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選ばれざる言霊使い   作者: シロライオン
第2章 強欲の塔 編
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前回のあらすじ

強欲の塔で頭おかしい人に出会った。

ルルとキキが帰って来た。


「ただいま」

「あ。リント君もう帰ってたんだね」

「うん。今日は様子見だったからね」

「良かった。無事で。塔の中はどうだった?」

「それなんだけどね。。。」



宿屋で話すのもアレだったので、ティルダも誘って近くの個室があるレストランに向かった。

塔の中の話は程々に出会った男についてみんなに話した。



「うわ~。それは大変でしたね~」

「まぁ、こっちには危害はなかったけど胸糞悪い奴だったよ」

「そんな奴がいるなら気を付けないとな」

「クランの名前は?」

「ワシはこっそり見たぞい。カレッジパーソンだったかの」

「変な名前ですね~。でも覚えときます~」


男の話をしているとティルダの顔色が段々と悪くなる。


「ティルダさん。大丈夫ですか?顔が白いですよ」

「・・・その男、どんな髪の色じゃ?」

「えっと。。。茶髪だったかな?」

「・・・服装は?」

「え~と。。。高そうな白いローブ着てて、魔法使ってたけど何故か手には剣を持ってたような。。」


男の説明をしているとティルダの顔から更に血の気が引いていく。


「リント。。。。後で話しがある。夕食が終わったら部屋に来てくれ」

「え?あ。はい」


そう言うとティルダはロクに夕食を食べず宿に帰って行った。


「どうしたんだろ?ティルダさん」

「何やら訳ありみたいじゃの」

「リントさん~。部屋に行って襲わないでくださいよ~」

「ばっ!そんな事出来る訳ないじゃん!相部屋だし!!」

「・・・相部屋じゃなかったら襲うのか?」


キキが真顔で詰め寄ってくる。


「いやいやいや!・・・てか!そんな事より良い家あった?」


リントは強引に話題を変えた。


「それが・・・あったんですよ~!」



3人の話を聞くとその家は商業地区の真ん中にあって現在建築中。

道と道の間に挟まれていて表を玄関にして裏を店舗にすれば理想の形になる。

建築中なので、改築も融通が利くらしい。


「へぇ~。いくらぐらいしそうなの?」

「今の段階で1200万リェンぐらいだそうだ」

「その上で改築しないといけないから改築費も兼ねてリントさんに相談しようと思ってたんですよ~。」



その家はもともと新しい奴隷協会の建物になる予定だったが、ここ1ヶ月程でランルージ王国の奴隷の数が激減。奴隷が減ったので新しい建物が要らなくなったらしい。急遽、住居用に改築しようとしてる所をマリー達が見つけたらしい。



「へぇ~。じゃあ、かなりデカそうだな」

「そうなんですよ~。貴族のお屋敷ぐらいあると思います~。」

「リント君。どんな間取りが良い?」

「そうだなぁ~。。。まず、玄関を開けるとエントランスの中央にデカい階段。1階は客間、リビング、キッチン、ルルとキキの作業場、倉庫、シャワー室、おっさんの部屋。階段の後ろに店舗かな。」

「なんでワシは1階なんじゃ?」

「それは・・・倉庫が近いからだよ。酒が切れてもすぐ取りにいけるだろ?」

「リント殿。。。そこまでワシの事を。。。かたじけない。。。」


(こちらこそ。。。それで納得してくれてかたじけない)


「2階はそれぞれの部屋、大浴場、書斎とか欲しいな。」

「大浴場って、リントさん~。みんなで入ろうとしてるんですか~?」

「ワシは風呂は嫌いじゃ。」


(いや、おっさんと入ろうとはしてない。でも風呂嫌いでありがとう。。。)


「で?どうなの?リント君?」

「・・・え!?いや!違うよ!?俺はデカい風呂に入りたいんだ!大は小を兼ねるっていうじゃん?それにほら。2階だし。アレだよ。。。露天風呂とか最高じゃん!!」

「・・・露店風呂にするのにデカい必要はないと思うが」


キキが冷ややかな目で見て来る。


「いや!露店風呂って言ったらデカいって相場が決まってるじゃん!・・・ね?クピス」

「あい!」

「あ~!そうやってクピスちゃん分かってないのに話振って~」

「・・・・とにかく!これは譲れない!他の何よりも譲れない!もう決定事項です!」

「フフ。リント君ったら。。。そんなに入りたいならルルと一緒に入ろ?」

「あ~!ルルさんずるいですよ~!そうやっていつも良いとことって~」

「そう?それならマリーも入れば良いじゃない?」

「そうだぞ。キキも入らないとは言ってない。」


マリーが頬を膨らませながら呟く。


「マリーだって入りたいもん。でもリントさんと2人が良かったんだもん」


マリーが聞こえるか聞こえないかぐらいの声で言った。


「ん?なんて?」

「あ~もう!分かりましたよ~!その代り覚悟しといて下さいね~!」


何を分かって何を覚悟するのかリントは分からなかったが取りあえず間取りはだいたい決まった。



「あとついでに庭に噴水とか地下に訓練場とか欲しいよね」

「リント。完全に予算オーバーだぞ。」

「ですよね。。。」

「まぁ、取りあえずマリーが交渉してみますよ~」

「うん。お願いします。でも露店風呂は絶対ね。。。」

「はい~」


14歳に呆れられながら夕食を終えて宿に帰った。



部屋に行くとティルダはまだ顔色が冴えない。

ティルダが2人っきりで話したいと言うので街の時計塔に連れて行く事にした。


「浮気したらダメですよ~」

「分かってるよね?リント君?」

「リント」


3人が怖い顔で見てくる。


(さっきは一緒に風呂入る話ししてたのに、仲間じゃないと浮気になるんだ?・・・基準が分からん。)



そんなこんなでフードを被ったティルダを時計塔まで連れて来た。


「ティルダさん。着きましたよ。。。話ってなんですか?」

「実はの。。。お主が強欲の塔で見た男。。。恐らく勇者じゃ。。。」

「へぇ~。。。え!?マジで!?」


リントは久しぶりに2度見した。

★サーシャ先生の補足授業★

ゴルタンの家の相場は300万リェンぐらいするの。

リント達が買おうとしている家はその4倍の値段だから名のある冒険者か貴族ぐらいしか買えない値段だわ。普通に買ったら周りから怪しまれるわね。

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