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選ばれざる言霊使い   作者: シロライオン
第2章 強欲の塔 編
54/75

亜種

前回のあらすじ

サラサラヘアーを手に入れる為、七色薔薇セブンローズを探す事になった。

1週間後。


七色薔薇セブンローズの情報を探したがゴルタン付近では採れないらしく、一旦諦めてリントは仲間のレベル上げと共に強欲の塔攻略に勤しんでいた。


塔は9階まで全てマッピングが終わり、後1歩で10階と言うところまで来ていた。

リントはその間、運命天秤デスケルの検証を行った。

検証の結果はこうだ。



~~運命天秤デスケル~~

1.発動から対象への効果時間は約12時間。

2.リチャージに約3日掛かる。

3.魔物に対して運命天秤デスケルは発動しない。



リントは魔物に対して運命天秤デスケルが発動しなかったからといって、運を下げる検証を人で試す訳にもいかなかった。もし検証してその人が死んでしまっては大変だ。しかし使ってみたい衝動もあるのでやきもきしていた。

ちなみにマリーに運命天秤デスケルを発動し、運を上げた時はヨハネ商会との交渉で家を家具付きにしてもらった。入金が確定した後の交渉事なので普通はあり得ない。マリーの交渉術ではなく恐らく運命天秤デスケルのお陰と思える。あと、少しだけ胸が大きくなったらしい。これは関係ないのかもしれないが。。。




「リントさん!リントさん!リントさん~~!」


まだ皆が寝静まってる頃。マリーが部屋の外から中へ飛び込んできた。


「・・・・・おはよ。マリー。どうしたの?ふぁ。。」


リントはまだ意識が覚醒していないらしく欠伸をしている。


「寝てる場合じゃないですよ!超おいしい緊急クエストが出たんですよ~!」

「・・・・そうなの?」

「はい~!報酬が50万リェン~!そしてなんと副報酬に七色薔薇セブンローズ~!」

「・・・・・え?マジで!?でもそんなおいしいクエスト他の冒険者も放っとかないんじゃ?」

「ふっふふ~。私を誰だと思ってるんですか~?」

「ふむ。。。続けたまえ。。。」


マリーの話によるとこうだった。

昨夜、赤いワイバーンの目撃情報が冒険者ギルドに持ち込まれたらしい。通常のワイバーンは体が鼠色をしているがどうやらこのワイバーンは亜種らしい。亜種のワイバーンの目玉は妙薬の素になる素材で、不治の病を患っている娘の為にラクゼ辺境伯がこのワイバーンの討伐依頼を本日かけるらしい。

何故、マリーが既にこの情報を知っているかと言うと七色薔薇セブンローズを探していたマリーにギルド職員のサラがこっそり教えに来てくれたらしい。


「ふむふむ。ラクゼ辺境伯か。。。どっかで聞いたような。。。」

「私も何処かで聞いた覚えがあったんですけどね~。。。まぁそんなことより他の人がクエストの事を知る前に行きましょ~!早い物勝ちですよ~」

「・・・・何かせこい気がするけど、七色薔薇セブンローズには替えられないな!!」



リント達は眠っている皆を叩き起こして出発した。

ヴァンガードがブツブツ言っていたが気にしない。


目的地はゴルタンから東方面にあるガルジ山脈。徒歩3時間で麓に着く場所だ。

ガルジ山脈の麓に向かって街道を歩いていると


「何か久しぶりだね。こうやってリント君と冒険するの」


そう言ってルルが微笑みリントに腕を組んできた。


「あ~。確かにね。塔もまだ一緒に行ってないしね」


ルルとキキはこの1週間。素材集めをする為に塔にはまだ登ってなかった。


「あの時はこんな感じになるなんて思わなかったな」


キキも微笑みながら反対側の腕を組む。


「う、うん。キキ怖かったし。。。」

「怖かった?キキは普通に接していたつもりだったんだが」

「まぁそこがキキの可愛い所なんだけどな」


(お酒を飲んだら特にね。)


「そ、そうか?」


キキが顔を真っ赤にして俯く。


「ちょっと~。3人で何イチャついてるんですか~?早くしないと他の冒険者に先を越されますよ~!?」


マリーが頬を膨らませた。


「その通りじゃ。全く。。。この痴れ者め。。。」


何故か王女様も怒っているみたいだ。


「そ、そこまで言う?」



2人の機嫌が悪くなったので先を急いでガルジ山脈の麓に向かった。


「そう言えばマリー。ワイバーンって強いんだっけ?」

「ワイバーンは蜥蜴に翼が生えたような生き物でC級クラスの魔物みたいです~」

「C級か。。。亜種になると強くなるんだよね?」

「一般的に亜種はその魔物のランクが1つ上になると言われてます~」

「と言う事はB級クラスか。。。」

「ワシに任せておけ」


(おっさんは飛んでる敵に攻撃出来ないだろ。。)


リント達は何故かいつも強気なヴァンガードをスルーして山脈を登り始めた。

山脈はゆるやかな坂道が続いており足元には草木が生い茂っている。

天気が良い日にはピクニックでもしたいようなそんな場所だった。


しかしそんな事を言っていられる場所でもなかった。

植物の魔物や、猿みたいな魔物が次々と湧いてくる。


「クピスは右!おっさんは後衛を守って!」


しかし、リントの適格な指示により難なく切り抜けていった。



麓から魔物を倒しながら進むこと3時間。

マリーの情報通りに道をしばらく進むと大きな洞窟の入り口があった。


「もしかして、この中にいる?」

「恐らくな。ワイバーンは洞窟の中に巣を作ると聞いた事がある」


物知りキキさんの情報を得て、休憩を挟んだ後リント達は洞窟に入る。

洞窟の中はワイバーンが巣を作っていると言うだけあってかなり広い。

天井には大きな穴が空いており、陽が差しこんでいて明るかった。


「あ!あんな所にダグマイト鉱石が!」


ルルは珍しい鉱石を見つけたらしく、その方向に1人で走って行った。


「あっ!待て!ルル!」


リントは呼び止めたが既に遅かった。

ルルが走って向かった鉱石の物陰から突如赤いワイバーンが出現。


「ふぇ?」


ルルは赤いワイバーンに鷲掴みにされ宙に浮いた。


「クッ!!」

★サーシャ先生の補足授業★

ワイバーンは体長2~3mの空を飛ぶ蜥蜴型の魔物よ。

亜種になると体長は5mを超えるわ。

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