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選ばれざる言霊使い   作者: シロライオン
第1章 名もなき島 編
4/75

スライムキラー

--次の日


パーティーに加えて貰えなかった俺はは1人で町の近くの草原でクエストをこなしていた。

といってもスライムを討伐する最弱クエストだが。


「うぉぉぉ!」


俺の剣がスライムを両断した!

俺は昨日の鬱憤を晴らすようにスライムを狩り続けて40匹ぐらい手当たり次第討伐していた。この近辺のスライムはもういないと言う程に。


スライムの体長は約50~100cm。球体で半透明の魔物だ。球体の中には核があり、これを破壊すると絶命する。こちらから何もしない限り襲って来る事はないが、放って置くとありとあらゆる者を吸収し増殖する。

スライムがドロップ化するとスライムの粘液になる。このアイテムは生活に欠かせない。粘着剤になったり、ガラスの素材になったりと使用用途が様々なので需要が切れることがないらしい。

それなので、ギルドの討伐依頼も常にあるのが現状だ。

スライムはこの世界にいる魔物で1番弱いとされているが、近隣のスライムの増殖を放っておいた村が、スライムに飲み込まれたと言う話があるらしい。ある意味1番怖い魔物なのかもしれない。


「ハァ!ハァ!スライムとはいえ同時に5匹来たら危ないな。回復ポーションが無くなったぜ・・・」


スライムの攻撃方法は体当たりからの窒息攻撃。

弱いとはいえ5匹同時に来られたら命の危険もある。

こっちは助けてくれる仲間はいないからな。


「よし!そろそろレベルも上がった頃だろう。ステータス確認だ!」


===============================================

リント 21歳 男 人間

称号 :スライムキラー

レベル:4

ランク:G

職業 :水僧侶アクアプリースト

HP :5/20

MP :15/15

筋力 :10(+15)

耐久 :8(+8)

敏捷 :15

魔力 :21

運  :20

スキル:言霊ことだまレベル1(生物と意志疎通が出来る)

