッピング、父は社畜である。


自分の部屋に行く前に汗をびっしょりかいたので、シャワーを浴びようと服をぬぐ。

ズボンを脱ぎ始めた頃だ、違和感を感じた。胸騒ぎがする。そのまま浴槽へと行く途中で思い出す。


メモ帳を忘れてきた!あれは見つかると恥ずかしい…しかし名前は書いていないから大丈夫と思ったそのとき、いいのか悪いのか、思い出してしまった。


あれには自分の学校とクラスが書いてある。しかも会場はうちの学校と結構近い。あれがもしうちのクラスに張られると思うと、不登校まっしぐらだ。


ヤバい。急いでシャワーを浴び、着替えてすぐに会場まで戻った、時刻は、5時23分。

少し涼しくはなったものの道路の暑さは鉄板のようだ。


暑い。


また汗をかき始めた。


今度は走っているため、余計に汗をかく。


頼む。誰にも見られてませんように。


あぁ、なんてついていないんだ。






美味しいです(あいす)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