水魔法:なし

装備 :ミドルソード

    :旅人のマント

    :皮のブーツ

お金 : 1250リェン

===============================================


「うは!スライムキラーになってるし・・・そういえば、言霊ことだまの事忘れてたな。まぁいいや。また試そう。そろそろ魔法とやらを使ってみたいしな」


ギルド証を見るとスキルポイントは順調に溜まっているみたいだ。

ギルド証を手に持ち水治癒キュアを習得しようとイメージする。

するとギルド証が輝きだし、俺ののスキルに水魔法が追加された。


水治癒キュア!」


そのまま唱えると全身が水色の淡い光に包まれた。


「おー!初魔法!傷が治っていくような気がする!」


30秒ぐらい経つとHPは全快していた。どうやら回復量は魔力に依存するみたいだ。


昨日マリーに貰った初心者の心得をリントは読破していた。

スキルの習得の仕方や適正武器の説明等この世界の事を全く知らないリントには重宝した。

昨日は今日に備えて適正武器を買って知識を得る事にしたのだ。


適正武器とはその職業に合った武器を装備する事で、+の補正がかかる。

例えば

狩人なら、弓、短剣、鞭。

魔法使いなら、杖、魔導書、水晶。

戦士なら、両手剣、片手剣、斧全般。

といった具合だ。


リントは水僧侶アクアプリーストなので

槍、杖、片手剣だった。


「片手剣が適正装備で良かった~。やっぱり男なら1度は剣使いたいよね!さすが器用貧乏!水僧侶アクアプリースト万歳!」


リントは生前の記憶が無いため剣術などは知らない。

適当に剣を振っているが適正装備なのである程度使いこなせているのかもしれない。


「今日はここら辺で帰るか」


あたりを見渡してもスライムはもういない。時刻はまだ昼過ぎだが帰る事にした。


ギルドにクエスト完了の報告をしにマリーにギルド証を渡す。


「お疲れ様です~。スライムキラーのリントさん~!」


マリーは今日も元気だな。


「な、なぜそれを・・・」

「ギルド証を見れば分かりますよー。30匹ぐらい同じモンスターを狩り続けるとキラーの称号を得ちゃいますからねー。では今日のクエスト報酬ですー!」


マリーがハンコみたいな物をギルド証に押すと500リェン追加された。


このギルド証は便利だ。お金はここに収納されるし倒した魔物の数はギルド証が証明してくれるしスキルも覚えさせてくれる。その上、重量制限はあるがアイテムも収納出来る。

今はノーマルカードなのでここまでの機能しかないがランクが上がればまだまだ便利な機能が追加されるという。今から楽しみだ。


「さてと、今日は帰って新たな魔法でも習得するかな」


そう言うとリントは宿へ帰った。

宿に着くと受付にサーシャがいた。


「あら?もう帰ってきたの?まだ夕刻前よ?」

「ちょっと試したいスキルがありまして。」

「それなら中庭を使うといいわ。冒険者の訓練用に魔導器の結界が張ってあるから、あなたが暴れるくらい訳ないわ」


さすがギルド直営店だな。訓練場もあるとは。


「あ、ありがとうございます」


リントはサーシャが少し怖い。

いつもクールビューティーなのに珍しい剣を見るとまるで別人になるからだ。


珍しい剣を手に入れたらバレないようにそっと売却しよう・・・。


そう思いながらリントは中庭に向かった。


中庭に着くとリントはギルド証を取り出してスキルポイントを確認し習得した。


泥水マッド!」


魔法を唱えると正面3mぐらいの距離に半径1メートル程の泥水が出現。

試しに歩いてみる・・・滑った。

よし!習得成功!これだけ滑りやすければ戦闘で使えるな。飛んでる敵には意味ないけど。


=============================================

泥水マッド

半径0~5mのイメージした範囲で滑りやすい泥水を地面に展開。

継続時間や大きさは魔力に依存するが熟練度が上がれば、それらはコントロール出来る。

=============================================


まだレベル4なのに2つの魔法を習得出来る事には理由があった。


リントは水僧侶アクアプリーストなので水魔法を習得するスキルポイントは通常の半分で習得出来る。さらに水魔法にはそれぞれプラスの補正が掛かる。回復力が増えたり、魔法攻撃力が上がったりする。自分の属性以外でも初級の魔法や武技は一応覚える事が出来るが、習得ポイントが2倍。マイナス補正も掛かる。ちなみにリントの場合、水魔法と対極にある火魔法は習得ポイントが4倍、大幅にマイナス補正も掛かる。という訳で自分の属性以外の魔法を覚える人は少ない。スキルポイントの無駄使いも良いところなのだ。

ちなみに属性のない職業は基本的に魔法を使わないので覚える事はない。そもそも魔力が低いのであまり使いものにならないのだ。戦士や拳闘士は魔法ではなく、スキルポイントは武技に振っている。

武技は、闘気(HP)を使って自身の攻撃力を上げたりと特別な技の使用等がある。



--1時間後


リントは泥水マッドの練習を終えて全身泥まみれになっていた。

遠目に見ると動く泥そのものだった。

中庭から宿へ入ろうとした瞬間


「イギャアアアア!!」


サーシャがとんでもない悲鳴を上げた!


「ちょっと!あなた!!そんな泥まみれで中に入るつもり!?殺すわよ!」


剣を振り上げたサーシャさんが鬼の形相でこちらを睨みつけている。


「す、すいません!!!殺さないでぇ!虫になるー!」

「なに訳の分からない事言ってんの!?中庭の奥にシャワーがあるから浴びてきなさい!服も全部洗って干しとくのよ!」

「は、はい。すいませんでした・・・」


シャワーとかあったんだ・・・。


リントはこの世界に来て初めて身の危険を感じるのだった・・・。

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